映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

ロストガールズ LOST GIRLS (2020)

2010年、メアリー・ギルバートの娘シャナン・ギルバートが行方不明になる。
母メアリーはすぐに警察に通報するが、事務的な対応をする警察に業を煮やし、直接警察に乗りこんでいく。
メアリーの必死の嘆願に、ようやく捜査が始まるが、シャナンがコールガールだったことが発覚した途端に、捜査がまともに進まなくなる。
シャナンの失踪から半年が過ぎた頃、ロングアイランドでコールガール4人の白骨死体が偶然発見され、警察はようやく重い腰をあげる。

以下ネタバレあり

 

 

Lost Girls: An Unsolved American Mystery (English Edition)

原作は、米・ギルゴ・ビーチ連続殺人事件を描いた、Robert Kolkerのトゥルー・クライム作品「LOST GIRLS」(2013)。

 

ニューヨーク州ロングアイランドエリアで実際に起きた連続殺人事件を映画化した作品。
コミュニティサイトのCraigslistで仕事の広告を出していた女性達が主な被害者で、被害者は十数人にのぼる。
犯人は、いまだ見つかっていない。

 

映画のラストでも書かれていたが、被害者のシャナン・ギルバートの母親のメアリー・ギルバートは、その後、三女のサラに殺害されてしまう。
映画では数行でやんわりと書かれていたが、アメリカのニュースサイトを読むと、包丁で200回以上刺し、消火器で殴り、消火器の泡をふきかける…といったような残忍な内容で驚いてしまった。25年の実刑になったと思われる。 

 

ガブリエル・バーンが演じているので、リチャード・ドーマン氏は、良い人役か?と思いきや、煮え切れない男でガッカリしてしまった。
メアリーが指摘した、ピーター・ハケット宅の裏にある沼地の捜索は、彼が指示した…と思いたいが、実際はどうだったのだろう?

映画の中では、怪しい人物として
・医師のピーター・ハケット:ギルバート家に電話をしてきた人物
・ジョセフ・ブリューワー:クレイグスリストの広告を見てシャナンを自宅に招いた人物
・ジョー・スカリス:情報提供者
・マイケル:ドライバー(事情聴取されるが、犯人ではなさそう。)
等が登場したが、実際の事件では、元サフォーク郡警察署長のジェームズ・バークも容疑者として浮上していた。
映画では遠巻きに警察関係者が関与?とにおわせるシーンもあった。
個人的には、積極的に情報提供するジョー・スカリスが不気味で仕方なかった。

 

ドライバーのマイケルを演じていたのは、James Hiroyuki Lee。
ドラマ「アンフォゲッタブル 完全記憶捜査 」のジェイ・リー役が好きだった。
どうしても、ジェイ・リーの印象が強いため、彼は犯人じゃないだろう?と証拠もなく思い込んでいた。
(ちなみに彼の実母が日本人とのこと。)

初動捜査の遅れ、証拠になるはずのビデオの未提出(のち自動的に消去)は、何だったのだろう?一応、動いたが、圧力がかかったということか?
そもそも、若い女性の失踪は、決定的な証拠がない限り、真剣に捜査しないのかもしれない。
さらに、コールガールと知ってからは、職業差別もあり、事件に巻き込まれても仕方がないと思われているようだった。
映画を観ながらずっと、FBIの行動分析課に連絡!と本気で思っていた。
天才リード君ならば、ガルシアの情報収集ならば、何かわかったかもしれない。(ドラマだけど)

 

主演のエイミー・ライアンが素晴らしかった。
娘を必死に探す母親というだけでなく、皆を巻き込んでいくパワーをもった女性を演じており、観ている側の私も、巻き込まれていくのを実感した。

実話で、未解決のため、観終えてもスッキリできず、救われない現実を知りやるせなくなるので、元気な時に観てください。