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悪魔を憐れむ歌 Fallen (1998)

悪魔を憐れむ歌 (字幕版)

連続殺人犯のエドガー・リースは、フィラデルフィア警察のジョン・ホブズ刑事に逮捕され、死刑判決を受ける。死刑執行の日、ホブズやスタントン警部補らの立ち会いのもと、処刑が行われたが、処刑前に謎の呪文を唱え、ローリング・ストーンズの「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」を口ずさみ、最期まで悪態をついていた。
その後、リースの事件と同じ手口の連続殺人事件が発生し、どちらの関係者もホブスに連絡していることがわかり、ホブスに容疑がかけられてしまう。
ホブスは独自に捜査をすすめ、事件に“悪魔”が関わっていることに気づく。

以下ネタバレあり

 

ローリング・ストーンズの「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」
悪魔に取りつかれた人が口ずさむ歌。
映画を観た後、これを聴くとちょっと怖い。

 

Leviathan by Thomas HobbesThe second Treatises of Government (English Edition) 

John Hobbes(ジョン・ホブズ)刑事の名前は、17世紀の哲学者であるトマス・ホッブズ性悪説)とジョン・ロック(人は生まれた当初白紙のような存在であり、経験により善にも悪にも染まる「タブラ・ラサ(tabula rasa)」白紙説)の2人から名付けられている。

 

【映画ロケーション】

 

悪魔に乗り移られていた死刑囚の刑が執行された後、悪魔に乗り移られた刑務所の職員が、オープンカーで降り立った場所。
フィラデルフィア Geno's Steaks (フィリーズチーズステーキの名店)

 

Robert Joy演じるCharlesに悪魔が乗り移るシーン。
フィラデルフィア Pat's King of Steaks(こちらもフィリーズチーズステーキの名店)

 

橋のシーン:Bear Mountain Bridge

 

※ネタバレ注意

(あらすじ)
悪霊
主人公:ジョン・ホブス リースの事件を担当した刑事
    賄賂を拒絶し、タバコも止めた真面目でクリーンな刑事
死刑囚:エドガー・リース
執行前、ホブスは、死刑囚リースから握手を求められ、呪文を呟かれる。
また、「何故、ライオンズとスパコフスキーの間に空白が?」というナゾナゾ
(Why is there … a space between Lyons and Spakowsky?)
「霊は次々と乗り移る。悪霊は生き続ける。」という言葉を投げかけられる。
執行前、リースは、The Rolling StonesのTime Is On My Sideを歌いだす。
リースが死ぬと、悪霊がリースから離れ、死刑執行官の1人に向かっていく。

悪霊の転移
悪魔に乗り移られた死刑執行官は、オープンカーで街へ繰り出し、通りすがりの人とぶつかり、悪魔は、通りの人々に次々に転移していく。
最終的に乗り移ったのは、チャールズという気の弱そうな男性。
チャールズ(悪魔)は、勤め先の店へ向かい、店主に暴言を吐き、自ら店を辞めてしまう。
チャールズは、ある男性を殺した後、警察署の前でホブス刑事を見つめていた。

悪魔からの挑戦状
ホブス刑事が職場に到着すると、すぐに(悪魔から)電話があり、アパートの住所を伝えられ、「ほんの糸口だ」と電話が切られてしまう。
アパートへ向かうと、男が浴槽で死んでおり、部屋のクローゼットの中に、死刑執行前、エドガー・リースが最期に言っていた”LYONS???SPAKOWSKY”というクイズが書かれていた。

クイズの答え
その後、スパコフスキーという名前の警官がいたことが判明する。
署内にあった古い銅板の中に、スパコフスキーの名前があり、彼の名前の上には、ライオンズという名前が刻まれているのを発見する。
2人の名前の間が、空白になっていたため、ホブス刑事は調査を依頼する。
調査により、二人の名前の間に刻まれるはずだった人物が、1965年に叙勲したロバート・ミラノと言う警官だと判明。
彼は、叙勲後すぐに山小屋で銃の暴発により亡くなっていたこともわかった。

ロバート・ミラノの娘
ホブス刑事は、ミラノ刑事の情報を得るため、大学で神学を教えている娘グレタに会いに行く。
彼女に、死刑囚からミラノ刑事の名前が出たことを伝えると、グレタは「歌を歌っていた?」「触れられたか?」とホブス刑事に確認し、口外しないことを条件に父の話を話し始める。
父親は優秀な警官だったが、凶悪事件の容疑者として嫌疑がかけられ、グレタの祖父が所有していた山小屋で拳銃自殺をしたと説明。父親は無実だと訴え、神を信じているかとホブス刑事に尋ね、これ以上は自分の身に危険が及ぶので話せないと立ち去る。

エドガー・リースの呪文
リースが最期に話していた呪文のような言葉が、言語学者によりシリアのアラム語という古代語だと判明するが、内容まではわからなかった。

第二の死体
再び、ホブス刑事宛に(悪魔から)電話が入り、アパートへ向かい、(悪魔に乗り移られていたチャールズの)死体を発見する。
前回の殺害現場と同じ状況で、胸に“2”と書かれていた。(2番目、という意味?)
今回は、“???= LOOK IN MIRRER”というメッセージが残されていた。
警察署内では、ホブス刑事に執着する模倣犯と考えられていく。

ミラノ家の山小屋
ホブス刑事は、1人でグレタの父が亡くなった山小屋へ向かう。
亡くなった後、放置され廃墟になった山小屋の地下室には“LOOK”と書かれた写真が見つかり、写真に映った場所で“AZAZEL”という文字を発見。
アザゼルとは:荒野の悪霊 Wikipedia
       映画内では、接触で乗り移ると本に書かれている。
ホブス刑事は、グレタに意味を確認するが、大事な人がいるのならば忘れた方が良いと言われ、教えてもらえず。

アザゼルとの会話
悪魔(アザゼル)は、ホブス刑事の同僚にまでたどり着き、例の歌をうたいだし、ホブスを驚かせるが、すぐに別の人物に乗り換えていった。
同僚は、乗り移られている間の記憶がない様子。
悪魔を追い、警察署を出たホブスは、怪しい視線に気づき、アラム語で呼びかけると、通行人に次々と乗り移りながら、ホブスを脅し姿を消してしまう。

アザゼルの目的
ホブス刑事は、グレタに会いに行き、一連の出来事について話し、グレタからアザゼルについて話を聞き出す。
アザゼルは、堕天使で、人間に乗り移りながら生き延び、神への復讐を企んでいるといい、握手でホブス刑事にのりうつれなかったことから、別の方法での復讐を計画していると説明。
その後、グレタのもとに握手を求める男性が近づいてくるが、彼女は握手を断る。
すると、見破られたことに気づいたアザゼルが、逃げるグレタを追いかけるが、グレタはアザゼルの追跡をかわすことが出来た。

ホブスへの嫌疑
殺人事件の被害者らからホブス刑事宛てに電話がかかっていたことや、殺害現場で、ホブスの指紋がついた証拠品が見つかり、警察署内ではホブスに嫌疑がかけられることに。
上司からは、家に帰って休むよう諭されてしまう。
ホブスが帰宅すると、家の中が荒らされ、悪魔に乗り移られた通りすがりの男性に銃を向けられ、発砲してしまう。
悪魔はすぐに、側にいた女性に乗り移り、自分は簡単には死なないと言い、ホブスをあざ笑いながら去っていく。
ホブスが撃った男性は、教師をしており、彼が持っていた銃は盗品で弾は入っていなかったことが判明。ホブスは、審問を受けることになる。

逃走
ホブスは、グレタに電話をし、アザゼルの移動についての情報を得る。
他人に乗り移るまでに、一呼吸(265メートル)しか猶予がないと資料に書かれていることがわかり、それがアザゼルの唯一の弱点だと気付く。
ホブスは、悪魔が乗り撃った人の偽証によって、逮捕されそうになり、息子を連れ逃走。
逃走中、被害者らの体に書かれた文字をつなげると“APOCALYPSE”という言葉になると気付いたホブスは、近くにいたシスターに意味を訪ね、その言葉が“啓示”という言葉だと知る。

最終決戦
アザゼルと対決するため、グレタに息子を預け、山小屋へ向かうホブス。
しかし、スタントン警部補もホブスを追い山小屋へ到着する。
ホブスは、警部補が悪魔に乗り移られていると勘違いするが、実は悪魔はその後に到着した相棒のジョーンジーに乗り移っており、ジョーンジーが警部補を射殺。
ホブスは、悪魔を倒すため、自分の命を懸けて毒入りのタバコを吸いながら悪魔に乗り移られたジョーンジーを射殺する。
悪魔は、ジョーンジーからホブスに乗り移るが、毒のまわったホブスの体は言うことを聞かず、倒れて動けなくなる。
しかし、野良猫が現れ、悪魔は猫に乗り移り、山小屋を去っていく。
~終~

 

 

何度も観た作品だが、再放送していたので、久々に楽しんだ。
デンゼルが若くてカッコいい!
盛り上がりは、通りで悪魔が転々と乗り移っていくシーン。
バッド・エンドのため、ラストはそれほど盛り上がらない。
でも、ラストの猫ちゃんは可愛い。