映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

パブリック 図書館の奇跡 The Public (2018)

パブリック 図書館の奇跡(字幕版)

アメリカ・オハイオ州シンシナティ公共図書館

図書館職員のスチュアート・グッドソンは、図書館の常連であるホームレスらから

今夜は図書館から立ち去らないと告げられる。

凍死者が出るほどの大寒波だが、市の緊急シェルターは満杯で、行き場が無いという。

スチュアートはホームレスたちに同情し、規則に反し、図書館に宿泊させようと

出入り口を封鎖するが、やがて野心家の検察官や警察らとのにらみ合いに発展する。

 

以下ネタバレあり

 

 

 

【映画ロケーション】

 

Cincinnati and Hamilton County Public Library

 

 

エミリオ・エステベス+図書館、というと思い浮かべるのは、大好きな作品

「ブレックファスト・クラブ」(1985)。

タイプの違う5人の学生が、罰として休日に図書室で「自分とは何か」をテーマに

した作文を書くよう命じられ、一緒に過ごしていくうちに友情が芽生えるという

青春映画。

今回は、自ら図書館に立てこもる役というのが面白い。

 

 

映画の中で歌われていたのは、ジョニー・ナッシュの“I Can See Clearly Now”。

困難を克服した人が歌う希望の歌で、作品にぴったりでした。

 

 

 

 

大寒波を逃れるため、行き場のない大勢のホームレスたちが、安全な公共図書館

一夜をあかすために立てこもる、という騒動が起こる。

主人公の図書館職員は、過去に依存症で苦しみ、ホームレスだった経験もあるため

彼らに同情し、彼らと行動を共にする。

そんな彼らを追い詰めていくのは、次期市長選挙に出馬する計画がある野心家の

検察官や、ホームレスになった息子を探している刑事、など。

主人公を応援する側の人間として、図書館館長、主人公のアパートの管理人、

主人公の部下が登場する。

その他に、スクープを狙う地元テレビ局のレポーターなども絡んでくる。

一体どうやって、決着をつけるのか?と心配していたが、

何とも平和的に一応解決して、安心した。

 

 

 

 映画では、

  ・格差問題

  ・人種問題

  ・社会システム(政治)の問題

  ・マスコミの在り方

などが丁寧に描かれている。

コミカルなシーンが要所要所に入るため、重たいテーマでありつつ

とても楽しめた。

 

 

公共図書館の元副理事がロサンゼルス・タイムズに寄稿したエッセイから

インスピレーションを得たというエミリオ・エステベスが、11年を費やして

完成させた作品。製作・脚本・監督・主演を担当。

他の登場人物も皆、役柄にはまり、映画の世界に没頭できた。

個人的にかなり好みの作品。☆9/10