映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

PIG/ピッグ (2021)

PIG/ピッグ [Blu-Ray]

WOWOWよりあらすじ抜粋

オレゴン州ポートランドの郊外の森。老いた男性ロブは、そこにある小屋で世捨て人のように暮らす。ロブは自分が飼っているブタが森で見つけるトリュフを、ポートランドに住むアミールと物々交換しながら生計を立てていた。しかしある夜、ロブの小屋を正体不明の面々が襲い、ロブのブタを連れ去ってしまう。ロブはアミールを無理やりに相棒とし、ブタを捜し始めるが、かつて自分も暮らしたポートランドの犯罪社会に飛び込んでいく。

以下ネタバレ注意

 

オレゴン・トリュフ

映画は、オレゴン州ポートランドが舞台。
オレゴン州には、世界クラスの在来種のトリュフが4種類あり、1ポンド(約500g弱)が最大800ドルで取引されていると言われている。
毎年1月には、トリュフの収穫を祝うイベント「オレゴン・トリュフ・フェスティバル」が開催され、世界中から旬のトリュフを求めて大勢の人が集まるという。
映画では、トリフュ豚が登場するが、オレゴンではトリュフ犬が活躍している。

 

ロケ地

電話を借りるレストラン

Skyline tavern(閉業)
トリュフ豚を奪われたロブが、アミールを呼び出すために電話を借りたレストラン。
アミールとの食事のシーンでも。

 

ブロードウェイ橋

Broadway Bridge
アミールの車で、ポートランドの街に向かうシーンで映る。
ウィラメット川に架かる跳開橋。 2012年には、国の歴史登録財 (National Register of Historic Places) に指定される。

 

屋台村

ポートランド,N Lombard ストリート沿い
ロブが、トリュフ豚の行方を追うために、食事の差し入れを持って男に会いに行くシーン。
フードカートが集まった一角。

 

レストラン(Eurydice)

Saucebox(閉業)
ロブのレストランがあった場所に出来た高級レストラン。
シェフ(Chef Finway)は、ロブがかつてクビにした料理人だった。

 

墓地のシーン

River View Cemetery
妻のお墓のシーン。

 

 

あらすじ(ネタバレ注意)

主人公ロブ
ロビン・フェルド(通称:ロブ)
愛妻ローリーが亡くなった後、オレゴンの山奥でトリュフ豚とひっそり暮らしていた。
彼に唯一会う人物は、駆け出しのトリュフバイヤーのアミールのみ。
ロブは、トリュフ代の代わりに、必要なものををアミールに届けてもらっていた。

強盗
ある日、ロブの家に2人組が押し入り、ロブを襲い、大切なトリュフ豚た連れ去られてしまう。
ロブはアミールを呼び出し、豚を取り戻すため犯人を追うことに。
アミールの取引先の女性から、すぐに強盗犯は見つかるも、ロブの豚は既にポートランドに運び出されていた。

ポートランド
ロブは、アミールの車でポートランドへ向かう。
アミールから、両親の不幸な結婚生活や母親の自殺について聞かされる。
かつての知人たちから情報を集め、事件の裏にアミールの父親ダリウスの関与が判明する。激怒したロブは、ダリウスの自宅へ乗り込み豚を返すよう迫るが、豚の命が惜しければ、25000ドルで諦めろと追い返されてしまう。

ダリウスへの奇策
黒幕がアミールの父親と知り、アミールと絶縁したロブだったが、豚を取り戻せず途方に暮れるロブをアミールが迎えに来る。
ロブは、アミールに食材の調達を依頼し、ダリウスの家に忍び込み、キッチンでディナーの準備をする。
ロブが作った料理は、かつてダリウスと妻がロブのレストランで食事をしたものと同じメニューで、ダリウスはそのことに気づき、感極まり席を立つ。
ダリウスは、豚の強奪のために雇った人物が、手荒に扱ったために、ダリウスの元に運ばれた時には、もう死んでいたと告げる。

ラスト
ショックを受けたロブを山小屋へ送るアミール。
途中、レストランに立ち寄った後、歩いて帰ると言うロブ。
ロブは、アミールとトリュフの取引を続けることを選ぶ。
山小屋に戻ったロブは、妻の歌声が録音されたテープを再生し、静かに耳を傾ける。

~おわり~

 

Bruce Springsteen ”I'm On Fire”

ラストで妻が歌っていたのは、ブルース・スプリングスティーンの「I'm On Fire」。

 

店名が意味するもの

レストラン・エウリディーチェ
ギリシャ神話に登場する有名なオルフェウス(オルペウス)の妻の名前が付けられた高級レストランという設定。かつては「ヘスティアー」(ギリシャ神話に登場する炉の女神)というロブの店だった。
愛する妻を亡くし、世捨て人のようになったロブ。
山小屋で1人、妻の声が録音されていたテープを聴き続けている様子は、いまだに妻の死を受け入れられていないようにも見える。
そんなロブが手塩にかけて育てたトリュフ豚まで何者かに奪われてしまう。
豚を取り戻すため、ファイトクラブにまで行ってしまうロブは、まるでエウリディーチェのために冥界にまで行ったオルフェウスと重なってくる。

高級レストランには縁が無いのだが、映画のような大げさメニュー名はよくあるものなのだろうか?スモーク演出が逆にチープに見えたのも面白かった。

 

ひとこと

ニコラス・ケイジが、一時期、借金のために仕事を選ばずに出演していたこともあり、B級作品を覚悟して観始めたが、意外にも素晴らしい作品で感動。
ニコラス・ケイジの出演作で1番かも。

ラストのロブのセリフ
I was thinking, if I never came looking for her, in my head, she'd still be alive.
は、シュレーディンガーの猫のようでもあり、この映画は気づかないだけで深い意味が込められている作品かも!?

失ったものは心の中にしまい、生きている限り人間は先に進むしかない。
私も先に進まねば!