亡くなった老紳士ヘンリーは、あの世の入り口で、地獄の番人に自ら「自分は地獄行きだと。」言い、審判を仰ぐが、ヘンリーに興味を持った番人は、彼の人生がどんなものだったのか話を聞いてみることに…。
以下ネタバレあり
ヘンリー・ヴァン・クリーヴは、亡くなった後、地獄の入り口に現れ地獄の番人(His Excellency)に向かい「自分は地獄行きで当然だ」と言い、番人は、ヘンリーに興味が湧いてくる。
ヘンリーの人生がどんなものだったか聞かせて欲しいと言い、彼は自分の人生について語り始める…。
ニューヨークに暮らす上流階級の家庭で、祖母と母が取り合いになるほど可愛がられて、甘やかされて育ったヘンリー。
一人っ子として過干渉な親や祖母に辟易しながらも、祖父のヒューゴは彼を理解し唯一の味方となる。
ある日、ヘンリーは、街で美女を見か、彼女が入った書店で店員のふりをしながら、話しかける。彼女には婚約者がいるというが、それでも口説いていくプレイボーイのヘンリー。
ある日、堅物のいとこのアルバートが、婚約者と彼女の両親を紹介したいとヘンリーの家に現れが、アルバートの婚約者がなんと書店で見かけた美女マーサだった。
しかし、マーサは両親が認めた相手とはいえ、結婚後、カンザスで過ごすのが嫌だったマーサは、ヘンリーに口説かれ、彼と駆け落ちをしてしまう。
その後、2人はヴァン・クリーヴ家で暮らし、息子も誕生する。
しかし、結婚10年目の記念日の前夜、ヘンリーの浮気が発覚し、マーサは実家へ行ってしまう。
慌てたヘンリーは、祖父ヒューゴと共にマーサを迎えに行き彼女に謝罪し、再びマーサと駆け落ちをする。
その後は、マーサが亡くなるまで幸せな結婚生活を送ったが、マーサの死後は、寂しさを埋めるように女性遊びをはじめ最期の時にも、ブロンドの美人看護師に看取られた。
ヘンリーの人生を聞いた地獄の番人は、天国で彼を待っている人達がいると地獄行きを認めず、天国に空きが出来た時にきっと助けてくれるだろうと天国行きのエレベーターにヘンリーを乗せ、彼を見送る。
~おわり~
第16回(1943年作品)アカデミー賞 3部門にノミネート 授賞にはならず。
作品賞・監督賞・撮影賞(カラー)
テレビで放送していたのを録画して観た。
クラシカルな作品は、やっぱり良い!
話は単純で、それほど驚くことは起こらないけれど、観ていて楽しかった。
マーサを演じていたのは、絶世の美女ジーン・ティアニー。
あれだけの美女ゆえ、数々のハリウッド・スキャンダルが語られている。
(ケネディや、アリ・カーンなどなど)
デザイナーのオレグ・カッシーニと結婚のち離婚、(カッシーニは、グレース・ケリーの元婚約者でジャクリーン・ケネディのファッションを担当。ロシアの伯爵家の出身。)
石油王のハワード・リーと再婚する。
ヘンリーを演じたドン・アメチーは、その後「Cocoon」で宇宙人と遭遇する老人アーサー役で、アカデミー賞助演男優賞を受賞する。
今見ると逆に何もかもがオシャレ!
見ている側も背筋がピンとしてくる。
姿勢の良さは、七難隠すのかもしれない。