幼い2人の娘を連れ、夫の暴力から逃げ出したサンドラ。ホテルで仮住まいしながら働き、新生活を模索する彼女だが、住宅価格の高騰で家を買うこともできず、公営住宅は長い順番待ち。そんなある日、サンドラは娘の絵本にヒントを得て、自分で家を建てようと決意する。困難は多かったが、庭の一角を貸し出してくれた雇い主のペギー、偶然知り合った建築業者エイドらからの温かい助力を得て、サンドラは少しずつ家を作り上げていく。
以下ネタバレあり
【映画ロケーション】
アイルランド ダブリン・クロンターフでの撮影。
以下ネタバレあり
主人公:サンドラ
長女 :エマ
次女 :モリー
DV夫 :ガリー(ゲイリー)(建築業)
DV夫から逃れるため、準備をしていたサンドラ。
ある日、隠し持っていた逃走資金が夫に見つかり、酷い暴力を受けるが
娘が警察を呼び、離婚が成立する。
DV被害者として、ホテルの一室で借りぐらしが出来るようになるが
早く3人で住める家を見つけたいと考えていた。
公営住宅を申し込んでも何百人待ちの状態。
寝る前に娘が話した物語からヒントを得て、自分で家を作ろうと決める。
土地も資金もなく、途方に暮れるサンドラに
雇い主のペギーが、裏庭の土地と資金援助を申し出てくれ
家づくりがスタートする。
素人のサンドラは、工具店で知り合った建築業者のエイドの助けを借り
ボランティアを集い、苦労しながら家を建てていく。
その間、DV夫ガリーとの娘たちの親権争いも始まる。
娘を怪我させた事、次女を会わせないこと等、追求され追い詰められるサンドラ。
裁判にも付き添ったペギーが、サンドラを励まし、アドバイスをする。
結果、サンドラが今後も親権を持ち、子供達の意見も反映されることとなる。
家がほぼ完成し、ペギーの自宅でお祝いのパーティーをしていたが
その間に、新居に火がつけられ、全焼してしまう。
ショックで寝込んだサンドラが目を覚ますと、そこに義母が。
息子(ガリー)は、長く服役することになったと話す。
息子がDV夫になったのは、父親が母親を虐待する様子を見ていたからだと
話し、貴方は自由よと言い去っていく。
跡形もなくなった裏庭。
娘たちは、また新しい家をたてようと、灰の山を片付けていた。
サンドラは、娘たちに励まされ、スコップを持ち、片付けはじめる。
~おわり~
DV夫の父も、案の定、DV夫だった。
DV夫は、離婚しても元家族に異常に執着をする。
自分の所有物だと思いこんでいるという。
自分の思い通りにならなかったため、暴走した夫は、結果長期服役することに。
アイルランドが舞台の映画には、DV夫が出てくることが多い気がする。
主演のクレア・ダンは、友人が突然ホームレス状態になったことに衝撃を受け
この映画の製作を始めたと言う。(企画・脚本ともにクレア・ダン)
一次的に避難場所として提供されているホテルの職員は、フロントでの出入を
赦してくれない。DV被害の母子とわかっているはずだが、同情は無く
迷惑な客ぐらいに考えている。
ダブリンのバーの店主も、気遣いゼロで、サンドラをこき使う。
そんな苦しい状況の中に、あたたかい人々が登場し、ほっとさせてくれる。
こんな良い人達がいるなんて!と驚くほどの親切さ。
苦労して建てた家は一瞬で焼け落ちてしまったが、彼女は娘たちのために
立ち上がり、明るい未来が感じられるエンディングになる。
母は強し!
DVな男は全員、来世はゴキになれ。