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そしてバーバラはアランと出会った Then Barbara Met Alan (2022)

1989年、スタンダップ・コメディアンのバーバラと活動家でパフォーマーのアランが出会い、障がい者差別を無くすための組織DAN(Disabled People's Direct Action Network)の設立に尽力する。その後、1995年に制定されたDisability Discrimination Act 1995(1995年障がい者差別禁止法)につながる活動を英国全土に広げていく。

以下ネタバレ注意

 

Barbara Lisicki

映画の最後にも登場していた、バーバラご本人。
Disabled People's Direct Action Network (DAN) の創設者。

 

Alan Holdsworth

アラン(Alan Holdsworth)は、現在はアメリカ・フィラデルフィア在住。
Johnny Crescendoという芸名で、障がい者活動家兼、ミュージシャンとして活躍中。
障がい者ボブ・ディランとも呼ばれているようだ。
Facebookを見ると、娘と孫娘らしき素敵な写真が!

 

ITV Telethons

ITV Telethonsは、 ITVネットワークにて放映されたチャリティー番組。

テレソンとは

「テレビ」と「マラソン」との合成語。長時間のチャリティー番組や選挙番組等で使われている言葉のようだ。
1992年、スタジオの外で、1000 人以上の障がい者による抗議デモが起こり、テレソンシリーズは終了することになった。

ひとこと

ほぼ実話で、ラストではバーバラご本人も登場する。
(アランは、アメリカ在住のため、テレビ電話での出演。)
実際の映像も使われ、見ごたえある作品になっていた。

日本人であれば、ITV Telethonsのシーンには、皆あの番組を思い浮かべていただろう。
NHK障がい者情報バラエティ「バリバラ」では、この番組の裏番組としてかなり意味深な内容を放送していた。

個人的にも、以前から不思議な番組だと感じていた。
・司会者や出演者は、ボランティアではない様子。
・何故、無謀なチャレンジを課すのか?
・どうやってチャレンジをする障がい者を見つけてくるのか?
・人選の基準は?
・何故走るのか?
などなど。
中には、自ら「こんな挑戦がしたいので、番組で協力してもらえませんか?」という人もいるのだろう。

寄付は良いことだと思う。
たとえ、お目当ての芸能人に会うための寄付でも良いと思う。

ただ、どうしても頭にちらちらと偽善の二文字がよぎってしまう。
そろそろ日本でも、アランが作ったスローガン“Piss on Pity”と書かれたTシャツを着て、武道館へ向かう猛者が出てくるかもしれない。

お勧めシーンは、抗議活動シーン。
アナーキーな行動が、妙にコミカル。
バスの下に寝そべったり、バスと手錠でつながったりと、バスの運転を妨害しているのだが、過激ないたずらという雰囲気。当時は大混乱だったことだろう。

10/10点!おすすめします。