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ハリエット Harriet (2019)

ハリエット [DVD]

1849年、奴隷女性のミンティは、1人、フィラデルフィアへ逃亡を決行する。

道中、ミンティは、地下鉄道と呼ばれる秘密結社の構成員たちに助けられ、

ハリエット・タブマンと改名する。

その後、地下鉄道の車掌(奴隷たちを南部から北部へと誘導する人物)として

活動しはじめる。

 

 

以下ネタバレあり

 

 

 

TED Edが作った映画の主人公であるハリエット・タブマンに関するアニメ。

ざっくりと彼女の一生がわかります。

日本語の字幕も付けられるので、是非!

 

ハリエットに関する動画 実際の写真等が紹介されています。

こちらも、日本語字幕が付けられます。

 

 

(映画で紹介された来歴)

1820年または1821年、メリーランド州で、黒人奴隷である両親から生まれる。

名前は、アラミンタ・ロス、通称ミンティ。

事故で、頭蓋骨を割る怪我をし、その後、神からのヴィジョンが見えるようになる。

1844年頃、自由黒人(奴隷ではないフリー・ブラック)であるジョン・タブマンと

結婚。

1847年、奴隷主が死に、奴隷が売り払われるという話を聞き、逃亡を渋る夫を残し

1人、北部へ逃亡する。

途中、”地下鉄道”という奴隷制のある南部から、奴隷制が廃止されている北部へ

逃亡する奴隷たちを手助けする地下組織に助けられる。

ハリエットは、そこで地下組織の父と呼ばれるウィリアム・スティルと出会い

地下鉄道の”車掌”(奴隷たちを南部から北部へと誘導する人物)として働き始める。

1850年から1860年の間、十数回の南部との往復を繰り返し、“乗客”(奴隷)全員を

自由へ導き、ハリエット自身も一度も捕まることがなかったため、

「女モーセ」「黒人のモーセ」(Black Moses)と呼ばれ、懸賞金がかけられた。

古代エジプトで奴隷だったイスラエル人をカナンの地へ導いた、モーセ

なぞらえての呼び名。)

1861年南北戦争が勃発。北軍のスパイ、看護師等として活躍。

1863年、コンバヒーフェリーへの襲撃では、アメリカ史上初の女性指揮官として

活躍し、奴隷約700人を救出、北軍領地への移送に成功。

戦争が終わり、奴隷解放後は、黒人と女性の権利のための活動家として活躍。

元奴隷や、黒人兵の遺族への支援を続ける。

1913年、肺炎で死去。

 

 

(ハリエット・タブマンに関連する施設) 

 

HARRIET TUBMAN MUSEUM AND EDUCATIONAL CENTER

 

Harriet Tubman Underground Railroad Visitor Center

2017年3月オープンされたばかりで、グーグルマップでは確認できず。

 

 

(話題)

映画とは関係ないですが、2019年にハリエット・タブマンの壁画に

手を差し伸べる黒人の少女の写真が、とても話題になり、

テレビ等でも紹介されていました。

 

2016年、オバマ政権の際、ハリエット・タブマンが新20ドルの顔になると

決定され、女性の参政権獲得100周年となる2020年に発行予定だったが

トランプ政権になり、その計画を延期されてしまう。

しかし、今年1月25日、バイデン政権の報道官より、改めて新紙幣発行の

計画が進んでいることが発表され、4月にはアメリ財務省から2030年の

新紙幣発行に関し発表があった。

現在の20ドル札の第7代大統領アンドリュー・ジャクソンは、奴隷所有者。

奴隷所有者から元奴隷で奴隷解放運動の活動家であるハリエットに!

 

 

伝記映画として、素晴らしい作品。

20ドルの新紙幣に関するニュースで、ハリエット・タブマンという名前を知ったが

詳しい人物像は映画を観るまで全く知らなかった。

映画で、色々なことを学ばせてもらっている。

残虐なシーンは少ない方なので、中学生以上であれば、勉強を兼ねて

一度観た方が良いと思う。

 

テイラーファンとして、ジョー・アルウィンがまた悪役だったことを心配

していたけれど、残虐な人間というよりも、主人公に執着する男、として

描かれていたので少しほっとしました。

 

9/10点 今こそ是非!