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僕の世界の中心は Die Mitte der Welt (2016)

僕の世界の中心は [DVD]

WOWOWよりあらすじ抜粋

母親のグラス、双子の姉のダイアンとともに暮らす17歳の少年フィル。自由奔放な性格のグラスは、これまで多くの男性たちと恋多き人生を送り、子どもたちの父親が誰なのかを姉弟に明かそうとはしない。サマーキャンプを終えて家に戻って来たフィルは、母親と姉の間にどこか緊張した空気が漂っていることを感じる。やがて始まった学校の新学期、イケメンの転校生ニコラスがクラスに姿を見せ、フィルはひと目で彼と恋に落ちる。

以下ネタバレあり

 

 

原作「Die Mitte der Welt」

Die Mitte der Welt: Roman

原作は、ドイツ人作家のAndreas Steinhöfelの1998年の同名小説。
Buxtehuder Bulle受賞作品。Deutscher Jugendliteraturpreis(ドイツ青年文学賞)にもノミネートされている。
映画は、小説とほぼ同じ設定ではあるが、映画には登場しなかったウルフという人物があるショッキングな事件を起こしている。

 

公的資金からの援助

この作品は、Filmfonds Wien(ウイーン映画基金)、Die Beauftragte der Bundesregierung für Kultur und Medien(BKM:ドイツ文化・メディア担当)等、様々な公的資金を受けて製作されているという。
BKM公式サイトでの公表額:220,000ユーロ(約3千万円)

 

ロケ地 ドイツ・シュペルドルフ

フィルたちの自宅

撮影場所は、特定できませんでしたが、ドイツのシュペルドルフにある空き家で撮影されていたという記事がありました。

 

ロケ地 交差点

ドイツ・ケルンの交差点

フィル達の母グラスは、何者かに車に“アバズレ”と書かれ、激怒して街の交差点をぐるぐるまわる。

 

ネタバレあらすじ

フィルの家族
フィル:17 歳 同性愛者(サマーキャンプから帰宅した場面から映画が始まる。)
ダイアン:双子の妹 動物と話せる
グラス:母 未婚でフィル達双子を出産。恋人と長く続かず、男性の出入りが多い。
テレザ:母の友人 レズビアンパスカルが恋人)
パスカル:母の友人 レズビアン

フィルがサマーキャンプから帰宅すると、自宅の裏庭がハリケーン被害にあい、荒れ果てた状態に。母とダイアンは話をしなくなっており、ダイアンはフィルとも話をしたがらない。
フィルは、残りの休暇を親友のキャットと過ごす。

転校生ニコラス
新学期が始まると、フィルのクラスにニコラスという青年が転入してくる。
フィルは、ニコラスに一目ぼれしてしまう。
放課後、競技場を走るニコラスを見つめるフィル。ニコラスもフィルに声をかけ、二人は恋人の関係に。
フィルは、テレザの小屋を借り、ニコラスと二人きりで過ごすようになる。
さらに、フィルの親友のキャットも加わり、3人で楽しく過ごす時間も増えていく。

ニコラスの小屋
フィルは、ニコラスの愛に確信が持てずにいた。
ニコラスは、そんなフィルを自宅に案内し、彼専用の物置小屋を見せてもらう。
フィルは、ニコラスの小屋にあったコレクションを飾るための陳列棚を手作りしようと考え、母グラスの新しいBFのマイケルに協力してもらうことに。
完成した棚を背負い、ニコラスの小屋へ向かうと、小屋の中でニコラスと親友のキャットが愛し合っていたのを見てしまう。

妹ダイアン
母グラスと双子の妹ダイアンとの関係が悪化していることを心配し、母にサマーキャンプの間に何があったのか尋ねるが、母から今はまだ話せないと言われてしまう。
フィルは、二人の雰囲気に耐えられず、テレザの家に入り浸りになる。

回想シーン
母グラスは、妊娠中にアメリカからドイツに移住する。フィル達は、父親に会ったことは無く、母は父親に関して頑なに口をつぐんできた。
母は色々な男性と付き合うものの、長続きせず、いつも母から別れを切り出していた。
父親が欲しかったダイアンは、そのたびにショックを受けていた。お気に入りだったカイルという男性も、母に追い出され去っていった。
ある時、母とグラスが、双子と森にいた時にベラドンナを見つけ、ベラドンナの毒性について話していた。フィルは興味が無い様子だが、ダイアンはその話をじっと聞いて、ベラドンナを見つめていた。

嵐の夜
フィルがサマーキャンプに行っている時に、ダイアンの恋人であるヤンという男性が、嵐の夜にダイアンに会いに車で移動中、事故にあい、昏睡状態になってしまう。

ショックを受けたダイアンは、誰かに寄り添ってもらいたいと母を頼ろうとするが、母は新しいBFに夢中で、妊娠の相談までたてていた。
ダイアンは、父親が欲しかった10歳の頃の記憶がよみがえり、母に「あの日に死んでほしかった。」と言い、母が妊娠した時にベラドンナの毒を盛ったことを告白してしまう。

アメリカへ
フィルは、ニコラスとキャットと決別し、母とダイアンの関係を修復させていく。また、父を探すため、アメリカへ旅行を計画する。
出発当日、母とダイアン、母の恋人のマイケル、テレザとパスカルが駅まで見送りに来てくれていた。電車に乗る直前、母から初めて父親の名前を聞かされる。

~おわり~

 

感想

複雑な家庭環境で育った双子の兄フィルが、失恋を経験し、また、壊れかけた家族を再生させようとしていく、さわやかな作品。
エディ・レッドメインに少し似たフィル役のルイス・ホフマン君がとにかく好青年。「君に届け」のセリフにあったが、「爽やかで出来ています。」と言った印象。
フィルは素直に育ったが、あの奔放な母に育てられたら、普通は闇を抱えるはず。10歳のダイアンの行動は責められないだろう。
フィルがお父さんを見つけられますように、ダイアンの恋人のヤンが目覚めますように…と祈るばかり。