西暦2027年、人類最後の子供が誕生してから18年がすぎていた。不妊原因が究明されないまま子孫を産むことの出来なくなり、希望を失った世界には、暴力があふれていた。世界各国が混沌とする中、英国政府は国境を封鎖し不法入国者の徹底した取締りで辛うじて治安を維持している。
ある日、エネルギー省の官僚セオは、別れた妻ジュリアン率いる反政府組織フィッシュに拉致される。彼女の目的は、ある移民の少女をヒューマン・プロジェクトという組織に引き渡すために必要なイギリスの通行証を手に入れることだった。最初は拒否したものの、ジュリアンに協力し、巻き込まれていく…。
〔ねたばれあり〕
表紙やオフィシャルサイトでも、ジュリアン・ムーアとクライヴ・ウォーエンが並んで映っているが、そのわりにジュリアン……。(-_-;)あれあれ?
この映画、結構ツッコミどころがあって、また監督さんの趣味なのか音楽や芸術なども楽しめて、違う意味で面白かった。トゥモロー・ワールドというタイトル、実は邦題だったのですね。CHILDREN OF MENの原題のままでよかったのでは?こちらのほうがぴったりな気がします。
楽しかったのがクライブ演じるセオのお兄様の大臣の家(またはオフィス)!!!テイト・モダンが使われています。
お兄様は、崩壊した国から芸術作品を救い、コレクションにしているようで、最初に足が壊れたミケランジェロのダビデ像が置かれていてびっくり。
この二つは誰もが知っている芸術作品だけれども、あの窓から見える豚は?!?
↑↑↑ピンク・フロイドのアルバム「アニマルズ」に登場する空飛ぶ豚さんでした…。その豚さんも後世に残したい大切な芸術作品として、お兄様の家で飛んでいるわけなのね!
ストーリーは、もうちょっと詳しい設定教えて!ということが多くて、なんとなくのまま進んでしまい、もやもやしていましたが、最後に皆が赤ちゃんの泣き声を聞き、ひざまずいたり、祈ったりするシーンで、この映画の伝えたいことが少し解った気がしました。
しかし、暗い!皆が死んでしまうのが嫌!
後半の銃撃戦のシーンは迫力ありました。我が家の29インチ画面で見ていても、何だか弾が飛び交っているような気がして、身をすくめました。
マイケル・ケイン、やっぱり凄い。変幻自在な爺様です。