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ザ・ハント THE HUNT (2020)

ザ・ハント [DVD]

Youtubeムービーよりあらすじ抜粋
広大な森の中で目覚めた12人の男女。ここがどこなのか、どうやって来たのかも分からない。あるのは巨大な木箱に納められた一匹の豚と武器の数々。すると突然銃声が鳴り響き、何者かに狙われる。武器を取り、逃げまどいながら、やがて彼らは気がつく。ネット上にはびこる噂、「人間狩り計画」―セレブが娯楽目的で一般市民を狩る"マナーゲート"が実在することを。しかし、"獲物"のひとりである美女クリスタルが予想外の反撃に出たことで、セレブたちの計画が狂い始める。ゲームの黒幕と対峙するとき、彼らが集められた目的と「人間狩り計画」の真実が明らかになる。

以下ネタバレあり

目次

 

赤の州vs青の州

Red states and blue states
2000年以降の大統領選挙における政党支持傾向を示す概念。共和党を支持する傾向がある州を赤い州(red state)、民主党を支持する傾向がある州を青い州(blue state)と呼ばれている。
当初、この映画の台本の仮のタイトルが、“Red states and blue states”だったと言われていたが、ユニバーサル・ピクチャーズはこの仮のタイトルを公式に否定している。

 

トランプ支持者を追うリベラル派

この作品には政治的なメッセージが含まれていると言われ、(トランプ支持者がリベラル派に追われる内容に)保守派の一部のメディアから反発を受けることになる。
2019年8月のトランプ氏はTwitterで、 "audience members were again expressing discomfort with the politics" と述べ、この作品とは名指してはいなかったが、アメリカのマスコミの見解では、この映画への言及だろうと考えられていた。

 

ネタバレあらすじ

プライベートジェット

上流階級らしき人物らが、プライベートジェットでの飛行中、貨物室からランディという男性がふらふらと現れる。
ランディは、医者だと名乗る男に首をペンで刺されたあと、女性にスティレットヒールで顔面を刺され、死亡。驚く客室乗務員をよそに、乗客らは平然と死体を貨物室に運んでいった。

 

 
 
 
 
 
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人間狩り

ヨガ・パンツ(女性名)を含む十数名の囚人が、森の中で目覚める。
ポツンと置かれた大きな木箱を開けると、中には沢山の武器が。
それぞれが武器を手にした途端、攻撃を受け、すぐに2人が死亡する。
罠に落ちたデッド・セクシー(女性名)を男性が救出するが、直後に地雷を踏み爆死。デッド・セクシーは、体を半分失い、自殺する。
スタテン・アイランド(男性名)は、有刺鉄線のフェンスを乗り越え、ターゲット(男性名)とヴァニラ・ナイス(男性名)とビッグ・レッド(女性名)に遭遇するが、すぐにターゲットが矢で撃たれてしまう。

 

ガソリンスタンド
スタテン・アイランドとヴァニラ・ナイス、ビッグ・レッドの3人は、ガソリンスタンドに逃げ込み、オーナーの老夫婦から、店の場所がアーカンソー州だと教えられる。
彼らは、自分たちの状況が、リベラルなエリートが庶民を誘拐し人間狩りをしているという”Manorgate”という陰謀論と酷似していることに気づく。
ビッグ・レッドは、店にあった毒入りドーナツを食べ苦しみだし、他の2人もオーナー夫婦に殺害されてしまう。
Ma(女性)とPop(男性)と名乗るガソリンスタンドのオーナー役の2人は、無線で仲間のハンターに3人の殺害を報告する。
その後、クリスタル(女性)が到着。タバコを買うふりをして、あっという間にMaとPopを殺害する。店に入る前、クリスタルは、店の外の車のナンバーが偽物だと気づき、偽ナンバーの下にクロアチアのナンバーを発見していた。
MaとPopと連絡が取れなくなったハンター仲間は、店の周囲に偵察用のドローンを飛ばすが、ゲイリーという陰謀論者(ポッドキャスター)がドローンを撃墜する。

 

貨物列車
クリスタルとゲイリーは、途中で出会った仲間と共に、貨物列車に乗り込むことに成功するが、貨物室の奥から難民らが現れる。ゲイリーは、彼らが人間狩り用に仕込まれた俳優だと考えるが、クリスタルは確信できずにいた。
その後、貨物列車がクロアチアの兵士らに襲撃され、身柄を拘束されてしまう。
クライシス・マイクという男性が、クロアチア兵の襲撃が計画外だったとゲイリーに告げ、自分がハンターだと明らかにし、ゲイリーに協力を求めるが、ゲイリーは手りゅう弾でマイクを殺害する。

 

難民キャンプ

クリスタルは、難民キャンプに連れて行かれるが、すぐに米国大使館からの特使が現れ、大使館に連れて行かれることになる。
移動中、クリスタルは、特使を名乗る男性がハンターの一味と考え殺害。車のトランクの中から、ゲイリーの死体を発見する。

 

ルボックス(見張り塔)
クリスタルは、ハンターらのピルボックスへ向かい、彼らが陰謀論信者らを集め、人間狩りを始めたことを知る。
クリスタルは、ピルボックスにいたハンターらを殺していき、最後に残った軍事コンサルタントから、黒幕のアシーナ(・ストーン)という女性の情報を聞き出した後、殺害する。

 

フラッシュバック
アシーナ・ストーンの仲間との冗談交じりのメッセージが、インターネット上に流出し、「Manorgate」騒動が起こってしまう。
アシーナは仕事をクビになり、仲間もキャリアを失ってしまう。
アシーナらは復讐のため、陰謀論を広めた人物たちを誘拐し、あくまで陰謀論であるManorgeteを現実のものにして、人間狩りをしようと決める。

 

 
 
 
 
 
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最後の戦い
クリスタルは、アシーナのもとへ向かい、自分が別の女性と間違えられて連れてこられたと主張。
最後の戦いの末、クリスタルは刺し傷を負いながらも生き延び、アシーナの服に着替え、高級シャンパンのボトルとアシーナの愛犬を連れ、プライベートジェットに乗り込む。客室乗務員に、家に帰りたいと告げ、出発する。
~おわり~

ターゲットに選ばれた理由

アシーナの館に到着したクリスタルが、壁に貼られた被害者たちの写真を見つめるシーンがあった。
写真から、彼らが何故ターゲットに選ばれたのか判明するシーンだった。
・Vanilla Nice:マグショット(犯罪者)
・Big Red:反ゲイ(反LGBTQ)の活動家、差別主義者
・Staten Island:白人至上主義者
・Yoga Pants:保守党支持者(国会議事堂前で議員とツーショット写真)
・Gary:陰謀論者(ポッドキャスター)
そのほか、よくわからなかったが、
絶滅危惧種であるサイの狩りをする男性
星条旗の前で舌を出してライフルを持つ女性
の写真などがあり、その中にクリスタルの写真も貼られていた。

 

感想

日本語版のWikipediaによると、『ゾベル監督は「『ザ・ハント』は分断されて闘争を繰り広げる両サイドを風刺するものであって、どちらかの側に立った映画ではない』と語っていたことが紹介されていた。
仲間内での陰謀論ジョークがネット上に流出したことをきっかけに、仕事を失ったものたちが、それなら本当に陰謀論通りに人間狩りしてやろうじゃないの!と計画した“人間狩り”。
残酷なシーンは苦手なのだが、どぎついブラックな設定でありつつ、どこかコミカルで目が離せなくなり、一気見した。
好き嫌いが分かれる作品かもしれない。

アメリカの極端な陰謀論にはいつも呆れて失笑していたが、日本でも最近、スナイパー小屋等、妙なデマが拡散しているようだ。日本でも、今後、おかしな陰謀論者が登場するのかもしれない。