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フィリップ Filip (2022)

フィリップ

引用:WOWOW
1941年、ワルシャワユダヤ人ゲットーに暮らしていたポーランドユダヤ人青年のフィリップは、ナチスの銃撃で家族や恋人を皆殺しにされ、人生のどん底に突き落とされることに。2年後、彼は自らをフランス人と偽り、ドイツの高級ホテルのレストランで働く傍ら、戦場に夫を送り出したナチス将校の妻たちを次々と誘惑しては、独自の復讐に励んでいた。しかし純真なドイツ人女性リザと運命的に出会い、彼の心に変化が生じる。
年齢制限:R15+

以下、ネタバレ注意。

 

原作

Filip (German Edition)

原作は、ポーランド人作家・レオポルド・ティルマンドの実体験に基づいて書かれた自伝的小説。内容の過激さからすぐに発禁処分になったという。2022年にオリジナル版が出版されている。
上記Wikipediaによると、作者のレオポルド・ティルマンドも、ユダヤ人であることを隠すためフランス人の名前で書類を入手し、フランスへ行くためにとドイツでの強制労働に志願している。第三帝国では、通訳、ウェイター鉄道員、船員などとして働いていたという。
1994年、船員として中立国であるスウェーデンへの渡航を計画、ノルウェーのスタヴァンゲル港でドイツ船から脱出するが捕らえられ、オスロ近郊のグリニ強制収容所に収監され、終戦まで生き延びた。

 

ネタバレあらすじ

1941年ワルシャワ

ポーランドユダヤ人の若者フィリップは、舞台袖で恋人のサラにプロポーズする。
その後、2人で舞台に立つが、ズボンの紐がほどけたフィリップだけ舞台袖に引っ込む。
その瞬間、ドイツ兵らが現れて銃撃をはじめ、大勢の観客に舞台にいた人々、恋人のサラも殺されてしまう。
虐殺から逃れたフィリップは、密輸業者のスタシェクから偽の身分証を入手し、偽フランス人としてドイツへ向かう。

 

1943年フランクフルト

フィリップは、他のヨーロッパ出身の強制労働者らとともにフランクフルトにある高級ホテルのレストランでウェイターとして働いていた。
寮では、フランス人の同僚ピエールと相部屋で、2人は危険を承知でナチス将校の妻らを誘惑していた。別れる時には、劣等人種との不貞を暴露すると脅迫し、女性らを黙らせていた。

監視の目

ある日、ドイツ国防軍の上級将校グクストが主催する結婚パーティーがフィリップの働くホテルで開催予定となり、上級将校の部下のバウムラーらがホテルの厨房を厳しく監視するようになる。
イタリア人ウェイターのフランチェスコは、ドイツ人女性と関係を持っていたことが発覚し、スタッフの前で絞首刑に処される。
フィリップは、ブランカという女性との関係が発覚し呼び出されるが、バウムラーに殴られながらも釈放される。

 

リサとの出会い

フィリップは、ある日リサという女性と出会う。
リサの誠実さ、フィリップのアイデンティティを受け入れようとする姿勢に、フィリップは恋に落ちる。
密輸業者のスタシェクが拳銃自殺したことを知り、事務所の引き出しから偽造書類一式を持ち出したフィリップは、その書類を使い、リサとフランクフルトを離れ、人生をやり直そうと決意。

 

親友の死

ワルシャワ時代の旧友マルレーナが、恋人のドイツ国防軍のトーマスという将校と現れ、フィリップを脅迫し、上級将校のグクストと同じフロアに部屋を用意するよう命令される。
その後、フィリップが盗んでいたワインのうちの1本が、ピエールのロッカーから見つかり、バウムラーはピエールにワインをラッパ飲みさせ、銃殺する。
フィリップはショックで取り乱し、バウムラーに自分はユダヤ人だと言い、撃ってくれと詰め寄る。バウムラーは、フィリップが錯乱状態になったと考え、お咎めなしとなる。

ラスト

フィリップは、リサの家に行き、彼女と別れ、ホテルに戻る。
ホテルでは、グクスト主催の結婚パーティーが開催されていた。
マルレーナは、自分たちがポーランド抵抗軍のメンバーだと明かし、協力に感謝し、フィリップを褒め称える。
その後、グクストの部屋に行き、グクストがマルレーナらに殺されたことを知る。
フィリップはグクストの銃を奪い、パーティー会場が見下ろせる場所から発砲、バウムラーら数名を殺害する。
フィリップは、混乱に紛れ駅へ向かい、1人パリ行きの列車に乗る。

~おわり~

 



ひとこと

何気なく観始めたこの作品。
戦争ものは苦手なのだが、この作品は最初から没入して観ることが出来た。
性的なシーンもあるため、R15+指定作品なので要注意。

ナチスの銃撃で、家族や恋人を皆殺しされ1人生き残ったユダヤ人青年フィリップ。
フランス人に成りすまし、フランクフルトの高級ホテルで働く彼は、ナチス将校の妻たちを誘惑し、関係を持った後、冷酷に捨てていくことが、彼なりの復讐になっていた。

日々、体を鍛えているフィリップは、プールサイドでひときわ輝いていた。
夫を待つナチス将校の妻たちは、目が釘付けだったのだろう。

フィリップが、どうかラストまで生き抜いてほしい思いながら観続けていた。
シニシストな爺さんになって、長生きしていて欲しい。

 

 

主人公フィリップ役の俳優Eryk KulmさんのInstagramより。