新作映画『鳥』の準備を進めていたヒッチコックは、妻アルマの勧めもあり、テレビコマーシャルに出演していた金髪のモデル、ティッピ・ヘドレンを主演に起用する。
モデルとして10年以上の経験があり、性的な嫌がらせには慣れていたヘドレンは、はじめのうち、ヒッチコックの自分への「好意」を軽くかわしていたものの、撮影が進むにつれて強まって行く執着ぶりに戸惑いを覚えるようになる。そして、ある日の撮影終了後、車の中でヒッチコックに強引にキスされ、そこから逃げ出したヘドレンは、それ以降、ヒッチコックにより過酷な撮影を強いられるようになる。
以下ネタバレあり
Spellbound by Beauty: Alfred Hitchcock and His Leading Ladies (2009/08/01) Donald Spoto 商品詳細を見る |
原作は、ドナルド・スポトの『Spellbound by Beauty: Alfred Hitchcock and His Leading Ladies』。
セクハラ
パワハラ
ストーカー だったヒッチコック。
個人的には、部下にブス発言をしたシーンにイラっと。
『鏡を見てみろ』と言うヒッチコックに、そっくりそのまま、おまえに返す!と怒っていました。
しかし、女性に外見蔑視をするが、実は外見にひどくコンプレックスを持っていたこともわかった。
とはいえ、弱い女性いじめしか出来ない、とことん嫌な奴。
ヒッチコックは、車の中で、ティッピに無理やりキスし、覆いかぶさってくる。
ティッピに拒絶されると、ヒッチコックはその後、厳しい撮影を何度も挑戦させ、肉体的にも精神的にもティッピを追い詰めていく。
明らかにサディスト。
他の作品のヒロインに拒絶された時は、かなづちだと知っていながら、水に落ちるシーンを撮らせたとも言われています。
映画にも出てくる『鳥』のスクリーンテスト。本当に美しい!
『マーニー』予告編。
ティッピがヌードになるシーンで、カメラの後ろでじーっと見ているヒッチコックに鳥肌。変態!
映画にも出てきたティッピの娘は、あのメラニー・グリフィス!
メラニーの5歳の誕生日にヒッチコックは、ママのティッピそっくりな人形を棺のような木の箱に入れてプレゼントをしたと言われています。
京極夏彦の『魍魎の匣』を思い出して、ゾッとしました。
この映画を観て、ハーヴェイ・ワインスタインを思い出す人も多いだろう。
2017年の #MeToo運動という社会現象にもなった、ハリウッドの大スキャンダル事件。
ミラマックス社の設立者で超有名映画プロデューサーが、権力を振りかざし、性的虐待を繰り返していたという事実が明るみになった。
今年、レイプと性的暴行の罪で禁錮23年の刑を言い渡され、収監されている。