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ボストン・リーガル S3#14 忘却剤 BOSTON LEGAL ”Selling Sickness”

Boston Legal: Season 3/ [DVD]

ブラウン判事は、SSAD(同性愛障害)を治すという施設に入り、4万ドルという高額な費用を払ったが一向に治らないため施設を訴えたいとデニーに弁護を依頼。アランとデニーで担当することに。
シャーリーは、ラビからの性的虐待の記憶を忘るために、父親の考えで試験段階の新薬である忘却剤(forgetting pill)を飲もうとしている少女を止めさせたい少女の(離婚した)母親を弁護することに。
一方、デニースは妊娠発覚!ブラッドとジェフリーにどちらの子供かDNA鑑定をすることに。

以下ネタバレ注意

 

今回の事件は二つともあまり共感する部分がなく、サラっと観終えました。

気になるのは、デニースの妊娠!
結果、ブラッドが父親でしたが、ジェフリーは平静を装いながらも動揺…。
最初の頃のイヤミなジェフリーが全く感じられず、おめでとうと言いその場を去っていきました。
ジェフリーは去ってしまうのでしょうか?
ブラッドより断然ジェフリー派です。

ブラウン判事が訴えた「輝ける明日」という施設はどうなのでしょうか。
いくら治したいとはいえ、常識人である判事(変わり者ではあるけれども)がそんなところに大金つぎ込んで治療しようだなんて。
4万ドルで同性愛が治るとはいったい。

アランの最終弁論は、
古い木箱の上に立ち、Gloria Weldon判事に「何をしているの?!」と注意されると、「週に1度の大演説を! (I do it once a week.)」と答えます。
同性愛向けの薬を製薬会社が作っていないのは何故なのか?不治の病?→それならば宗教に頼ろう。“同性愛障害”と名づけたのは宗教団体。同性愛者を人ではなく、病人として扱い、「症状は深刻だ…」と言葉巧みに脅し、治療できると説明し判事が4万ドルを支払ったことを説明。
「せめて返金を保証しても罰は当たらない!Shame on you. Couldn’t you have at least offered a money-back guarantee, and thrown in a blender?」と最後にガツンと言って、最終弁論を終えます。
相変わらずかっこいい!アランの独壇場です。判事もアランに見惚れています。
もちろん判決は勝訴!
4万ドルの補償的損害賠償と35万ドルの懲罰的損害賠償を勝ち取ります。

シャーリー・シュミット女史の担当した、新薬の忘却剤を飲んでラビから性的虐待を受けた恐ろしい記憶を消したいと願う父娘を止めさせたい元母親からの訴えの最終弁論は…。
まずは、試験段階の新薬としての危険性をアピール。
その後シャーリーは、「ここで問うべきは“私達の人生とは何か?”(This case is about what makes us who we are.)」と人生について語り始めます。
「人生は経験の積み重ねである、経験の善し悪しは関係ない。」
We are the sum of our experiences, not just the good, not just the bad, but all of them.
と説明し、詩人アーサー・ハラムが亡くなったことを嘆く偉大なイギリスの詩人テニスンが、美しい「イン・メモリアム」という長詩を作り出し、その詩の中に親友の魂は生きつづけていると話し、薬で全て忘れたら傑作は生まれなかった、と訴えます。
そして、経験の積み重なりである人生まで製薬会社に売り飛ばせというのか?と言い、最終弁論を終えます。
かっこいい!こちらもさすが!

 

イン・メモリアム (岩波文庫 赤 226-2)

岩波書店より

テニスン(1809‐1892)はヴィクトリア朝を代表する詩人であった.非常に甘美な詩を作って国民全体から愛され,1850年桂冠詩人となった。「イン・メモリアム」は,親友アーサー・ハラムの死後,悲哀絶望の底からうたいつづけた追憶の詩の集積である。ヴィクトリア女王は王の没後,常になぐさめと追憶とをこの詩集に求めたということである。

お馴染みバルコニーシーン。
デニーは、同性愛問題の唯一の解決策をアランに話します。
All thosehomosexuals, they join the NRA, take over the gun lobby, Congress bends over and does whatever they want.
「同性愛者はライフル協会へ、銃器業界を掌握すれば奴らの天下だ!」
その考えを気に入ったアラン、
「今夜お泊り会を!Hey, you wanna have a sleepover tonight?」と誘います。
デニーは「お泊まり会はセクハラだぞ!It’s sexual harassment.」と言いますが、ポップコーン、スモア(S’mores)…とアランに誘われ、映画「ナバロンの要塞」を2人で観ることに。
ベッドは別々だぞ! Separate beds.、というデニー
スコッチを忘れずに。You bring the scotch.というアラン。
~エンディング~


ほんと、仲良しな2人。
“お泊り会”って言葉が良かった。
ダニーは、スモアが好物なのですね。
それも、Old-fashioned graham crackersがお好きなよう。
いかにもアメリカ人が好きそうなスイーツですよね。

 

今回のブラウン判事の裁判を担当するのは…、美女Gloria Weldon判事(ゲイル・オグラディ)!
入廷した瞬間、思わずデニーが立ち上がってました。
この美女判事は、過去にアランと…。
判事になる前にあるパーティーの帰り道、同じ車で帰った2人。
アランいわく「2人きりで実り多き時間を過ごした。And between you and me, we had a very rewarding time.」。
そして、そのことが今回の裁判に影響をしないか?と質問。
判事は「私は覚えていないわ。2人のうち楽しんだのは1人だけね。」とぴしゃり。
「その後のパーティーも楽しまれたそうですね、判事の任命権を持つ知事も参加していたとか…」と言い返すアラン。
痛いところを突かれた判事は、法廷侮辱罪に問うわよ?判事のローブに敬意を示しなさいと言うけれど、アランが「その(ローブの)中も見ました。十分に尊重して扱ったでしょ?」と言い、席に戻っていました。
最初にそんなやり取りをした2人でしたが、判決後には案の定関係を…!