映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

ナイブズ・アウト: グラスオニオン Glass Onion: A Knives Out Mystery (2022)

世界中がパンデミックに襲われロックダウンが続く中、億万長者のマイルズ・ブロンは、ギリシャにあるプライベート・アイランドに「破壊者」と呼ぶ親友らを招待し、「マーダー・ミステリー・パーティー」を開催する。名探偵ブノワ・ブランも参加するが、実際に殺人事件が起こってしまう。

以下ネタバレ注意

 

ロケ地

出航シーン

ギリシャ スペツェス島
背景にポセイドン・ホテルが映る。

マイルズ・ブロンの豪邸

Amanzoe(ギリシャ5つ星ホテル)
実際のホテルは、海からだいぶ離れた場所にある。

島のビーチのシーン

Amanzoe Beach Club
実際は、撮影に使われたホテルから、ビーチクラブはだいぶ離れた場所にある。

ブノワ・ブランのペントハウス

マンハッタンのアッパー イーストサイドにあるペントハウス

 

数々の美術品

沢山の美術品が飾られているマイルズ・ブロンのリビング。
じっくり見てみると、色々な発見があり楽しめます。
わかりやすいのは、エドワード・ノートンが出演した映画「ファイト・クラブ」のようなマイルズ・ブロンの半裸の絵が、部屋の中央に飾られています。

ハンフリー・ボガード主演「マルタの鷹」に登場した鷹の像のクリスタル製のものもリビングに置かれています。

Mark Rothkoの「Number 207」が、上下逆さまに展示されており、マイルズのアートの知識の無さを表していた。
他にも、バスキアモンドリアンドガホックニー等の作品が映っていたようだ。

 

ビートルズ

映画のタイトル「グラスオニオン」は、ビートルズの曲が元になっている。
Wikipediaによると、ジョン・レノンが「ビートルズの曲を聴いて、隠れたメッセージを探し当てようとする連中を揶揄するつもりで書いた」と語っており、ミステリー映画にぴったりなタイトルだといえる。

このシーンでは、マイルズがビートルズの「ブラックバード」をギターで弾いていたが、「グラス・オニオン」と同じ1968年の「ザ・ビートルズ」(ホワイトアルバム) に収録されていた曲。
音楽としては他に、レッド・ホット・チリ・ペッパーズビー・ジーズデヴィッド・ボウイ等の曲が使われていた。勿論、ナット・キング・コールの「モナ・リザ」も!

 

カメオ出演

映画には多数の著名人がカメオ出演し、驚かされます。
チェリストヨーヨー・マ 本人役
・プロテニス選手のセリーナ・ウィリアムズ 本人役
イーサン・ホーク:マイルズの助手役
ヒュー・グラント:探偵ブノワ・ブランのパートナー⇒同性愛者と判明
その他、ジェイク・タッパー等。
ジェレミー・レナーの顔が描かれたホット・ソース“Renning Hot”など、細かく探すときりがない!ジャレッド・レトの昆布茶。笑

 

モナリザは板絵(ネタバレ注意)

ネタバレ注意
モナリザの絵が燃え、紙が剥がれ落ちていくようなシーンがありますが、実際のモナリザは、ポプラ板に油彩で描かれた板絵です。

 

ネタバレあらすじ

マーダー・ミステリー・パーティーへの招待状
主催者:マイルズ・ブロン 巨大ハイテク企業アルファ社の創業者 億万長者
会場は、マイルズが所有する孤島。

招待客

カサンドラ・“アンディ”・ブランド:マイルズの元ビジネス・パートナー
・クレア・デベラ:コネチカット州知事
・ライオネル・トゥーサン:アルファ社の科学者
・バーディー・ジェイ:ファッション・デザイナー
・ペグ:バーディーの助手
・デューク・コーディ:男性の権利活動家 元インフルエンサー
・ウィスキー:デュークのガールフレンド
・ブノワ・ブラン:名探偵 招待はされていないが参加することに
アンディ以外は、マイルズの恩恵を受け各業界で成功した友人たち。10年前までは鳴かず飛ばずの人生を送っていた。

最初の殺人
マイルズは、ルーヴル美術館から借りた「モナリザ」を皆に見せびらかしていた。
他にもリビングには、有名な美術品がこれでもかと展示されている。
そのリビングで、ミステリー・ゲームを開催しようとするが、アッと言う間にブランが解決してしまう。
しかしその後、デュークが突然倒れ、死亡してしまう。

2人目の被害者
デュークが亡くなる直前、マイルズの飲み物を誤って飲んだことが判明。⇒毒殺?
また、肌身離さず持っていたデュークの銃が消えていた。
その後、突然停電になり、皆バラバラに逃げ出してしまう。
ブランはアンディを見つけるが、何者かがアンディを射殺してしまう。

フラッシュバック
1週間前、アンディの双子の妹ヘレンが、ブランを訪問し、アンディの死の真相を調べて欲しいと依頼する。
アンディは、彼が開発していた新固形水素燃料“Klear”が危険と判断し、開発を止めようとするが、マイルズによってアルファ社のCEOを解任されてしまう。
裁判では、マイルズによって恩恵を受けていた友人たちが偽証し、アンディは敗訴。
のちにアンディは、アルファ社の元となるアイデアを書き留めたナプキンを発見し、証拠として写真を添付し仲間にメールを送るが、何者かに殺害され、証拠のナプキンも消えてしまう。
妹ヘレンは、仲間の誰かがアンディを殺害し、マイルズにナプキンを渡すことで、さらなる利益を得ようとしたのでは?と考えていた。
そこで、ブランはアンディの死が公表されていないことを逆手に取り、双子のヘレンにアンディのふりをしてパーティーに出席するよう説得。ブラン自身もパーティーに忍び込むことに。

ヘレンは生きていた
アンディのふりをしたヘレンは、何者かに銃で撃たれるが、胸ポケットに入れていたアンディの手帳によって一命を取りとめる。
ブランは、ヘレンに死んだふりをさせ、マイルズや仲間らにアンディが死んだと思わせる。その後ヘレンは、マイルズのオフィスを密かに捜索する。

事件の真相(ネタバレ)
ブランは、事件の真相について語り始める。

マイルズは、アンディが証拠となるナプキンを持っていることを知り、アンディを殺害。その次に到着したデュークは、マイルズがアンディの家を立ち去るのを目撃していた。
パーティーに参加した後、オンライン・ニュースでアンディの死を知ったデュークが、マイルズを脅迫。アンディは、マイルズを殺害し、彼の銃を奪う。
その後、アンディに成りすましたヘレンを射殺しようとする。

ヘレンは、マイルズのオフィスから証拠のナプキンを発見し、皆の前に現れるが、マイルズがすかさずナプキンを燃やしてしまう。
証拠を失ったヘレンは、友人らに証言してほしいと頼むが、断られてしまう。


ラスト
ブランは、ヘレンに密かにマイルズが開発中の新固形水素燃料“Klear”を手渡す。
怒り心頭のヘレンは、マイルズの美術品らを次々と破壊していき、床に火をつけ、その火の中にKlearを投げ入れ、大爆発させる。
最後にヘレンは、モナリザを燃やしてしまう。
マイルズは、今回も友人らに偽証をさせようとするが、Klear開発が失敗に終わったマイルズに対し、友人らは見切りをつけ不利な証言をすると言い出す。
放心状態のヘレンは、ブランのもとへ行き、島に向かってくる警察の船をただ見つめていた。
~おわり~

 

 

ひとこと

前作の「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」も面白かったが、今回は爽快なラストで気持ちがすっとし、ミステリー作品というより娯楽としてとても楽しめた。
出来れば私も、破壊活動に参加させてもらいたかった。
でも、さすがにモナリザは止めるよ!


おすすめシーン

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