エノーラ・ホームズの事件簿 Enola Holmes (2020)

1884年、イギリス。
エノーラ・ホームズが16歳の誕生日を迎えた朝、母親のユードリナ・ホームズが、忽然と姿を消す。
その後、二人の兄、シャーロックとマイクロフトが現れ、エノーラの後見人であるマイクロフトが、エノーラを無理やり寄宿学校へ入れようとしたため、母の残した暗号を読み解き、隠してあった大金を手にしたエノーラは、兄達に黙って、母を探しにロンドンへ向かう。

以下ネタバレあり

目の保養させていただきました。
今年に入って一番のお気に入りの作品。
やっぱり男は、スリムなシルエットのダブルのスリーピース。これに限る。
そして、着こなすには肩幅が！

様々な俳優がシャーロック・ホームズを演じ、それぞれが素敵でしたが、外見的には、ヘンリー・カヴィルのシャーロックが1番好き。（ヘンリー・カヴィルの007もまだ諦めてません。）

確かに、この映画のシャーロックは優しすぎる感はありますが、アーサー・コナン・ドイル財団が、著者とNetflixを“シャーロックが女性に優しすぎる！”と提訴をしたと知り驚きました。
財団によると、シャーロックが女性に敬意を払い感情豊かになったのは、後期の10作品のため、著作権侵害にあたると訴えたという。

原作は、ナンシー・スプリンガーの「エノーラ・ホームズの事件簿シリーズ」。
日本語訳されたものがありましたが、Amazonでは現在取り扱っていないようで残念。読んでみたかった。

新たな発見といえば、テュークスベリー子爵を演じたルイス・パートリッジ君！
2003年6月生まれの17歳、というのは本当だろうか？
ラストの手の甲にキスするシーン、素敵でした。

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Louis(@louispartridge_)がシェアした投稿 - 2020年 9月月22日午後1時25分PDT

長髪も素敵ですが、カットしてから更にカッコ良く。

お馴染みのイギリス人俳優が出演しているのも嬉しいところ。
ハリーポッターでお馴染みのヘレナ・ボナム＝カーターやフィオナ・ショウ等も重要な役で出演しています。

（ざっくりあらすじ　ネタバレあり）

主人公のエノーラは、暗号好きの母から“alone”をアナグラムしたEnolaと名付けられ、学校には通わず、ホームスクーリングで生きていくために必要なことを母親から教えられていきます。
良家の淑女らしい刺繍や礼儀作法などは、学ばずに、化学や物理、生物、暗号解読、武道、スポーツ等を教えられ、特に読書は家にあるシェイクスピア等の書籍を全部読むように言われていました。

エノーラが16歳になる誕生日の朝、母がいきなり失踪。
エノーラが幼いころに家を出た、歳の離れた兄のマイクロフトとシャーロックが、久々家にやってくることに。
長男マイクロフトは、エノーラの後継人として、無作法なエノーラを淑女育成の寄宿学校へ入れようと、勝手に入学を決めてきてしまう。

母の行方を捜したいエノーラは、寄宿学校へ連れていかれる前に逃げ出し、ロンドン行きの電車に乗る。
車内で、偶然テュークスベリー子爵と出会い、殺し屋に追われる彼を助け、2人でロンドンに向かうことになる。

母から教えられた知恵と武力を武器に、ピンチを乗り越え、最終的にテュークスベリー子爵を暗殺しようとする黒幕までたどり着く。

母の失踪も、子爵暗殺未遂も、実は1984年のイギリスの選挙法の改正に関わっていたことが判明していく。
実際に、1884年のイギリスでは、自由党グラッドストン内閣のもとで選挙法の改正が実現し、労働者にも選挙権が与えられることになった。

ストーリーもまとまっていたが、主人公の語りや、クラシカルな衣装や建築等、観る側を飽きさせない演出が光っていた。
また、可愛らしい女性が、男装（変装）をして潜入する等は、日本の漫画にもよくある設定で楽しめる。

【映画ロケーション】

ホームズ家　外観　（Benthall Hall）