カフェで働く女性キャティヤは、あるとき客として店にやってきたヴァディックたち若者グループからパーティーに誘われる。どこか騒げる場所を探す彼らは、人里離れた場所に立つ古びた屋敷を訪れた。そこはかつてキャティヤがメイドのアルバイトをしていた屋敷だったが、今は人けもなく廃墟同然となっていた。ためらうキャティヤをよそに勝手に屋敷に入り、パーティーを始める若者たち。そんな中、彼らの背後に誰かの気配が……。
以下ネタバレあり
目次
スピリチュアリズムの流行
この映画は、19世紀の終わりにロシアで流行したスピリチュアリズムをベースにした内容になっている。
人は肉体と霊魂からなり、肉体が消滅しても霊魂は存在し、現世の人間が死者の霊(霊魂)と交信できるとする思想。(Wikipediaより)
最初のシーンでは、19世紀後半、降霊会を主催していた男爵が、地獄の門を開け、悪魔を呼び寄せたことが描かれている。
男爵の館
映画に登場したお屋敷は、実際に19世紀~20世紀の間に建てられた建物で、保存状態も良く、ロケ地に選ばれたと紹介されていました。
(参考:ロシア語情報サイト)
ロケ地 黒海沿岸
海のシーンのロケ地に関する情報を探しましたが、ロシア語のサイトでも“黒海沿岸のリゾート地”としかわかりませんでした。
グーグルマップで黒海沿岸を確認すると、目に飛び込んだのはニュースで何度も聞くウクライナの地名。
ロシア国境沿いの黒海沿岸の街、マリウポリ。
島国である私たちにはわからない、敵国に接する恐ろしさを感じました。
ねたばれあらすじ
アンドレイ
妻と幼い子を事故で亡くす。
アンドレイは、妻子に一目会いたいと屋敷で交霊をし、悪魔を招いてしまう。
友人が、彼を救い出そうとするが、悪魔に殺害されてしまう。
アンドレイの屋敷のメイドのアルバイトに、キャティヤ(カティヤ)が雇われ、キャティアはアンドレイに恋するも、失恋。
キャティヤ(カティヤ)
キャティヤは、友人のポリーナとリゾート地で働いていた。
いまだアンドレイの失恋を引きずるキャティヤ。
キャティヤに一目ぼれをしたヴァディックの友人が、ポリーナに声をかけ、ヴァディックの友人らと出かけることになる。
古いお屋敷に侵入
ヴァディックの友人から、キャティヤが働いていたアンドレイの屋敷に忍び込みたいと言われ、案内を頼まれる。
ポリーナは、失恋を乗り越えるためにと、キャティアを説得し、門の鍵を壊し、屋敷に侵入。パーティーを始める。
怪奇現象
交霊会の真似事をしようとしたところに、アンドレイが突然現れ、家から出ろと怒り出すが、体力を消耗しているアンドレイは倒れてしまい、男性らに地下室に閉じ込められてしまう。
キャティヤは、アンドレイを救いにいくが、すでに全員が悪魔に狙われていた。
悪魔との対決
悪魔に一人ずつ殺害され、車で屋敷からの脱出を図るも、悪魔に邪魔され出られない。
アンドレイは、屋敷の周囲に火をつけ、朝になれば悪魔の力が弱まるので、それまで悪魔の嫌いな火を焚き、翌朝、逃げ出すよう説得する。
悪魔は、アンドレイを愛するキャティヤを殺そうとするが、アンドレイは彼女を助けるために死んでしまう。
朝が明け、屋敷から逃げ出したキャティヤとヴァディック。
助かったことを喜ぶキャティヤの前に、アンドレイの姿をした悪魔が現れる…。
~おわり~
感想
珍しいロシアのホラー作品。
ロシアのレビューサイトでは、“怖くない”ことに対してのクレームが多いが、怖いのが苦手な私には、ちょうどいい怖さだった。
ホラーというよりも、“メロドラマ”に近いと評している人も多かった。
確かに、雰囲気優先の作品かもしれない。
予算も少ないのだろうな、とも思う。
今は、ゲームでも何でも、もっとリアルで恐ろしい映像が沢山観られるので評価は低いだろうが、個人的には3/5点。