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コリン・イン・ブラック・アンド・ホワイト  Colin in Black & White (2021)

Netflixより抜粋

スポーツ選手として高みを目指す少年が、人種や階級、文化の壁に直面してゆく。

コリン・キャパニック本人の語りで、彼の礎を築いた青春時代を描くドラマシリーズ。

 

以下ネタバレあり

 

 

 

アメリカン・フットボールNFL)49ersのQBだったコリン・キャパニックの

学生時代を描いた作品。

コリン・キャパニックは、2016年に人種差別抗議として、試合前の国歌斉唱で

起立を拒否し、物議を醸した人物。

その後、NFL選手会の反対を押し切り、国歌斉唱時の起立を事実上義務化するが

”Black Lives Matter”の広がりを受け、のちに謝罪することになる。

 

 

ドラマ全6話

1. "Cornrows" コーンロウ

  髪型をコーンロウにするが、部活の監督や両親から反対にあい

  髪を切ることに。(親は白人の養父母、実母は白人。)

2. "Quarterbackin'" クォーターバック

  1軍のクォーターバックに憧れるコリンだが、活躍に必要なものは

  才能だけではないと気付かされる。

3. "Road Trip" ロードトリップ

  野球大会のために両親と共に遠征するが、滞在先のホテルで

  あからさまな人種差別を受けることに。

4. "The Decision" 決断の時

  高校3年生になったコリンに、大学野球のスカウトが殺到する。

  メジャーからも声がかかるが、コリンはカレッジ・フットボール

  QBとして活躍するという夢を諦められずにいた。

5. "Crystal" クリスタル

  学園祭のダンスに、憧れていた黒人のクリスタルを誘ったコリン。

  しかし、母も友人らも、白人の美人チアリーダーをすすめてくる。

6. "Dear Colin" コリンへ

  コリンは、アメフト選手として大学からのオファーを待ち続けるが

  一向にどの大学からも連絡が入らず、自信喪失に。

  

 

 

このドラマの中で衝撃的だったのは、NFLスカウティングコンバイン

奴隷のオークションと比較したシーン。

放送後、アメリカでも案の定物議を醸すことに。

NFLコンバイン:ドラフト候補生に対する運動能力及びメンタルテスト)

アメリカでは、テレビ放映もされているが、

何事も当たり前として受け入れてはいけないのだと、はっとさせられた。

 

 

大谷選手が二刀流として大活躍しているが、コリン・キャパニックの

高校時代は、その上を行く三刀流の大活躍。

秋はフットボール、冬にバスケットボール、春に野球というスリーシーズン・

アスリートとして大活躍をしていた。

最終学年では、すべての種目でカリフォルニア州のオールステート・チームに

推薦されたという。

ドラマでも描かれているが、アメフトよりも野球の才能に注目され

有名大学はもとより、メジャーリーグからのスカウトもあったようだ。

部活動でそれだけ活躍して、その上、学力も日本のオール5に等しい学力の

持ち主だったという。凄すぎる。

 

 

作品のプレミア公演時のレッドカーペットでのインタビュー映像。

 

 

”Black Lives Matter”運動に関して、日本でもたびたび報道され

今までも書籍や映画などからも、人種差別に関して学ぶことは出来たが

この作品を観て、改めて、自分が知っていることは表面的なものだなと

考えさせられた。

 

遠征先での差別のシーンは、じわじわと嫌な気持ちにさせられます。

白人の養父母と一緒にエレベーターに乗り込むと、白人男性客が養父母らに

『大丈夫ですか?』と声をかけてくる。

=黒人と一緒のエレベーターで大丈夫?という意味

 

黒人の青年たちは、少しうるさくしただけで、ホテルを追い出されたり。

白人の青年らは、アイスおかわり自由なのに、コリンには1つしかもらえ

なかったり。

ホテルの従業員は、まるで犯罪者を見るような目で監視をしてくる。

もし、同じ立場なら、ぐれますよ。

 

 

実母、養父母など家族が紹介されている動画。(実母、似てる!)

ドラマのように学生時代に、色々な経験をしながらも、愛情深い養父母に

育てらたコリンは幸せだと思います。

 

皆に観てもらいたい作品。8.5/10点。