1964年2月25日、WBA・WBC統一世界ヘビー級王者のソニー・リストンと戦った
プロボクサーのカシアス・クレイ(のちのモハメド・アリ)は、ヘビー級の
世界王者になる。
カシアスの勝利を祝うために、マルコムX、アメフト界のスター、ジム・ブラウン、
歌手のサム・クックが、あるホテルの一室に集まり、それぞれが話をする中で
人種差別問題が浮かび上がってくる。
以下ネタバレあり
原作は、2013年初演の舞台『One Night in Miami』。
実在する有名人が登場し、史実に合わせながら話が進んでいくが
あくまで架空のお話。
登場人物の1人、カリウス・クレイ。
1964年2月25日、ソニー・リストンとの試合で世界王者に。
1964年、ネーション・オブ・イスラムへの加入を機に、リング・ネームを
モハメド・アリに 。
アリは、マルコムXと出会い、イスラム教に改宗したと言われている。
マルコムXというと、私にとっては”=デンゼル・ワシントン”だったが
キングズレー・ベン=アディルが演じるマルコムもなかなか良かった。
ただ、デンゼルが演じるマルコムXは、まさに“降りてきた”という演技。
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。
映画では、マルコムXから、ボブ・ディランの「風に吹かれて」のような歌を
作ってほしいと言われて「A Change Is Gonna Come」を作ったというように
描かれているが、実際は違うようだ。
彼は33歳の時に、女性がらみの騒ぎを起こし、モーテルの管理人の女性に
撃たれて死亡。管理人は、正当防衛とみなされ無罪となっている。
殿堂入りを果たした、スーパースター、ジム・ブラウンの紹介。
クリーブランド・ブラウンズで、彼の背番号32番は、永久欠番になっている。
映画に登場する4人の中で、唯一ご存命なのが、ジム・ブラウン氏。
”NFLの100人の偉大な選手”というランキングでは、常に上位にランキングされ
2002年には最も偉大な選手として選ばれている。
舞台が原作のため、映画は主にホテルの部屋での4人の会話が中心になっている。
ここでの会話から、各界のレジェンドである4人の、その後の方向性が
決定づけられたという内容。
・カシアス・クレイ⇒NOIに入信し、モハメド・アリに⇒反戦⇒ライセンス剥奪
・サム・クック⇒「A Change Is Gonna Come」人種差別問題へのメッセージソング
・ジム・ブラウン⇒アメフトを引退⇒俳優の道へ。
モハメド・アリというと、
蝶のように舞い、蜂のように刺す (Float like a butterfly, sting like a bee)や
強気な発言等ばかりが思い浮かぶけれど
改めて、彼のリング外での戦い、活動を学んでみたいと思います。