映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

ライダーズ・オブ・ジャスティス Retfærdighedens ryttere (2020)

ライダーズ・オブ・ジャスティス(字幕版)

youtu.be

WOWOWより抜粋

中東に派遣されていたデンマーク軍の兵士マークスは、妻が鉄道事故で亡くなったと知って帰国し、悲しむ娘マチルダと再会。マークスの妻やマチルダと同じ列車に乗り合わせていた数学研究者オットーは、別の犠牲者が犯罪者集団“ライダーズ・オブ・ジャスティス”が起こした殺人事件の裁判で証言をする予定があったと知り、事故が仕組まれたという疑いをマークスに伝える。オットーとその仲間たち、マークスは事故の真相追及に挑む。

以下ネタバレあり

 

 

ロケ地 病院

UCL University College (UCL Erhvervsakademi og Professionshøjskole)
連絡を受けたマークス・ハンセンが、中東から戻り、病院に入るシーン。
デンマークの大学での撮影。

ロケ地 森のシーン

Holstenshuusの森(デンマーク・Faaborg)
twitterの記事で紹介されているfacebookには、Holstenshuusの森での撮影現場を訪問と書かれていました。

ロケ地 教会(お葬式のシーン)

Dyrup Church(デンマーク・Odense)
マークス・ハンセンの妻のお葬式のシーン。

 

ネタバレあらすじ

エストニアのタリン
ある夜、年配の司祭と姪が、クリスマス・プレゼント用の赤い自転車を見ていた。
少女は、赤ではなく青い自転車が欲しいと言うため、店主はどこかへ電話をする。
すると、駅前に鎖でつながれた青い自転車を盗んでいくシーンが映る。
盗難にあったのは、デンマークに住むマチルデ・ハンセンの自転車だった。

ハンセン家
夫:マークス・ハンセン 中東に派遣されている軍人
妻:エマ・ハンセン
娘:マチルデ・ハンセン 青い自転車を盗まれる。

列車の衝突事故
解雇されたばかりの数学研究者のオットー・ホフマンは、荷物を抱えて電車に乗っていた。
彼は乗客らを見まわし、少し離れた場所に、顔に入れ墨が入った厳つい男性が座っていることに気づく。また、途中の駅で降りた男性が、手に持っていたサンドイッチと飲み物を丸々ごみ箱に捨てていたのを、オットーは不思議そうに眺めていた。
マチルデの自転車が盗まれ、家の車もつかえないため、母エマと娘マチルデは徒歩で駅まで行き、オットーが乗っている車両に乗り込む。
オットーがエマに席を譲り、しばらくすると、列車が衝突事故を起こす。

仕組まれた事故?
列車事故で死亡した乗客の中に、犯罪者集団“ライダーズ・オブ・ジャスティス”が起こした殺人事件の裁判で証言予定の男性がいたことをニュースで知ったオットー。
その人物は、オットーが見た、顔に入れ墨があった男性だった。
オットーが思い出したのは、事故の直前の駅で、サンドイッチと飲み物を全く手に付けずにごみ箱に捨て降りて行った男性の姿。
オットーは警察に行き、事故が仕組まれたものではないかと訴えるが、聞き入れてもらえなかった。

オットーの協力者
オットーは、友人のハッカー、レナート・ガーナー・ニルセンに協力してもらい、亡くなった証言予定の男性の情報や、事故直前に降りた男性の監視カメラ映像等を入手。
オットーとレナートは、被害者の夫である軍人のマークスに話をするが、まずは謎の男を特定が先だと言われてしまう。
彼らは、友人のウルフ・エメンタールに頼み、彼の顔認識ソフトで謎の男を特定。
しかし、最初に特定した男性は、カイロ出身のエジプト人だったため、顔認識のパーセンテージを下げ、デンマークに住む人物を探していく。
デンマーク国内で一致したのは、パレ・オーレセンという男性。彼は、あの犯罪者集団“ライダーズ・オブ・ジャスティス”で起訴されていた、カート・“タンデム”・オーレセンの兄弟だった。パレは、電気技師であり、電車を専門としていることも判明する。

第一容疑者
オットーとレナート、エメンタールの3人は、集めた資料を持って、マークスに会いに行き、調べたことを説明する。
彼らの話を信じたマークスは、3人を連れ、パレ・オーレセンに会いに行く。
突然現れた4人を怪しいんだパレは銃を向け、彼らを追い返すが、マークスは彼が事故に関わっていると確信し、もう一度、パレの家へ行き、パレを瞬殺する。
レナートは、証拠処分のために家に入り、奥の部屋にさるぐつわをされ、全裸で拘束されている男娼がいることに気づくが、そのまま家を出てしまう。

復讐の準備
証人が列車事故で亡くなったため、“ライダーズ・オブ・ジャスティス”のカート・“タンデム”・オーレセンは釈放されることになる。
ニュースを見たマークスは、3人を呼び出し、“ライダーズ・オブ・ジャスティス”に関する情報を出来る限り集めるよう指示する。オットーは、「協力はするが、誰も殺さないでほしい」とマークスに頼む。
帰宅したマチルデが、3人の中に列車で見かけた男性(オットー)がいることに気づき、父に追求するが、レナートはセラピストだと説明し、マークスとマチルデの両方にセラピーをすると申し出る。

ライダーズ・オブ・ジャスティスの反撃
パレ・オーレセンが殺害され、殺害現場にいた(さるぐつわ)の青年は、タンデムらに拷問され、青年の話から4人組の一人がエメンタールだと特定される。
マークスら4人は、エメンタールのアパート前で、待ちぶせしていたライダーズ・オブ・ジャスティスのメンバーに襲われるが、マークスがあっという間に制圧し、彼らに捕まっていた青年を救出する。

真実
救出した青年は、男娼のボダシュカ・リトビネンコ。
彼から、列車事故があった日は、パレ・オーレセンと海外にいたと説明され、ショックを受ける。
あの謎の男性は、パレ・オーレセンではなく、最初に顔認証で一致したエジプト人観光客であり、パレは他人の空似だったと判明する。
ショックを受けたマークスは、自暴自棄に暴れだす。

自宅襲撃
マチルデのBFがSNSにあげた写真によって、マークスの自宅が特定され、ライダーズ・オブ・ジャスティスのメンバーに襲撃される。
マチルデが人質に取られ、マークスは武器を捨て、彼らに降伏する。
マークスが殺される寸前、オットー、レナート、エレメンタールの3人が一斉に銃撃をはじめ、マークスとマチルデを救出する。

ラスト
生き残った彼らは、マークスの自宅で、娘マチルデとBF、オットー、レナート、エレメンタール、ボダシュカの7人でクリスマスを祝っていた。
マチルデには新しい赤い自転車のプレゼント。
そして、異国エストニアでは、司祭の姪が念願の青い自転車(マチルデが盗まれた自転車)をプレゼントされ、大喜びしている様子が映る。
~おわり~

 

 

感想

一応、ハッピーエンドの作品なのだが、バタフライエフェクトをベースにした作品で、最初と最後がつながり、上手くまとめられた作品になっている。
登場人物は誰一人、何が影響したのかわかっていないのだが、エストニアに住む少女が
クリスマスプレゼントに、青い自転車を欲しがったことが発端になっている。

・少女の青い自転車⇒マチルデの青い自転車が盗まれる。⇒徒歩で、母と駅へ。
・列車に乗っていたオットーが、サンドイッチと飲み物を丸ごとごみ箱へ捨てる男
(エジプトからの観光客)を偶然目撃する。⇒勿体無い!と記憶に残る。
・オットーが、マチルデの母に席を譲った直後、列車事故が起こり、マチルデの母が死亡。⇒席を譲らなければ、オットーが死んでいた。
列車事故で、偶然、ライダーズ・オブ・ジャスティスの事件の証人が死亡し、ギャングのボス、カート・“タンデム”・オーレセンが釈放される。
・オットーは、ギャングのボス、タンデム釈放のニュースを見て、途中で降りた、サンドイッチ等をまるごと捨てていった乗客を思い出し、証人暗殺の陰謀論を思いつく。
・オットーには、ハッキング能力がある友人と顔認識ソフトを開発した友人がいた。友人らの協力で、列車事故関連の情報を収集し、陰謀論が確信に変わっていく。
・事故直前に降りた男性の画像から、顔認識ソフトが選んだ人物が、エジプト在住の男性だったため、国内の似た人物に絞り込むことに。
・国内で一番似た人物が、偶然、ギャングのボス、タンデムの兄弟で、電車専門の電気技師だったため、列車事故を引き起こした犯人だと確信してしまう。
・妻を亡くした軍人のマークスが、オットーらの陰謀論を信じ、妻の復讐のために、3人に協力してしまう。
・勝手な思い込みで容疑者となったパレ・オーレセンは、ギャングで気性が荒いためか、訪ねて来たマークスらに銃を向け追い払う。⇒脅してきたパレを、犯人だと誤解したマークスが、瞬殺。
・ギャング団に狙われるが、マークスが凄腕の軍人のため、毎回全滅。
・最後にマークスの自宅が襲撃され、娘が人質に取られ、マークスも降伏し、万事休すとなるが、マークスに撃ち方を習っていた3人がギャングを一斉に銃撃し、ピンチを切り抜ける。
・クリスマスイブ マチルデには赤い自転車。あのエストニアの少女には(マチルデの)青い自転車がプレゼントされる。

このような流れを見ていくと、そもそもは、オットーの陰謀論が発端だということがわかるが、オットーが以前自分が起こした自動車事故で娘を亡くしていることや、妻を亡くしたマークスがカウンセリングを頑なに受けず、判断能力が鈍っていたという設定もあり、ミスリードもされつつ説得力もある展開になっている。
オットーの友人のレナートにもPTSDがあり、エメンタールも情緒不安定という設定。

あれだけ派手な銃撃戦をしても、何故か彼らは全く罪には問われていないのは、相手がギャング団だから、ということなのだろう。

最後のクリスマスシーン。北欧の至宝、マッツ・ミケルセンのあのセーター姿を観るだけでも、この映画を観る価値はある。かも。