映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

マークスマン The Marksman (2021)

アリゾナとメキシコの国境沿いに住むジム・ハンソンは、愛する妻に先立たれ、愛犬ジャクソンとの寂しい日々を過ごしていた。ある日、メキシコの麻薬カルテルに追われるメキシコ人母子と出会う。ジムは母子を庇い、追ってきた男達と銃撃戦になる。撃たれた母親は、息子をシカゴの親戚のもとに連れて行ってほしいとジムに頼んだ後、息を引きとる。

以下ネタバレ注意

 

海兵隊スナイパー

リーアム・ニーソンが演じる、主人公のジム・ハンソンは、ベトナム戦争退役軍人で、元海兵隊のスカウトスナイパー(前哨狙撃兵)という設定。
そのため、ライフルの撃ち方は、両眼を開けて撃つよう演じている。
上記動画では、両目での射撃理由について説明されています。(映画とは関係無し。)

 

奴らを高く吊るせ!

ジムとミゲルの宿泊先のテレビに映っていたのは、クリント・イーストウッド主演映画「奴らを高く吊るせ!」(1968年)。「マークスマン」の監督ロバート・ロレンツは、長年、イーストウッド作品に携わってきている人物。

 

ロケ地 ダイナー

Charlie’s Dog House Diner
ジムがミゲルを連れ出し、初めて立ち寄ったダイナー。2人がハンバーガーを食べるシーンが撮影されている。
上記動画30:10~、この店が紹介され、撮影で使われた店内の様子も映る。

 

ロケ地 朝の散歩シーン

ミゲルが、ジムの愛犬と散歩をするシーン。
子供を抱く女性の後ろ姿を見て、亡くなった母を思い出す、切ない場面。

 

ロケ地 ガン・ショップ

銃を購入するシーン。

あらすじ(ねたばれ注意)

ジム・ハンソン(Jim Hanson
アメリ海兵隊スカウト・スナイパー ベトナム戦争退役軍人
仕事:牧場経営(差し押さえ寸前)
娘:サラ(継娘) 国境警備隊
愛妻を癌で亡くし、愛犬ジャクソンとの一人暮らし。妻の高額な治療費の支払いのために借金がかさみ、差し押さえられる寸前となっていた。
メキシコの国境沿いに住み、違法な国境通過を見かけた時には、サラに報告している。

不法移民
ある日、ジムはメキシコからの不法移民の母子を発見し、国境警備隊に連絡する。
警備隊が到着する前に、メキシコ側にカルテルの一味が到着し、2人を引き渡すよう命令するが、ジムが拒み銃撃戦となる。銃撃戦で被弾した母親から、息子ミゲルをシカゴの親戚の家まで連れて行って欲しいと頼まれ、大金を渡される。母親はその後死亡する。母親が持っていた大金は、ミゲルの母の兄が、カルテルから盗んだ金だった。

ミゲルを連れシカゴへ
国境警備隊は、ミゲルをメキシコに強制送還しようとするが、メキシコに戻ればミゲルはカルテルに殺害されることは明らか。
ジムは、こっそりミゲルを連れ出し、シカゴの親戚にもとに届けることにする。
ジムとの銃撃戦で弟を殺されたマウリシオは、ジムとミゲルを追い、アメリカ入国し、ジムの家を焼き払う。

逃走劇
マウリシオの一味は、ジムのクレジットカード履歴を確認し、警察官まで買収し、2人を追い詰めていく。
最初は、ジムを恨んでいたミゲルも、次第に打ち解けていき、ジムを信頼していく。
シカゴへ向かう道に、見張りを置いたマウリシオの手下から、ジムの車が発見され、2人は農場に隠れるが、ミゲルがマウリシオに捕まってしまう。

最後の戦い
ミゲルを救うため、ジムはマウリシオと一騎打ちになり、撃たれた後、腹部も刺されるが、反撃し重症を負わせる。マウリシオは、ジムに家から奪った勲章を返し、死を覚悟する。ジムはマウリシオに情けをかけ、最期の選択をさせ、マウリシオは自殺する。

シカゴへ
ジムは、無事ミゲルをシカゴの親戚の家に届け、姿を消す。
腹部に重症を負っているが、病院にも行かずに、バスに乗り、椅子に座り目を閉じる。

~おわり~

 

 

ひとこと

ありがちな設定で、予想通りのエンディングを迎える。
それでも、リーアム・ニーソンのファンとしては、とても楽しめた。
リーアム・ニーソンの良さを引き出そうとしつつ、ふつうの作品になった印象。

ベトナム帰還兵
・海軍スナイパー
・牧場経営者
・愛する妻を喪った孤独な男
アルコール依存症から克服
・愛犬家
というアメリカ人が好きそうな経歴の主人公。
そんな孤独なヒーローが、少年を悪者から助けるために、命懸けの逃走劇を繰り広げる。笑いゼロの渋い作品。

 

カッコいい!