帰宅途中、夜道で身元不明の少女を保護したパウラと夫サイモン。少女は失語症とみられ、2週間たっても家族が名乗り出ないため、パウラの家で暮らすことになる。少女は、チョークで囲われたスペースの中にいることを求め、チョークの外に出るとモンスターにから罰を受けるという幻想にとらわれていた。
以下に続く
アムシュテッテンの怪物
映画は実話ではないが、オーストリアのフリッツル事件を参考にしていると思われる。
ヨーゼフ・フリッツルが、実の娘であるエリーザベトを自宅の地下室に24年間監禁。エリーザベトは父親から性的虐待を受け続け、監禁の間7人の子供を産んでいた。
2008年、エリザベートの娘ケルスティンが重篤な腎不全のため、病院へ連れて行ったことがきっかけで事件が発覚し、ヨーゼフ・フリッツルは逮捕される。
事件と映画との違いは、少女クララを産んだのは、実の娘ではなく、誘拐した女性イングリッドだというところ。
映画でも、病気の治療のためにクララを解放したということなのだろう。
クリミナル・マインド “Cradle to Grave”
海外ドラマ「クリミナル・マインド」S5の第5話 “墓場のゆりかご”は、上記のフリッツル事件がベースになっていた。ドラマ内でも、フリッツル事件について言及していたシーンがあった気がする。
このエピソードを観ていたため、結末は予想出来ていたが、ハラハラさせられ、スリラー作品として充分楽しめた。
感想
事件が解決され、ハッピーエンドにはなったが、閉所恐怖症のため、監禁事件ものは苦手。
犯人は少女に対し、チョークの中から出たら母親か本人が罰を受けることになる恐怖を植え付けていたため、チョークで囲まれた中でしか自由に動けないように洗脳されていた。本当におぞましい。
少女にとってラッキーだったのは、パウラに見つけてもらえたこと。
彼女は、長年不妊治療を経験し、子供を持つことを切望していた女性だった。
母性本能から、少女を守ろうと必死になり、また少女もパウラをママと呼び、絆が生まれていく。そして、少女が失踪した後も、独自の調査で、真相にたどり着いていく。
ラストの少女の笑顔と、パウラの妊娠姿を見て、救われた気持ちになった。
Elena Anaya (Protagonista) y @ignacio_tatay (Director) #JaulaLaPelicula pic.twitter.com/7x1pHTQJq8
— Cine Series Acción (@CineSeriesA) September 7, 2022
主人公を演じたElena AnayaとIgnacio Tatay監督。