イギリス南部ワイト島に住むポーランド出身の17歳のヴァイオレット。
幼い頃、父が家を出て以来、母マーラと貧乏な二人暮らし。
孤独なヴァイオレットの唯一の心の支えは、音楽だった。
ある日、パブのステージで歌っていたヴァイオレットに、バイト終わりに
ヴラドという男性が声をかけてきた。
クロアチア出身の元オペラ歌手のヴラドに、歌を褒められたヴァイオレットは
有名な公開オーディション番組『ティーンスピリット』が、ワイト島で開催される
事を知り、参加を決意する。
以下ネタバレあり
監督・脚本は、ドラマ「ハンドメイズ・テイル 侍女の物語」のニック役でも
有名なマックス・ミンゲラ。初監督作品。
父は、「イングリッシュ・ペイシェント」「コールド・マウンテン」の
この映画は、製作がはじまる約10年前に、マックス・ミンゲラがRobynの
「ダンシング・オン・マイ・オウン」を聴いた時に、閃いたとインタビューで
答えていた。
このロビンの歌+シンデレラストーリーを加えていったという。
しかし「Dancing On My Own」+オーディション番組というと、
最初に思い出すのは、Britain's Got Talentでサイモンが何も言わずに
ゴールデンブザーを押した名シーンを思い出してしまう。
歌は素晴らしいが、内容はベタな展開で、先が見越せてしまう。
アメリカン・アイドルのような公開オーディション番組で、
田舎に住む貧乏な少女があれよあれよと勝ち進み、スターになっていくというもの。
だが、シンデレラ・ストーリーは、やはり観ている側を幸せにさせてくれる。
思い切り怪しげな元オペラ歌手というおじさんが、彼女の才能に気づき
マネージャーとして50パーセント(のち、15パーセント)のマージンが
欲しいと近づいてい来ることだけが、冒頭から“要注意!”と観ている側を
ピリッとさせてくれる。
主人公のヴァイオレットは、最初に彼女の才能を見出したからなのか
彼を信頼しており、メンターとメンティーという関係として描かれる。
決勝戦直前に、プレッシャー+刺激に惑わされ、二日酔いになってみたり
彼女を金の卵だと近づく業界関係者等、ありがちな落とし穴はあれど、
決勝戦の歌で帳消しにしてくれる。
エル・ファニングは、幼少期から観ているので、母親目線でつい観てしまう。
映画デビューは、『アイ・アム・サム』(2001年)で、姉ダコタ・ファニングが
演じるルーシー・ダイヤモンドの幼年時代の役で。
上記動画の、アメリカ版の「となりのトトロ」で、姉ダコタがさつき役、
エルがメイちゃん役で吹替していたのが懐かしい。
顔が全然変わっていない!
ストーリーはベタでも、歌はそれぞれ素晴らしい。
歌詞が映画の内容と重なり、歌にぐっと引き込まれていく。
個人的には、7.5/10。
若い女性におすすめします!