エディ・マティスは、都会での暮らしを棄てロッキー山脈へ向かう。携帯電話も車も処分し、電気も水道も設備されていない山小屋で、世間と断絶した暮らしを始める。過酷な自然の中、瀕死の状態で倒れていたエディを、地元の猟師ミゲルが発見する。人との関わりを避けていたエディだったが、ミゲルと少しずつ親交を深めていく。
以下ネタバレ注意
- ロビン・ライト監督デビュー作
- イン・トゥー・ザ・ワイルド(2007)
- ロケ地 不動産業者
- ロケ地 ムース・マウンテン
- ロケ地 川のシーン
- ロケ地 レストラン
- ロケ地 病院
- あらすじ(ネタバレ注意)
- 感想
ロビン・ライト監督デビュー作
主人公エディを演じたロビン・ライトの初監督作品。
映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」の演技も素晴らしかったが、個人的には海外ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」で夢中になった。いまだにクレアの髪型を真似、ピクシーヘアーにしている。
Netflixで公開され、すぐに鑑賞した。
イン・トゥー・ザ・ワイルド(2007)
ショーン・ペン監督作品
第80回アカデミー賞で、助演男優賞と編集賞にノミネートされた名作。
ロビン・ライトは、この映画の製作・公開時に、ショーン・ペンと結婚していた。
この映画は、裕福な青年が大学進学ための資金を全額寄付し、名前(身分証)を捨て、放浪の旅に出るという内容。主人公は、最後にアラスカの自然の中で暮らしていく。
何となく、今回の作品と似た設定で、元夫の作品に影響されたのかな?と感じていた。
ロケ地 不動産業者
Uptown Bistro(閉業)
山小屋を契約するシーンで映る不動産業者のオフィス。
ロケ地 ムース・マウンテン
Moose Mountain
主人公エディの住む山小屋のシーンは、カナダのムース山での撮影。
2019年10月に撮影されている。
ロケ地 川のシーン
Elbow River
川のシーンは、ブラック・クリーク州立公園近辺のエルボー川での撮影。
ロケ地 レストラン
JD's Restaurant & Pizza
エディが、山を下りた後、食事をしたレストラン。
ロケ地 病院
Didsbury District Health Services
Alawaが働いている病院のシーン。
あらすじ(ネタバレ注意)
隠遁生活
夫と幼い子供を亡くしたエディは、1人きりになる場所を求め、人里離れた山小屋を購入。電話や車など、外の世界につながるものを捨て、孤独に生きようと決める。
過酷な環境
エディは、慣れない薪割りや魚釣りに苦労しながらも生活を続けていくが、ある日、クマに山小屋を襲われ、ストックしていた食べ物を食べられ、家の中も破壊されてしまう。食べるため、狩りに挑戦するが、上手くいかず、ライフルで自殺も考えるが、妹エマを思い出し、踏みとどまる。
瀕死のエディ
激しい吹雪の中、山小屋が壊れかけ、修繕をしようとしたエディは怪我をしてしまう。
食料も底をつき、風が吹きすさぶ山小屋で、倒れていたエディを、地元のハンターのミゲルが発見。友人の看護師と共に、エディの看病をする。
病院に行くという2人に、エディは頑なにここにいたいと訴え、ミゲルはエディが回復するまで世話をすることに。
ミゲルからの教え
徐々に回復してきたエディは、ミゲルに感謝しつつ、1人になるために山に来たと言い、距離を置こうとするが、ミゲルは、山で暮らすためのサバイバル・スキルを伝授すると申し出る。
狩りの方法や罠の仕掛け方、動物のさばき方等、教えていくうちに、友情が芽生えていく。
ミゲルを探しに
ミゲルは、しばらく仕事で遠くへ行くと言い、エディに愛犬を預けていく。
数ヶ月たっても、ミゲルが戻らないことを心配したエディは、初めて山を下りる。
徒歩で町に向かい、看護師のアラワの勤務先を探し出し、ミゲルについて尋ねる。
末期ガン
アラワに連れられ、ミゲルの家に行ったエディは、そこで初めてミゲルが末期ガンだったと知らされる。ミゲルは、妻と娘が亡くなったのは、自分の飲酒運転が原因だったと告白する。エディも、夫と息子がコンサートホールでの、銃撃事件で亡くなったことを初めて伝え、ミゲルに命を助けられ、心が癒されたことに感謝する。
ミゲルは、好きな音楽が入った自分の携帯電話をエディにプレゼントする。
ラスト
エディは、ミゲルの携帯電話で、久々に妹に電話をする。
~おわり~
感想
決して明るくはない作品だが、美しく壮大な自然の中で、癒されていく主人公を見つめることで、自分も癒されているような気持ちになっていった。
ミゲルは、エディを癒す存在のようで、実は自分もエディを助けることで、癒されていた。心に傷がある2人だから、より心が通じ合ったのだろう。
社会と断絶して生きていこうと決めたエディが、最後に妹に久々に電話をする。
想像を絶する不幸があったとしても、ひとりでも寄り添ってくれる人がいたら、きっと生きていける。