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卒業の朝 The Emperor's Club

卒業の朝 [DVD]

<映画あらすじ>
アメリカ、ヴァージニア州の名門校の聖ベネディクト男子校には、学生達から厚い信頼を受けている教師がいた。
歴史学の教師、ウィリアム・ハンダート。
しかし、上院議員の息子のベルが転校してきた途端、クラスメイト達が彼に影響され、問題ばかり起こすようになる。

ハンダートは、ベルの父親に会いに行くが、彼の父親は人間形成は教師の仕事ではない、教師は勉強だけ教えていろと言うような人物だった。

父に叱られ落ち込むベルを心配し、ハンダートは、学校の伝統行事ジュリアス・シーザー・コンテストを目指すよう古い歴史の教科書を渡すと、ベルも改心し、勉学に励み、すばらしい成績を取るようになる。
最後の3人を選出するテストで、ベルは4位であったが、ベルの頑張りと成長を考え、3位の生徒と入れ替えて、ベルをコンテストに出場させてしまう。
しかし、ベルはそのコンテストでカンニングをしており、それに気づいたハンダートは、予定以外の問題を出し、ベルは答えられず優勝を逃す。

そのコンテストの後、ベルはまた問題児に戻り、彼に影響されたクラスメイトと卒業まで悪ふざけをして真面目に学生生活を過ごすことはなかった。
ハンダートは、ベルを変えられなかったことを悔やみ、教師人生の苦い思い出となってしまう。

それから25年後、校長が亡くなり、長年副校長として勤めてきたハンダートは、次期校長は自分だろうと考えていたが、資金集め等、長年根回しをしていたジェームズ・エルビーが校長に選ばれ、学校を去ることに。
しかし、あのベルが大企業の会長になり聖ベネディクト開校以来最高の寄付をすることになるが、その条件にハンダートの司会で25年ぶりのジュリアス・シーザー・コンテストを開催したいと言ってきた。

ハンダートは、成長したベルの姿を楽しみに彼の豪邸へ向かうことに…。

 

 


<感想>
 ねたばれあり


雨の日、何気なく見始めた映画。
タイトル「卒業の朝」から、感動学園ものか?と思っていたが、一味違った作品で、良い意味で裏切られ続けてエンディングまで夢中で観てしまった。

良くありがちな悪がき転校生。
上院議員の親は、案の定息子に全く興味なし。この子が愛情溢れる教師のおかげで改心し、ジュリアスシーザーコンテストで優勝するのだろうと予想していた。

なんと、コンテストであろうことかカンニング
ここで、教師も生徒も敗北・挫折を味わい、卒業までにまた感動的な何かがあるのかと思いきや、悪がきは悪がきのまま卒業。

あれ?

問題解決しないまま25年後に。
コンテストのリベンジを願う悪がき生徒ベルが、大企業の会長に就任し、彼の豪邸で25年ぶりのコンテストを開催したいと学校への寄付の条件に校長のエルビーに依頼してきた。
さすがに卒業後、社会に出て苦労したベルが、成長した姿を見せてハンダートとともに感動させてくれるのかと思いきや。
まさかのまたカンニング

ハンダートとともに見ている私もがっかり。

 

どっと嫌な汗をかいて、トイレで落ち込むハンダードのもとにベルが現れる。
ハンダートがベルのカンニングを責めるが、ベルは「それが何?」と悪ぶる。
カンニングしようが、教師に責められようが、自分は大企業の会長となり、これから上院議員に出馬しようとする成功者だと言い返す。
ハンダートは言葉に詰まり、敗北感を味わうが、なんとそのトイレには彼の長男がおり、父と恩師との会話を一部始終を聞いていたのでした。
ベルは、今後、上院議員になり地位も名誉も得るだろうが、彼の息子からは軽蔑されたままの人生を送ることになる。

一筋縄ではいかない作品だと、ショックを受けながらエンディングに。
しかし、ここで、驚きの感動が待ってます。

 

↑学生時代 ↓25年後

 

最近の、CG使いまくりの迫力映像も、見ている分には面白いが心に残るもの作品はあまりなかった。
この映画は、いつか人生の糧になると言える作品だと思う。

主役のハンダートを演じるケヴィン・クラインが良い!
彼の出演作で1,2を争う名演技だと思う。

ベルの学生時代を演じるのは、エミール・ハーシュ
若き日のディカプリオっぽい。
最近では、映画「スピードレーサー」の主役を演じてます。

若きマーティン役は、ポール・ダノ
典型的な美形ではないけれども、雰囲気イケメンというのかな?
エミール・ハッシュとは別のタイプのイケメン。
リトル・ミス・サンシャイン」でも素晴らしかった。
俳優にミュージシャンにと活躍されています。

成長したベル役には、あのジョエル・グリッチ
「4400」の主役、トム・ボールドウィン役が有名です。
とにかく嫌な奴を演じてます。それがまたはまってます!

 

成長したマーティン役は、スティーブン・カルプ。
「13days」と「Norma Jean & Marilyn 」の両方の作品で、ロバート・ケネディ役を演じているのため、ロバート・ケネディ=スティーブン・カルプになっています。
タレ目具合が好み。

成長したルイス役には「グレイズ・アナトミー」で有名なパトリック・デンプシー
意外にも三枚目役。低迷期の頃か?

美しい学園風景や、名門男子校というだけでもドキドキ!
赤い制服は、どうかなと思うけれども。

 

 【映画ロケーション】

学校は、Emma Willard School (285 Pawling Avenue, Troy, New York, USA)が撮影に使われています。

  

ベルの豪邸には、The Muttontown Country Clubが使われています。

 

宮殿泥棒 (文春文庫)

原作は、イーサン・ケイニンの「宮殿泥棒」。
是非こちらを読もうと思います。
あと、ジュリアス・シーザーについて勉強しなおしたいです。