生き埋めになったアルベールを救った戦友エドゥアールは、その際、顔を負傷し
顔の下半分を失くしてしまう。
生き延びてパリに戻った二人だが、戦没者と違い、帰還兵には無関心な社会が
まっていた。エドゥアールは、富豪の御曹司だが、父親と折り合いが悪く
実家に戻りたくないと、戦死を偽装する。
帰還兵を冷遇する国に対し、二人は、ある詐欺を思いつく…。
以下ネタバレあり
彼が何故、追われるようになったかを語り始める。
1918年11月11日に休戦が成立する直前の西部戦線。
休戦を待ち望んでいた。
プラデル中尉は、偵察に出した味方の兵士を撃ち殺し、敵に攻撃されたと
部下たちを煽り、戦争を続けようとしていた。
アルベールが、プラデル中尉の企みに気づき、殺されそうになるが
逃げる途中、生き埋めになってしまう。
危機一髪、彼を助けたのは戦友のエドゥアール。
しかし、その瞬間、攻撃を受けたエドゥアールは顔に重傷を負う。
一命をとりとめたエドゥアールだが、顔の下半分を失い、絶望する。
(上の動画は、病院のシーンの撮影風景です。)
パリに帰還するも、アルベールは仕事も恋人も失い、
富豪の御曹司のエドゥアールは、父との折り合いが悪いこともあり
実家へは戻らず、アルベールと暮らすことを選び、戦死したと偽装する。
貧困生活の中、アルベールは、エドゥアールために、犯罪に手を染めてまで
鎮痛剤(モルヒネ)を用意し、彼に与えていた。
ある日、アルベールが帰宅すると、エドゥアールは自作の美しい仮面をつけ
彼に絵を披露する。
彼が描いた絵を使い、慰霊碑詐欺(パンフレットを作り、注文+集金したところで
モロッコに逃亡する)を計画する。
同じころ、プラデル中尉が戦没者の埋葬事業を立ち上げ、財を成し
あろうことかエドゥアールの姉と結婚していたことを知ったアルベール。
2人は、慰霊碑詐欺と同時に、復讐も果たすことを決める…。
原作は、ピエール・ルメートルの、ゴングール賞を受賞した同名小説。
ピエール・ルメートル自身も映画に出演しています。
脚本を担当した原作者ピエール・ルメトールのメイキング映像。
エドゥアール役のナウエル・ペレス・ビスカヤールのメイキング映像も。
壮絶な西部戦線での悲惨な戦争風景、
顔の傷に精神的にも肉体的にも苦しみながら生み出した美しいマスク
1920年代のパリの風景など、ストーリーよりも
ノスタルジックな映像美が記憶に残る作品でした。
もちろん物語も、伏線が張り巡らされ、ラストでの回収は見事です。
観終わった直後より、その後の余韻がすごい。