1957年のニューヨーク。
トゥレット症候群だが、ずばぬけた記憶力を持つ私立探偵のライオネル・エスログ。
人生の恩人かつ仕事上のボスであるフランクが、何者かに殺害され、ライオネルは
独自に犯人を追い始める。
フランクが残したヒントから、ブルックリンのスラム街の立ち退き問題等から
街の権力者らの腐敗が明らかになっていく…。
以下、ロケ地と簡単な感想
【映画ロケーション】
ボスが連れ去られた車を追い、ライオネルが走って追いかけるシーン。
Frederick Douglass Blvd(ニューヨーク)
ジャズ・クラブ St. Nick's Jazz Pub NYC(閉業) imdbより
ローラ・ローズの自宅
ライオネルが図書館で調べものをするシーン。The Rose Main Reading Room
抗議活動のシーン ワシントン・スクエア・パーク
原作は、ジョナサン・レセムの同名小説「マザーレス・ブルックリン」。
監督・脚本・製作・主演:エドワード・ノートン
オリジナル・ソング:トム・ヨーク「デイリー・バトルズ」
出演:エドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、ググ・バサ=ロー、
原作では、出版された年(1999年)のブルックリンが描かれているが
エドワード・ノートンは、ノワール作品が合っていると考え
1957年の設定で映画化された。
ググ・バサ=ロー演じるローラ・ローズは、原作には登場しない。
アレック・ボールドウィンが演じた、モーゼス・ランドルフは
ニューヨーク市の大改造を行った“マスター・ビルダー”ことロバート・モーゼスに
ちなんだ名前になっている。
実際のロバート・モーゼスも、水泳好きだと知られている。(学生時代水泳部)
ギャビー・ホロウィッツは、実在するジャーナリスト、
ジェイン・ジェイコブズがモデルの人物。
都市開発vs環境保全
2人の30年にも及ぶ壮絶な戦いが、この書籍にまとめられている。
この映画の撮影中、セットから火が出て、火災が発生し
消火活動に当たった消防士1名が殉職となる事件があった。
映画化を熱望したエドワード・ノートンが、監督・脚本・製作・主演と
力を入れ作り上げた作品だったが、残念ながらゴールデン・グローブ賞に
1部門だけノミネートされただけだった。
1950年代の探偵業の雰囲気や、クラシカルな街や車、ファッションの美しさ等
ストーリーも練られた、素敵な作品だったと思う。
ノワール作品にぴったりな美しい音楽。サントラもかなりお勧めです!