映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

月影の下で In the Shadow of the Moon (2019)

1988年、フィラデルフィアの警察官トーマス・ロックハート は、

別々の場所だがほぼ同時刻に複数の人が、目や耳から大量の血を流し亡くなる

という事件を捜査していた。

9年後も、同様の事件が起き、ロックハートは、執念深く犯人を追い、

事件の真相に近づいていくが、周囲からは突拍子もない彼の考えは受け入れられず

警察を辞め、探偵として1人で犯人を追っていく。

 

以下ネタバレあり

 

 

 

1988年

フィラデルフィア

複数人が、ほぼ同時刻に大量出血で亡くなるという事件が発生。

死体の共通点:首の後ろに3つの刺し傷

亡くなる直前に、女性からある証言を得る。

「20代の黒人女性。左腕に傷跡あり。襲われた時に首の後ろを何かで刺された。」

警察官のトーマス・ロックハートが、地下鉄のホームに犯人らしき女性を

追い詰めるが、彼女は電車にひかれ死亡する。

トーマスは、犯人と面識はなかったが、トーマスのことを詳しく知っており

「奥さんは残念だった」と不吉なことも言っていた。

その後、トーマスは妻の出産に立ち会い、子供は無事生まれるが

妻は亡くなってしまう。

 

 

1997年

警察署前のデモ隊(黒人差別反対)

「9年前の事件で被疑者が死亡したのは、警察の暴力的な捜査が原因だ。」と主張。

トーマスがその後、刑事に昇格していたことも、問題視していた。

デモ隊参加者が、同じように大量出血し、死亡。

9年前の被疑者に似た格好の人物が、防犯カメラに写っていた。⇒模倣犯

9年前の証拠品を確認し、1996年製造の飛行機の部品が発見される。

物理学者のナヴィーンから、タイムトラベルの可能性を指摘される。

犯人を追い詰めると、9年前と同じ人物で、トーマスに関する話をし、姿を消す。

 

2006年

トーマスは、タイムトラベル説を信じ、警察を辞め私立探偵になり

同じように大量出血をして亡くなった人々を探していた。

物理学者のナヴィーンは、その後、行方不明に。

トーマスの独自の調査から、被害者全員がある政治運動に傾倒していたこが判明。

その後、被害者の妻から、夫が生前白人至上主義団体の幹部だった話を聞く。

18年後にも、同じ女性が現れ、白人至上主義の団体のメンバーを殺害。

トーマスは、今回も犯人を追い詰めるが、ギリギリのところで逃げられ

トーマス本人は、義兄ホルトに逮捕されてしまう。

 

2015年

トーマスは、9年前に彼女が消えた浜辺で、彼女が現れるのを待っていた。

トーマスのもとに、娘から電話が入り、出産に立ち会ってほしいと頼まれる。

再びあの女性があらわれ、トーマスにあるものを見せてくる。

それは、妻と娘の誕生日に贈ったブレスレット。

彼女は、未来からやってきたトーマスの孫娘だった。

彼女が殺害したのは、未来で恐ろしい事件を起こす、白人至上主義団体の

メンバーたち。物理学者のナヴィーンが発明した装置を使い、過去に戻り

災いの元を絶つために関係者を抹殺していた。

真実をしり、肩の荷が下りたトーマス。

娘の出産のために、病院へ向かい、娘夫婦やホルトたちと幸せな時を過ごす。

(未来は、孫によって平和な日常を取り戻せた。) ~終~

 

 

 

未来の出来事を阻止するため、関係者を抹殺する、という設定は

ターミネーター」そのものだが、未来人はシュワちゃんのような屈強な男

ではなく、20代の女性で、主人公と関係する人物だったという設定は面白かった。

 

オープニングで、爆発現場のような風景の中、星条旗に似た旗が

ひらひらを舞っており、未来の新国家の国旗みたいなものか?と

少し予想がついてしまう。

殺害された人の持ち物にもヒントがあった。

トーマス・ジェファーソンアンドリュー・ジャクソンの書籍)

 

トーマス達の現実の世界と、逆の時間が流れている世界、という設定は

ぼくは明日、昨日のきみとデートする」に似ているなと思ったり。

 

 

【映画 ロケーション】

 

冒頭、バスの運転手が出血しはじめるシーン。

TSUJIRIやKIMICHI KOREAHOUSEのネオンが映っていた。

(バスの運転手が、トーマス・ジェファーソンの本を持っているというのもヒント)

 

中華料理のテイクアウトを購入後、 

トーマスが妻へのブレスレットを値切って購入した場所。

トロントのチャイナタウン

 

青いパーカーの女を見つけ、路地に追い込んだシーン。

WENLI SPA を飛び出し、右折する。こちらもチャイナタウン。

 

娘を車で待たせるシーン University of Toronto Lassonde Institute of Mining

反対側にO'Grady's Tap & Grillが映る。

ここで殺害された教授(講師)が持っていたのは、アンドリュー・ジャクソンの本。

人種差別主義者として有名な大統領。