不慮の事故で半身不随の身となったチョンウィン。妻とは離婚し、妹とは仲が悪く、息子は海外の大学に留学中と、公共住宅の一室でひとり暮らしをする彼の頼みの綱となるのは、金で雇う外国人の家政婦だけ。そんな彼のもとへ、新たな住み込みの家政婦として若いフィリピン人女性のエヴリンがやって来る。当初はお互いに言葉もうまく通じず、2人の間はぎくしゃくしがちだったが、次第に彼らはお互いに助け合う関係へと変わっていく。
以下、ロケ地など
香港の外国人家政婦
最近の記事が見つけられなかったが、2019年の上記記事によると香港で働く外国人家政婦は約40万人おり、香港の労働力の10%近くを占めており、一番多いのがフィリピン人女性だと書かれている。今後日本でも、外国人ヘルパーさんが増えていくことになるのだろかと思いながら観ていた。
数々の映画賞を受賞
第38回香港電影金像奨で主演男優賞、新人女優賞、新人監督賞の3部門に輝くなど、数多くの映画賞を受賞した名作。
ロケ地
バス停
香港(60 Hau Man St沿い)
Ho Man Tin Park(何文田公園)脇にある実在のバス停
家の近くの坂道
香港(Chung Hau St)
映画に度々登場する坂道。
リョン・チョンウィンの自宅
新民楼836号室
グーグルマップで確認すると、エブリンが撮影していた真四角の吹き抜けが確認できます。
シャンチー(中国将棋)のシーン
リョン・チョンウィンとファイが、シャンチー(中国将棋)をするシーン。
市場のシーン
エヴリンが、八百屋のオバサンにぼられるシーン。
団地の一角にある。
ひとことふたこと
淪落:おちぶれること 落ちぶれて身をもちくずすこと
不慮の事故で半身不随になったリョン・チョンウィン。妻と離婚し、愛する息子は海外の大学に留学中。家政婦を雇い、公営住宅でひとり暮らしをしていた。
彼が新たに雇った家政婦は、フィリピン人のエヴリン。離婚手続き中の若い女性だが、家の経済的問題で香港に出稼ぎに来ていた。夢だった写真家の道も諦め、チョンウィンの家に住み込みで働くことになる。
お互いが落ちぶれた状態で、希望が持てない日々を過ごしている。
働き始めた当初は、一緒に住んではいるが、あくまで”ご主人様と外国人家政婦”という関係。エヴリンはフィリピン仲間のアドバイスを受け、言葉がわからないふりをして、掃除も適当にこなしていた。
一緒に住むうちに、お互いの状況がわかり、相手を思いやるようになっていく。
夢を諦めた2人が、お互いの為に尽力することで、自分にも大きな幸せが訪れる…といった展開。
単なる夢物語ではなく、登場人物たちの心情が徐々に変化していく様子が素晴らしかった。
チョンウィンは、当初外国人家政婦を下に見ており「フィリピン人メイドに、どんな夢が見られるのか?」と言い、エヴリンは深く傷ついてしまう。
そんなチョンウィンも、彼女のためにカメラを購入し、留学手続きや、写真家としての仕事等、密かに後押ししていくようになる。
雇用主と外国人家政婦が、このような関係になることは滅多にないだろう。
けれども、落ちぶれた状況でも夢を持ち、家族やお世話になっている人を思いやり、前向きに生きて行けば、いつか大きな喜びにつながっていくと信じたい。
私の今のところの夢は、以前のように1ドル=90円代の円高になった状況で海外旅行へ行くことです!
ニューヨークに行きたいかーっ!? オー!