映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

素晴らしきかな、人生 Collateral Beauty (2016)

素晴らしきかな、人生(字幕版)

広告業界で成功してきたハワードは、愛する娘を失ってから、仕事も私生活にも身が入らず、まともに話しも出来ない状態になっていた。会社の業績は悪化し、ハワードと共に会社を立ち上げたメンバーらは、会社の売買を考えるも、大株主であるハワードのサインが無ければ何もできない状況だった。

以下ネタバレ注意

 

豪華キャスト

映画を観て印象的だったのは、ストーリーよりもキャスティングの豪華さ。
映画賞の常連のようなメンバーが勢ぞろいしていた。
個人的には、ヘレン・ミレンキーラ・ナイトレイケイト・ウィンスレットの出演が嬉しかった。

 

ロケ地 広告代理店オフィス

Wieden Kennedy
オフィスのシーンは、ニューヨークに実在する広告代理店Wieden Kennedyで撮影されています。

 

ロケ地 ハワードの自宅

ハワードの自宅エントランスのシーンでの撮影。
自転車を押しながら、ハワードが現れる。

 

ロケ地 私立探偵と3人が話し合うシーン

Whitney Cafe
Whitney Museum of American Artの1Fにあるカフェ。
ホイットとサイモンとクレアが、私立探偵のサリー・プライスに相談するシーンで使われている。

 

ロケ地 ホイットの娘アリソンの自宅

The Beekman Luxury Condominiums
ホイットの娘アリソンが、義父と母と暮らす高級コンドミニアム

 

ロケ地 シロクマのショーウィンドウ

Bergdorf Goodman
ホイットとクレアが、シロクマのショーウインドウを観ながら話すシーン。
老舗高級デパートのバーグドルフ・グッドマン。

 

ロケ地 ホイットとエイミーのシーン

St. Ann's Warehouse
ブルックリン橋が印象的なホイットとエイミーのシーンは、海外ドラマや映画の撮影でよく使われるSt. Ann's Warehouse前で。

 

ロケ地 ハワードとエイミー(愛)のシーン

Remedy Diner
ハワードが一人で食事をしているところに、“愛”を演じるエイミーが現れるシーン。

 

ロケ地 グループセラピーの場所

子供を亡くした親のためのグループセラピーの会場。

 

ロケ地 ラストのセントラルパーク

Bridge No 28
通称“Gothic Bridge”と呼ばれている有名な橋。
ここに、“死”“時間”“愛”を演じた3人が立っていた。

 

ネタバレあらすじ

ハワード
広告代理店のCEO。
6歳の娘を亡くし、3年たってもなお心を閉ざしたままの状態。
出社はするが、仕事はせず、ドミノを作り続けている。
共に会社を立ち上げたホイットらとも、まともに口を利かない状態。

会社売却
ハワードが仕事をしなくなり、会社の業績は下降線をたどっていた。
会社の将来のため、ビジネスパートナーであるホイットやサイモン、クレアは、売却を検討するが、大株主であるハワードのサインが必要になってくる。

私立探偵
ホイットとサイモン、クレアは、ハワードが心神喪失状態で、経営能力を失っているという証拠を集めるため、私立探偵のサリー・プライスを雇い、ハワードの現在の様子を調査してもらう。
探偵は、ハワードがポストに入れた3通の手紙を入手するが、宛先は、“死”“時間”“愛”宛てのものだった。

3人の俳優と契約

ホイット、クレア、サイモンは、偶然出会った舞台俳優の3人(エイミー、ラフィ、ブリジット)を雇い、ハワードが出した手紙の“死”“時間”“愛”に成りすまし、ハワードに接近してもらう計画を立てる。彼らが出会う様子を探偵のサリーが撮影、俳優らの姿はデジタル加工で消去し、ハワードが心神喪失状態という証拠を造り上げようとする。

それぞれの苦しみ
ホイットは、愛を担当するエイミーと、クレアは時間を担当するラフィと、サイモンは死を担当するブリジットと連絡を取り合うようになる。
彼らと関わることで、それぞれの苦悩が浮き彫りになっていく。
ホイットは、自らの不倫で離婚をし、再婚した母親と暮らす娘との関係が悪く、クレアは妊娠を望み、密かに精子提供者を探していた。サイモンは、持病が悪化したことを家族に言えないままでいた。

グループセラピー
ハワードは、俳優が演じた愛・時間・死と出会ったことで、子供を亡くした親が集まるグループセラピーに参加する。
セラピーをまとめるマデリンと知り合い、不思議な出来事について聞いてもらう。
マデリンは、娘が病院で亡くなる直前に、病院の廊下である女性から「見逃さないで。幸せのオマケ(Collateral Beauty)があるから。」と声をかけられたことを話す。

怒り
ハワードは、自転車で移動中、スケボーに乗って現れた”時間”と再会し、娘の時間を奪ったと道のど真ん中で激怒し、スケボーを放り投げる。
ホームで“死”と出会ったハワードは、電車内で彼女に涙ながらに怒りをぶちまける。
その様子を、遠くの席に座っていた探偵が全て撮影していた。

取締役会
ハワードが出席した取締役会で、俳優らの姿をデジタル消去した映像が流され、ハワードが一人で道の真ん中や電車内で叫ぶ様子が確認された。
ハワードは、自分の精神状態や行動が原因で、業績悪化していることを理解し、売却手続きのサインと、娘の信託に絡んだ死亡証明書にサインをする。

報酬
サイモンは、ブリジットに報酬を渡しに行き、妻に病状を打ち明けたと話す。
クレアは、ラフィに報酬を渡しに行き、ラフィから里親になる選択もあるとアドバイスされる。ホイットは、エイミーに言われたように、娘を学校前で待ち伏せし、正直に愛を伝え、毎日でも下校時間に会いに来ると伝える。ホイットを拒絶していた娘は、別れ際、明日は学校が半日で終わると教える。

クリスマスイブ
ハワードは、グループセラピーで出会ったマデリンの自宅を訪れる。
マデリンの家のテレビには、彼女の娘オリビアの生前のビデオが映っていた。
そこには、ハワードの姿も。
マデリンは、ハワードの別れた妻だった。
ハワードは、初めて娘の名前と死因を口にし、2人で泣きながら抱き合う。

ラスト
ハワードとマデリンが手をつなぎセントラルパークを歩いていた。
公園の橋からエイミーとラフィー、ブリジッドが2人を見下ろしていた。
ハワードが振り返ると、3人の姿は消えていた。
~おわり~

 

 

ひとこと

クリスマスシーズン、改めて見なおし、記事にしてみた。
クリスマス・キャロル」の3人の幽霊のように、3人の舞台俳優らが主人公に接近し、主人公が変わっていくのかと思ったが、現実的に話は進んでいく。

最後にどんでん返しがあり、Collateral Beauty(幸せのオマケ)が何であるか判明するが、あえて説明はしていないのが良かった。

映画賞の常連俳優らが出演するが、一番素敵だったのはマデリン役のナオミ・ハリスだった。名優たちの使い方が少しもったいなかった気がしたが、脇役に徹していたということなのだろう。

海外の映画評論家の評価は低め。Rotten Tomatoesでの評価は☆3.7/10と書かれていたが、imdbでの評価は☆6.7/10。派手な展開や面白いシーンはないが、imdbの評価のほうが納得がいく。

個人的にはニューヨークの街並みが堪能出来て満足している。
上記で紹介しきれないほど、色々な場所で撮影されていた。
円安もあり、いまだ海外旅行は計画できていない。
仕方なく今日もYoutubeで、NYのクリスマスの様子を楽しませてもらおう。