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ティーンスピリット Teen Spirit (2018)

ティーンスピリット [DVD]

イギリス南部ワイト島に住むポーランド出身の17歳のヴァイオレット。

幼い頃、父が家を出て以来、母マーラと貧乏な二人暮らし。

孤独なヴァイオレットの唯一の心の支えは、音楽だった。

ある日、パブのステージで歌っていたヴァイオレットに、バイト終わりに

ヴラドという男性が声をかけてきた。

クロアチア出身の元オペラ歌手のヴラドに、歌を褒められたヴァイオレットは

有名な公開オーディション番組『ティーンスピリット』が、ワイト島で開催される

事を知り、参加を決意する。

 

以下ネタバレあり

 

 

 

監督・脚本は、ドラマ「ハンドメイズ・テイル 侍女の物語」のニック役でも

有名なマックス・ミンゲラ。初監督作品。

父は、「イングリッシュ・ペイシェント」「コールド・マウンテン」の

アンソニー・ミンゲラ

この映画は、製作がはじまる約10年前に、マックス・ミンゲラがRobynの

「ダンシング・オン・マイ・オウン」を聴いた時に、閃いたとインタビューで

答えていた。

このロビンの歌+シンデレラストーリーを加えていったという。

 

しかし「Dancing On My Own」+オーディション番組というと、

最初に思い出すのは、Britain's Got Talentでサイモンが何も言わずに

ゴールデンブザーを押した名シーンを思い出してしまう。

 

 

歌は素晴らしいが、内容はベタな展開で、先が見越せてしまう。

アメリカン・アイドルのような公開オーディション番組で、

田舎に住む貧乏な少女があれよあれよと勝ち進み、スターになっていくというもの。

だが、シンデレラ・ストーリーは、やはり観ている側を幸せにさせてくれる。

 

思い切り怪しげな元オペラ歌手というおじさんが、彼女の才能に気づき

マネージャーとして50パーセント(のち、15パーセント)のマージンが

欲しいと近づいてい来ることだけが、冒頭から“要注意!”と観ている側を

ピリッとさせてくれる。

主人公のヴァイオレットは、最初に彼女の才能を見出したからなのか

彼を信頼しており、メンターとメンティーという関係として描かれる。

 

勝戦直前に、プレッシャー+刺激に惑わされ、二日酔いになってみたり

彼女を金の卵だと近づく業界関係者等、ありがちな落とし穴はあれど、

勝戦の歌で帳消しにしてくれる。

 

 

エル・ファニングは、幼少期から観ているので、母親目線でつい観てしまう。

映画デビューは、『アイ・アム・サム』(2001年)で、姉ダコタ・ファニング

演じるルーシー・ダイヤモンドの幼年時代の役で。

上記動画の、アメリカ版の「となりのトトロ」で、姉ダコタがさつき役、

エルがメイちゃん役で吹替していたのが懐かしい。

顔が全然変わっていない!

 

 

ストーリーはベタでも、歌はそれぞれ素晴らしい。

歌詞が映画の内容と重なり、歌にぐっと引き込まれていく。

 

個人的には、7.5/10。

若い女性におすすめします!