ベルリンの壁崩壊後、刑務所から釈放された旧東ドイツの元工作員クレオは、誰がなぜ自分を裏切ったのかを突き止め、復讐に乗り出す。
以下ネタバレあり
赤いスーツケース
ドラマに登場した赤いスーツケースは、史実に基づいたものだった。
エーリッヒ・ミールケ(Erich Mielke) の赤いスーツケースの中には、 GDR(ドイツ民主共和国)のエーリッヒ・ホーネッカー(Erich Honecker)に関する書類が入っていた。
ミールケは、ホーネッカーを失脚させる(有罪にする)ための資料を集めていたという。
ロケ地 シュタージ博物館
シュタージ博物館
Forschungs- und Gedenkstätte Normannenstraße
現在この赤いスーツケースは、秘密警察の本部だった建物を利用した博物館内のミールケの部屋に常設展示されています。
エーリッヒ・ミールケ
2000年5月、ミールケは老人ホームで死去し、本人の遺言により6月10日に社会主義者が葬られているベルリンのフリードリッヒスフェルデ中央墓地に埋葬された。墓が荒らされる恐れがあるため、墓碑などは一切存在しない。
シュタージ(国家保安省)の省長は、ドラマではクレオによって殺害されるが、ミルーケは老人ホームで死亡している。
ロケ地 アイゼンヒュッテンシュタルト市庁舎
アイゼンヒュッテンシュタルトの公式サイトでは、市役所で撮影された時のエピソードが紹介されていました。
ビッグ・エデン
ドラマの第1話に登場した”ビッグ・エデン”というナイトクラブは、実際にベルリンにあった有名店。
ベルリンのプレイボーイと呼ばれたロルフ・エデン氏が、1967年にオープンしたディスコです。
モンテ・クリスト伯
主人公のクレオは、実在する人物ではありません。
映画のクリエイターである、Hanno Hackfort、Bob Konrad、Richard Kropfによると、アレクサンドル・デュマ・ペールの小説「モンテ・クリスト伯」をベースにし、性別を変えて、ドイツの歴史と重ねたストーリーに仕上げた作品だという。
キル・ビルへのオマージュ
クレオの衣装はジャージが多かったが、これは映画「キル・ビル」でユマ・サーマンが演じたザ・ブライドへのオマージュだと言われている。
(ザ・ブライドのあのジャンプスーツは、ブルース・リーへのオマージュ。)
Thilo!
Julius Feldmeierが演じるThiloの存在が、ドラマを面白いものにしていた。
彼のラストシーンは、まさか!の展開で笑ってしまったのだが、つかみどころのない彼とのやりとりで、クレオという女性の素の部分が表現されていたり、殺害シーンが続く中でほっこりできる時間が取れて良かった。
感想
あらすじを書くのが面倒になり、感想だけ。
イギリス製作のドラマ「キリング・イヴ/Killing Eve」のドイツ版といったところ。
このドラマが好きな方は、ハマると思います。
キル・ビルをオマージュしているため、タランティーノ風という感想もよく見かけました。
好き嫌いが分かれる作品かもしれませんが、当時の雰囲気を出しつつレトロモダンなファッションやインテリア等、楽しめる作品で、女性受けする気がします。
個人的には、とにかくThiloというキャラクターにはまり、一気見しましたが、まさか彼があんなことになるとは!?
どういう理由で、彼はベルリンにいたのでしょうか。
もし新シーズンが製作された場合、もう彼は登場しないのでしょうか?
Thiloであれば、お姫様を連れて「来たよ」なんて現れそうな気もします。
クリフハンガーなラストだったため、新シーズンがあるかもしれないという終わり方になっています。続きが気になりつつ、個人的には、ここで終わらせるのが良いかもと思っています。