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amazonより
作家志望のスキーターは南部の上流階級に生まれ、黒人家政婦の存在が当たり前の地域社会で育ってきた。だが、大学から戻った彼女は、白人社会で家政婦たちが置かれた立場が、もはや当たり前には思えなくなってくる。そして、身近な家政婦たちに現状に対しての想いをインタビューしようと試みるが、彼女たちにとって真実を語ることは、この南部という地域社会で生きる場所を失うことを意味していた…。
そんなある日、白人家庭に黒人専用トイレの設置を義務付けようと活動する、スキーターの女友達の家で働いていたミニーが、トイレを使用したため解雇されてしまう。誰もが口をつぐむ中、ミニーの親友のエイビリーンが勇気を出して、ついにスキーターのインタビューに応じた。
そしてその小さな一歩は数多くの勇気へと広がり、やがて彼らを取り巻く社会を根底から揺るがす大事件へと発展していく…。
以下ねたばれあり
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ヘルプ (上) 心がつなぐストーリー (集英社文庫) (2012/02/17) キャスリン・ストケット 商品詳細を見る |
原作は。こちら。
映画とほぼ内容は変わらないようです。
あっという間の2時間。
どの場面も大事で見逃せない出来栄え。キャスティングも素晴らしい。
女性にとっては、今でも学ぶことが多い作品だと思う。
人は見た目が〇割、というような内容の書籍もあるが、人の醜さは外見からは計り知れない。
若く美しい女性が権力をかさに、人間として最低なことを考え、悦に入っている姿は、エイバリーンの言葉通り「悪魔」にしか見えない。
ママ友の付き合いや、子育てについても考えさせられる。
南部の人種差別がテーマになった作品は色々観てきたが、暴力的なシーンがあるものも多く、恐ろしくて観ていられないものもあった。
この映画は、出演者はほとんど女性で、イライラ・ムカムカするシーンはあるものの、暴力的なシーンがない分、ヒューマンドラマとして安心して楽しめる。
悪役 Hilly Holbrookは、Bryce Dallas Howard。
純粋な女性を演じるイメージが強いが、悪役がとてもはまっていた。
悪魔だけど、あのチョコレートパイ事件のおかげで、気分爽快。
ヒリーのママ、大爆笑!“Run! Minnie run!”
最後にSkeeterのママの一撃でさらにスカッと。
“Get out of my property!!!”
しかし、悪魔なヒリーは、どこまでも嫌な奴だった。
元友人であり、「HELP」作者のスキーターを倒すことが出来なかったため、ターゲットをエイバリーンに。
エイバリーンが銀食器を盗んだという濡れ衣をきせようとする。
カッとしたエイバリーンは、ヒリーに詰め寄ったため、仕事を解雇されてしまう。
育児放棄した母の代わりに育ててきたその家の長女メイ・モブリーとの別れのシーンは涙涙。
ヒリーと正反対の天使役 Celia Footeには、Jessica Chastain。
悪魔ヒリーの家を解雇されたミニーは、セリアに新たに雇われる。
彼女は、ヒリーの元彼と結婚したこと、貧しい家の出身が原因でヒリーに嫌われ、街の女性達から露骨に敬遠されていた。
料理が苦手なセリアは、夫に内緒でメイドを雇い、代わりに料理を作ってもらおうと考えていた。
そんなセリアに、ミニーは簡単に出来る料理を教えていく。
セリアは、人種差別が一切ない女性で、ミニーが嫌がってもランチを同じテーブルで一緒に食べていた。
スタイル抜群の美女だが、外見よりも心の美さを夫は愛しているのだろう。
内緒で雇っていたミニーのことを、夫は最初から気付いており、最終的にミニーを夫婦で温かく迎え、ミニーさえ良ければ一生働いて欲しいと正式に雇うことに。
そのおかげで、ミニーは暴力夫からも逃げることが出来た。
ミニー役のOctavia Spencerは、オスカー受賞!
他にも様々な映画賞で、助演女優賞を受賞する。
【映画ロケーション】
Brent's Drugs
Mayflower Cafe
ロケ地を紹介している動画