感染すると次第に五感が奪われていく奇病が蔓延する世界で、運命的な出会いを果たした男女の愛情を描くパニックドラマ。感染すると嗅覚を失う原因不明の病がイギリスから欧州各国へと広がり、感染症を研究する専門家のスーザンも何も分からず困惑する。そんなある日、スーザンは、感染症の影響で客足の途絶えたレストランでシェフのマイケルと出会うが、2人もまた病に感染し嗅覚を失ってしまう。そして人々は嗅覚に続き味覚、聴覚と次第に五感を失っていき、世界は荒廃していく。監督は「猟人日記」のデビッド・マッケンジー。主演にユアン・マクレガーとエバ・グリーン。
以下ネタバレあり
嗅覚→味覚→聴覚→視覚(→触覚?)
という順番で五感が奪われていく奇病"SOS"が世界中に蔓延していくという作品。
視覚が無くなった時点で、作品は終わっていくが、多分次は触覚…と想像できる。
嗅覚が失われる前…悲しみに襲われる
味覚が失われる前…飢餓感に襲われる
聴覚が失われる前…感情が高ぶり 怒りやすくなる
視覚が失われる前…幸福感があふれる 愛する人に触れたくなる
映画は、視覚が失われる前の幸福感あふれるシーンの余韻のまま終わるので
観ている側としては救われるが、翌日起きた後、何も見えなくなった後の
ことを考えると、じわじわと背筋が寒くなってくる。
ユアン・マクレガー演じる主人公は、シェフ。
五感をフルに使う職業につく彼の五感が失われていくという皮肉な展開。
しかし嗅覚が無くなっても、人々は彼が働くレストランで食事を楽しんでいた。
料理の色、触覚、味わい、店の対応等、無くなった嗅覚以外の感覚をフルに
楽しんでいきます。
味覚が失われれても、味を濃くして、人々はレストランでの食事を楽しんでいきますが
腐っていても、普段は食べられないものでも、食べられてしまうのが怖い!
インターネットで色々な人のレビューを読んでみると5段階で3点ぐらいの方が多い。
観る人に問いかけるような作品なので、評価が分かれそう。
私はこの映画の世界観が好きで、かなり楽しめました。
ユアン演じるシェフは、一夜を過ごした女性に、一人じゃないと眠れないから
(仕事もあるし)帰ってくれと言ってしまう冷たい男なのですが
奇病SOSにかかり、最後は愛する女性と共にいたいと探し走る姿が
冒頭の彼とは対照的で、病気にかかる前が幸せなのか?とさえ思ってしまいます。
人間に与えられた五感を大切にして生きていきたいです。(大げさ)
日々の食事を大切にし、四季や人を感じる香り・音・色を楽しんでいくことが
究極の贅沢な生活なのかな。
失われていくばかりですが、五感が戻ってきたらどう感じるのかな?
臭い匂いでも、「うわ~くっさーい!」なんて喜べそう!?