1935年、米南部ミシシッピ州の貧しい家に生まれたエルヴィスは家族とともにメンフィスに引っ越したが、そこでアフリカ系市民たちの音楽に影響を受けつつ、プロ歌手としてデビューすることに成功。彼が確立に貢献したジャンル、ロックンロールの盛り上がりを受け、エルヴィスは下品という社会的批判を受けながら国民的歌手の座に到達。だがマネジャーのパーカー大佐との関係は良くなく、エルヴィスは心身ともに問題が続き……。
以下ネタバレ注意
「私のエルヴィス」
父がエルヴィスファンだったため、幼少期からエルヴィスの歌をよく聴いていた。
元妻のプリシラが書いたこの書籍を愛読しており、いまだに大切にしている。
映画には、この書籍から引用したシーンがいくつかあったように思えた。
エルヴィスも波瀾万丈な人生だったが、彼女もなかなか特殊。
映画では、彼女の着ていたファッションも再現されており、とても楽しめた。
2人の離婚手続き時に着ていた、パッチワークのようなコートを着ているシーンもあった。
映画では、エルヴィスが極端に太っていく様子は描かれていなかったが、上記記事での離婚の写真を見ると、清々しい表情のプリシラと病的にむくんでいるようにも見えるエルヴィスが対照的に見える。
リサ・マリー・プレスリー
2023年1月12日、エルヴィスの一人娘であるリサ・マリー・プレスリーが心臓発作のために亡くなられた。
父であるエルヴィスの死因は、処方薬の極端な誤用による不整脈と公表されていたが、その後、Dead Famous DNAという番組で、エルヴィスのDNAを調べたところ、片頭痛、緑内障、肥満を引き起こす遺伝子の変異のほか、心臓が厚くなって心筋が弱まる「肥大型心筋症」の変異を引き起こすDNAが発見されていた。
リサ・マリーさんが心臓発作で亡くなられたと知り、このことを思い出していた。
娘の名前を付けたエルヴィスのプライベート・ジェット“リサ・マリー号”は、現在、グレイスランドに置かれている。
グレイスランド
有名になったエルヴィスがグレイスランドを購入し、両親に紹介するシーンがあった。
エルヴィスが亡くなったのも、この家のバスルームだった。
現在は観光地になっており、一度行ってみたいのだが、一緒に行く人がいまだ見つからない。
2006年、エルヴィスファンの小泉首相が、ブッシュ大統領とグレイスランドを訪れていた。浮かれて歌いだす小泉さんに、皆失笑。
この時、元妻のプリシラさんと娘のリサ・マリーさんが出迎えていた。
Lansky Bros.
The Lansky Brothers clothing store
映画前半、エルヴィスがビール通りにある衣料品店を覗き、BBキングがいるのを目にするシーンがあったが、実際にあった店がモデルになっている。
当時は、ビール通り126番地にあったが、現在はユニオン・アヴェニューに移転している。
店があった場所は、現在Memphis Music Hall of Fameという地域の歴史博物館になっている。
映画「フォレスト・ガンプ」
パーカー大佐を演じたトム・ハンクスが出演した「フォレスト・ガンプ/一期一会」に、若きエルヴィスが登場する。
フォレストの腰の動きにヒントを得るというシーン。
映画の中で、フォレストは
”Some years later that handsome young man they called" The King" he sung too many songs and had himself a heart attack or something, must be hard being "The King"."
と語っていた。
ロケ地
ゴールドコースト
オーストラリアのゴールドコーストに、メンフィスのビール通りが再現されていた。
映画スタジオ
Village Roadshow Studios
アカデミー賞ノミネート
2023年3月12日に行われるアカデミー賞授賞式に、今作品は8部門でノミネートされている。果たして、何部門で授賞するかが楽しみ。
オースティン・バトラーの授賞はあるか！？こうご期待！
ひとことふたこと
元妻プリシラの本は何度となく読み返し、さらにエルヴィスの特集番組等は必ずチェックしているため、知っている話が多かったが、それでも若きエルヴィスを描いた作品にとても満足している。
上記にも書いたが、個人的には、プリシラの当時のファッションや髪型などを再現しているのを楽しんでいた。
映画のドイツでのキスシーンと、上記動画3:04～の髪型や軍服などを確認してほしい。プリシラの髪型や、エルヴィスの軍服などは、この有名な映像を参考にしていると思われる。
エルヴィスと出会った頃のプリシラは14歳！おいおい！
独特のアイメイク、ボリュームあるヘアスタイルは、エルヴィスの好みだったという。
プリシラの書籍でも、自分が憧れる仕事と、悪徳マネージャーのパーカー大佐が決めてくるお金優先の仕事のギャップにエルヴィスが悩む様子が幾度となく描かれている。何故、彼はパーカー大佐をクビに出来なかったのか？
印税のこと等も人任せだったエルヴィスは、パーカー大佐がギャンブル借金のためにプレスリーの楽曲の権利をRCAに売却したことも知らず、大損していくことになる。
エルヴィスが、パーカー大佐に振り回されながらも、伝説のスーパースターになっていく様子を切ない気持ちで観続けていた。
