映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

オータム・イン・ニューヨーク Autumn in New York (2000)

オータム・イン・ニューヨーク(字幕版)

WOWOWより抜粋

ニューヨークで高級レストランを営む実業家ウィルは名うてのプレイボーイで、遊びと割り切ってあまたの美女と恋を楽しんでいた。ある日、彼はひとりでボートに乗っていた若い女性シャーロットに目を奪われる。やがて2人は恋に落ちるが、なんと彼女はかつて付き合った女性の娘だった。若い彼女との交際を新鮮に感じるウィルは、深入りする前に身を引こうと彼女に別れを切りだすが、彼女は自分が余命いくばくもないことを告白する。

以下、ロケ地など

 

ロケ地

別れを告げるシーン

Bow Bridge(セントラル・パーク)
映画冒頭、突然、恋人に別れを告げるシーン。
シャーロットが偶然ボートを漕いでいた。

 

ロケ地 ウィル・キーンのレストラン

456 Washington St.
現在は、豪華なアパートメントが建っている。

 

ロケ地 シャーロットと祖母が暮らす家

祖母ドリーとシャーロットの暮らす家

 

ロケ地 ウィルの自宅

撮影当時は、周囲にあまり高いビルが無い印象だが、現在は高いビルが立ち並んでいるようだ。

ロケ地 桟橋を歩くシーン

Pier 34 @ Hudson River Park
ウィルとシャーロットが歩く桟橋。

 

詩の引用

エミリー・ディキンソン「Two Butterflies」

ハロウィーン パーティーで、エミリー ディキンソンに扮したシャーロットが、子供たちにせがまれ、詩を詠むシーン。
 "Two butterflies went out at noon and waltzed above a stream, then stepped straight through the firmament and rested on a beam; and then together bore away upon a shining sea - though never yet, in any port, their coming mentioned be."

「2匹の蝶々が午後のお散歩に。小川の上を舞い回り、大空に駆け登って光の上で羽を休めました。2匹はまた飛び立って、輝く海の上に出ました。そして彼らの消息は、今もわかりません。」

 

ドロシー・パーカー「Midnight」

"The stars are soft as flowers, and as near; the hills are webs of shadow, slowly spun; no separate leaf or single blade is here - all blend to one"
「淡い星が花のように頭上でまたたいている。影が織物のように丘を覆ってゆく。木々の葉と草は、すべて溶け合って境を失ってゆく。」
ドロシー・パーカーの詩「ミッドナイト」の一部分を引用しています。

 

エドナ・セント・ヴィンセント・ミレイ「To a Young Poet」

手術前、病室で寝ているシャーロットの耳元でウィルが囁くシーン。
"Time cannot break the bird's wing from the bird. Bird and wing together go down, one feather. No thing that ever flew, not the lark, not you, can die as others do."
「時も鳥の羽はもぎ取れない。鳥と羽は一体。共に地に落ちる。すべて空を飛ぶものは、ひばりもそして君も特別の別れを迎える。」

 

 

ひとこと

あまり評価されないこの作品だが、公開時からとても気に入っていた。
もちろんニューヨークが舞台という理由もあるが、シャノンの家のインテリアやファッションなどがとても繊細で美しかった。特にシャノンの部屋にあったビーズカーテンが素敵で、鑑賞後かなり探した記憶がある。

シャノンの祖母を演じたエレイン・ストリッチが祖母に似ているという理由もある。
久々に映画を観て、おばあちゃんを思い出していた。
彫りの深い顔立ちで、火鉢の前でキセルを吸っていた姿がカッコよかった。

ニューヨーク、紅葉、美しい詩、ファッションにインテリア、美男美女、音楽。そして悲劇。ロマンチックに浸りたい時には是非!