実話から着想を得た愛を描いたアンソロジーシリーズ。
以下ネタバレあり
目次
- 1.あなたが愛したスポーツカー
- 2.夜の少女と昼の少年
- 3.(ダブリンの)見知らぬ乗客
- 4.ひとりよがりな未来予想図
- 5.本当の私は心理テストで分かるかも
- 6.こじれた夫婦の待合室
- 7.僕のこと覚えてる?
- 8.二度目の抱擁は心と目を開いて
1.あなたが愛したスポーツカー
On a Serpentine Road, With the Top Down
ステファニーは、死別した前の夫が愛した水色のスポーツカーを運転している時だけ、助手席に夫の気配が感じられた。運転しながら夫と話をすることが、彼女のお気に入りの時間だった。再婚したステファニーは、お金が底をつき、古くなり故障続きのスポーツカーを手放そうかと考え始める。
ステファニーの自宅:Sidmonton Playground(公園)前 アイルランド
前の夫を亡くした後、娘と買い物に行くシーン。
Kennedys Enniskerry前(アイルランド)
ミニー・ドライバーが演じる主人公が、水色のTriumph Stagを運転しながら亡き夫の幻とドライブするシーンが素晴らしかった。
再婚相手はパッとしない印象だったが、良い人中の良い人で、ハッピーエンド。
アンソロジーシリーズの素晴らしい1話目で、すぐに没頭してしまった。
シーズン2で1,2を争う素敵なお話でした。
2.夜の少女と昼の少年
The Night Girl Finds a Day Boy
Zoeは病気が原因で、夕方4時~5時頃に目覚め、朝就寝する生活を続けている。
ある夜、ジョーダンという素敵な男性と出会い、二人は恋人同士に。
しかし、昼間働くジョーダンと夜働くZoeとの間に徐々に問題が生じていく。
Zoeが仕事に向かい降りる駅:Chauncey Street Station
夜の美術館デートのシーン:Brooklyn Museum ブルックリン美術館
地下鉄入口でのキスシーン:ナッソー・アベニュー駅
病気で夜と昼が逆転する生活をしているZoe。
夜出会った教師のジョーダンと付き合い出すが、お互いの時間に合わせるために無理が生じていく。
Zoeに合わせると寝不足になるジョーダン、ジョーダンと昼間に約束をすると、ことごとく遅刻するZoe。次第にイライラが募り、別れることになる。
その後、お互いの生活のペースに合わせず、無理をしない方法を見つけたジョーダン。
Zoeも幸せそうでなによりのハッピーエンドに満足。
3.(ダブリンの)見知らぬ乗客
Strangers on a (Dublin) Train
パンデミックの中、ダブリン行きの電車の中で出会ったポーラとマイケル。
心ときめく時間を過ごした2人は、スマホの番号の交換をあえてせず、2週間後に駅で会おうと約束する。
しかし、約束の2週間後、移動制限措置が強化され、自宅から数キロ圏内の移動しか許されない状況になってしまう…。
駅に向かうマイケルが検問で自転車を停められ、必死に訴えるが、家に引き返すことになるシーン。
O'Donovan Rossa Bridgeそば アイルランド・ダブリン
ポーラの自宅(緑のドア):オックスマンタウン通り(ドラマの通りの住所)
ラストシーン:マイケルがオックスマンタウン通りに車を止め
ポーラとの再会を待つシーン。
電車内で相席になる人を(内心)えり好みするポーラ。
唯一、良いなと思ったイケメンは、反対側のアンジェリーナ・ジョリー風の美女の席に座ってしまう。
ガッカリしたポーラだったが、しだいに二人の距離が縮まり、恋に落ちる。
運命に賭けた2人は、あえて連絡先を交換せずに、2週間後に駅での再会を約束する。
起承転結がしっかりと作られたロマンチックな作品。
パンデミックな世界で、二人の運命はどうなってしまうのか?
こうご期待!
4.ひとりよがりな未来予想図
A Life Plan for Two, Followed by One
12歳のリルの前に現れた理想の男の子ヴィンス。
ヴィンスとの甘い未来を描くリルだが、理想と現実は離れていくばかり…。
スタンダップ・コメディアンとして活躍しはじめたリルの舞台をヴィンスが観に来るシーン
Proctors Theatre ニューヨーク
二人組の男子生徒に「レズビアン?」と絡まれたリル。
彼女を助けようと現れたのは、生徒会長のヴィンセント・D・ナヴァレス。
その瞬間、リルは彼に恋してしまう。
リルは自分の気持ちを伝えないまま、2人は親友になり、彼に恋人が出来ても、いつか振り向いてくれると信じて待つリル。
私には、ヴィンスがずるい男にしか思えなかった。
リルの気持ちを察していながら、親友で居続けた。
リルを大事に思うからこそ…というより、親友を失くしたくないという思いが強いような気がする。
映画「ベスト・フレンズ・ウェディング」を思い出していた。
5.本当の私は心理テストで分かるかも
Am I...? Maybe This Quiz Will Tell Me
心理テストが大好きな中学生のケイティ。
ある日、アニメ好きのアレクサと急接近。お泊り会でキスをするが、動揺したケイティは、教師や友人らの前でアレクサと親しくないふりをし、体調不良を理由に、帰宅してしまう。
ケイティがアニメの話をしているのを聞いたアレクサが、突然話しかけて二人は親しくなっていく。
ケイティが話していたのは「カレイドスター」。
アレクサは、「黒執事」という自分のお気に入りのアニメの話をはじめる。
アニメに詳しくないので、説明が出来ませんが、二人とも日本のアニメ好きという共通点があり、急接近していきます。
冒頭からケイティは、スマホで「あなたの同性愛度は?」というような心理テストを繰り返していた。
既に、自分が異性愛者ではないと気付いているのだろう。
とにかく、アレクサが良い子で救われるエピソードです。
いつか2人で日本に来てね!と思いながら、観終えました。
6.こじれた夫婦の待合室
In the Waiting Room of Estranged Spouses
ある病院の待合室で、元海兵隊員のスペンスは、見覚えのある女性の姿を見つけこう尋ねた。
「貴方は、僕の妻の不倫相手の奥さんですか?」
スペンスが妻に離婚届にサインをすると伝えた桟橋
:Riverfront Park (ハドソン川沿い)
imdbのレビューでは、このエピソードが退屈だと書かれていたが、私は、第1話と甲乙つけがたいほど、このエピソードが好きだった。
突然、スペンスの海兵隊員妄想が始まったり、スペンスが何でも“任務”として真面目に取り組もうとしてしまうひと癖あるところも好き。
スペンスがイケメンなのが要因。
吹替の声もステキだった。
カッコいい上に歌も上手い。
7.僕のこと覚えてる?
How Do You Remember Me?
初めてのデートで関係を持った相手。会ったのはその1日だけ。
ある日、道でお互いの姿を見つけ、あの夜のことを思い出しながら距離が近づいていく。
君は、僕のことを覚えているのだろうか?
冒頭、ベンが現在の恋人と手をつなぎ話をしているシーン。
リバーストリート沿い (トロイ・NY)
ロビーが女性二人と店から出てくるシーン
:Twenty-Two 2nd Street Wine Co. 2nd Street沿い(トロイ・NY)
2人がすれ違う交差点:200 Broadway Troy NY
白い壁に“200”の数字が目に入る。
理想の相手と巡り合ったように見えた2人だったが、一本の電話から関係がギクシャクしてしまう。
どちらが悪いわけではない。
久々に会った2人は、見つめ合いながら、言葉は交わさずすれ違っていく。
縁が無かったということか。
それとも、いずれ再会する運命の2人なのか!?
ロビー役の、Zane Paisがかっこよかった。
8.二度目の抱擁は心と目を開いて
A Second Embrace, with Hearts and Eyes Open
元夫婦のエリザベスとヴァンは、再び親密な関係になり、ヴァンはエリザベスにプロポーズの準備をしていた。
しかし、乳がんが見つかっていたエリザベスは、ヴァンの申し込みを断ることしか出来なかった。
とにかく元夫のヴァンが可愛い!
どうやら姉さん女房で、ヴァンが憧れの女性を射止めたといったところのよう。
今は離婚し数年経っているようだが、久々に関係を持った日の翌朝、ヴァンは嬉しくて帰り道、走り出してしまう。
でも、40代になったヴァンは、さすがに息切れ。⇒タクシーで帰宅。
すぐに、指輪も準備し、レストランではプロポーズの打ち合わせまで。
ときめくヴァンに、エリザベスは乳がんになったことを告白し、ショックを受けるヴァン…。
とにかく、ヴァンがまっすぐで一生懸命なのが良い。
エリザベスの頑なな心も次第に溶け始め、ハッピーエンドに。
結婚するなら、忠犬タイプのヴァンがお勧め。
シーズン1、シーズン2共に満足度が高い作品です。
大人の女性のほうが、より響く作品かも。
10/10点 ✨