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フランクおじさん Uncle Frank (2020)

フランクおじさん

1973年、アメリカ。

18歳のベス・ブレッドソーは、大学進学のため、故郷サウスカロライナ州を離れ

ニューヨークへ。

ベスが通う大学では、彼女の叔父であるフランクが教鞭をとっていた。

叔父のフランクは、他の家族と違って物静かで知的な人物で、ベスはそんな

叔父が好きだった。

ある日、ベスはフランクのアパートへ突然押しかけ、そこで叔父のある秘密を

知ってしまう。

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

監督は、アラン・ボール。

(「アメリカン・ビューティーアカデミー賞脚本賞授賞)

この作品は、彼の父の話を参考に作られたと言われている。

監督が、母親にカミングアウトをした時に、亡くなった父もゲイだったと思うと

言われて、とても驚いたとインタビューで答えています。

その後、ある湖を通り過ぎた時に、監督の母は、サム・ラシターという男性が

溺死した場所だと説明し、その人が監督の父にとって“本当の友人”だったと

話したそう。

ウォーリーを演じたピーター・マクディッシは、監督の実際のパートナー。

 

フランクおじさんを演じるのは、実力派俳優、ポール・ベタニー

彼の父親もゲイだったとインタビューで話している。

ポールの母と離婚後、ある男性と20年連れ添ったが、彼が亡くなった後、

カトリック信者だった父は「天国の門が開かないかもしれない…」と、

ゲイであることをまた隠してしまったという。

 

 

1970年代、アメリカの南部の田舎町では、マイノリティに対して

厳しい環境だったと思うが、フランクおじさんのパートナーのウォーリーは

サウジアラビア人という設定。

サウジアラビアでは、2021年の現在でも、同性愛者=死に直結している。

2021年現在でも、多数の国で厳しい罰則がある。

OUT JAPAN の「LGBTの海外安全情報」を観ると一目瞭然。

 

日本人の私が、この映画を観ると、フランクの亡くなった父親を最低だと

思えるけれど、世界にはあの父親に賛同する人々も少なからずいる現実が

恐ろしい。

フランクの妹の夫と、あのオバサンは、偏見があるようだが

その他の家族が皆フランク(+ウォーリー)を受け入れてくれて、ハッピーエンド!

万が一、悲劇だったら観ていられなかった。

 

 

【映画ロケーション】

 

 ニューヨークのアパートメントの撮影で使われた建物

実際は、ノースカロライナ州ウィルミントンにあるCarolina Apartments