恋人の家族に初めて会う時は大変なもの。恋人ハーパーの実家に向かうアビーはプロポーズを計画していた。しかし当日、ハーパー自身がレズビアンであることや彼女たちの関係を家族に隠していると知る。想定外の事態で家族との初めての対面は、ますます大変なものに!さらに滞在中、アビーは彼女の家族や友人との交流を見て自分が思っていた人とは違うのではないかと疑問を持ち始める…。初めて会う家族に認めてもらいたい、自分に正直でありたい、そんな様々な思いを家族それぞれが抱えながらも、クリスマスに家族が集まってくる。
以下ネタバレあり
目次
- 監督の半自伝的作品
- LGBTQ+の俳優陣
- THE OXWOOD
- ロケ地 Candy Cane Lane
- ロケ地 Ross Park Mall
- ロケ地 Love's Travel Stop
- 映画「素晴らしき哉、人生!」
- ねたばれあらすじ
- 感想
監督の半自伝的作品
監督(兼脚本)のクレア・デュヴァルの実体験を基にした作品。
監督は、同性愛者を2016年にカミングアウトし、同性婚したことも公表している。
相手については公表していないが、モデル兼プロデューサーのClea DuVall(と公の場に出席している。(instagram左から2番目の女性)
上記動画に登場する脚本担当のメアリー・ホランドは、この作品が脚本デビュー作となる。
LGBTQ+の俳優陣
主役のアビー役のクリステン・スチュワート
ジョン役のダニエル・レヴィ
父テッド役のヴィクター・ガーバー
ライリー・ジョンソン役のオーブリー・プラザ など
LGBTQ+を公表している俳優陣が出演しています。
THE OXWOOD
映画に登場した、ゲイバー“THE OXWOOD”は、ロサンゼルスにあった、レズビアン・バー“The Oxwood Inn”から名づけられているという。
1972年に開店し、アメリカで最も長く営業されていたレズビアン・バーだったというが、45年後の2017年に惜しまれつつ閉店となった。
現在は、店は取り壊され、更地となり、新たに集合住宅が建築されているという。
グーグルマップのストリートビューでは、2017年6月までは店舗の画像が確認できる。
ロケ地 Candy Cane Lane
冒頭に登場するCandy Cane Laneは、ペンシルバニア州ピッツバーグにある実在する通りの名前。
映画撮影のため、クリスマスを過ぎた1月までイルミネーションをつけたままにしてもらったという。
ロケ地 Ross Park Mall
Ross Park Mall
アビーが、ハーパーの姉と双子の子供たちと買い物に行くシーンは、ピッツバーグにあるロス・パーク・モールで撮影されている。
ロケ地 Love's Travel Stop
Love's Travel Stop
ドライブインのコンビニのシーンは、ペンシルバニア州スリッパリーロックにあるドライブインでの撮影。
映画「素晴らしき哉、人生!」
It's a Wonderful Life(1946)
映画館で上演されているのは、ジェームズ・ステュアート主演のファンタジー作品「素晴らしき哉、人生!」。
アメリカでは、クリスマスといえば、この作品!
ねたばれあらすじ
同性カップル
アビー :Abby Holland 両親を亡くして以降、クリスマスが嫌いに。
ハーパー:Harper Caldwell クリスマスにアビーと実家で過ごしたいと誘う。
アビーは、クリスマスの朝にハーパーにプロポーズをしようと指輪を準備していた。
ハーパーは、以前帰省した際に、カミングアウトをしたと言っていたが、実家に到着する直前になり、実はカミングアウトが出来ておらず、両親の前では、単なるルームメイトとして振舞ってほしいと頼んでくる。
コールドウェル家
テッド :Ted Caldwell 父親 市長選立候補予定
ティッパー:Tipper Caldwell 母親 完璧主義
ジェーン :Jane Caldwell 妹 芸術家兼作家 少々変わり者
スローン :Sloane Caldwell 姉 既婚者・双子の母 ハーパーと仲が悪い
ハーパーの実家では、アビーは両親を亡くした孤児と勘違いされ、同情される。
ハーパーとは別の部屋に通され、一緒の部屋で過ごすことが出来なくなる。
元カレと元カノ
外食時、ハーパーの母は、気を利かせ高校時代の恋人テッドも招待していた。
テッドは、ハーパーに未練があるようだが、ハーパーにとってテッドはレズビアンを隠すためのボーイフレンドでしかなかった。
テッドについて聞かされていなかったアビーは、ショックを受ける。
その後、ハーパーの昔の恋人のライリーとも出会うが、ライリーとハーパーの間には溝があるようだった。
モールでの出来事
ハーパーは、父の市長選立候補の手伝いがあり、アビーは姉と双子の子供たちとともにクリスマスプレゼントを買いに、ショッピングモールへ。
姉スローンの双子に、知らない間に商品をカバンに入れられたことで、万引き犯として警備員に捕まってしまう。
コールドウェル家の人々は、アビーの訴えを信じず、万引き犯だと決めつけ、家族の社交行事には参加しないでほしいと言われてしまう。
ライリーとの交流
アビーは、街でハーパーの恋人だったライリーと再会する。
ハーパーとライリーは、学生時代に密かに交際していたが、ロッカーに入れたラブレターをハーパーの友人らに見つかり、ハーパーが「ライリーからしつこくされている。」とウソを言ったことでライリーの噂が広まり、二人は別れることになったと聞かされる。
クリスマスイブのパーティー
毎年恒例のコールドウェル家のクリスマス・イブのパーティー。
クリスマス・シーズンのため、タクシー代が高騰し、帰れないアビーは仕方なくパーティーに参加していると、そこにアビーを心配したゲイの友人ジョンが迎えに来てくれる。
帰ろうとするアビーに気づいたハーパーが、必死に引き留め、キスをしたところを姉スローンに見つかり、大喧嘩に発展。
パーティー会場に乱入しても喧嘩は続き、姉からハーパーはレズビアンだと責められたハーパーは、「アビーとはただの友達だ」と言ってしまう。
ショックを受けたアビーはジョンの車で立ち去る。
家族の思い
パーティーが台無しになり、ショックを受ける両親。
ハーパーは、レズビアンをカミングアウトをし、姉のスローンは、離婚を報告。
妹のジェーンは、ずっと両親に期待されず無視されてきたと伝える。
母ティッパーは、父テッドに実は空手を習いたかったと話し、お互い理想の家族を求めすぎていたと話す。
ジョンは、途中のドライブインで、アビーに様々な家族があり、アビーの両親のようにカミングアウトを受けれてくれる親もいれば、ジョンの父のようにカミングアウトを受け入れられず13年間口をきいていない親子もいると説明。
ハーパーは、カミングアウトをとても恐れているが、アビーへの愛には関係ないと言い、ジョンの連絡でハーパーがかけつけてくる。
クリスマスの朝
クリスマスの朝、アビーはハーパーと同じベッドで目を覚ます。
双子たちが、モールでアビーのバッグに商品を入れたことを謝り、誤解も解ける。
良い家族でいるというストレスから解放された家族は、皆幸せな表情をしていた。
父テッドは、選挙の後援者からハーパーの同性愛を隠すよう言われ、断ってしまう。
撮影をジョンに頼み、アビーも加わった9名で家族写真を撮る。
1年後
アビーとハーパーは婚約。
妹ジェーンは、「The Shadow Dreamers」というファンタジー小説を出版しベストセラー作家になる。
クリスマスイブには、皆で映画館に行き、映画「It's a Wonderful Life.」を鑑賞する。
~おわり~
感想
このうだるような暑さの7月にNetflixで公開されたクリスマス作品。
LGBTQ+作品として、観るのを楽しみにしていた。
アビーに同情し、ハーパーにイラっとしながら観ていたが、ジョンの語りで自分の単純さにハッとさせられた。偏見ある家族でのカミングアウトがどれだけ本人にとって恐ろしいものなのかと考えさせられた。
妹ジェーンの、“変わり者”“何も期待されない”という立場にもずっと同情していた。
最後に大出世をして、個人的には一番大喜びしていた。
本当におめでとう!そして、彼女の書いた作品、読んでみたかった。
既に続編が計画されているという。
どんなドタバタが起こるのか?楽しみに待っています。