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シャドウ・イン・クラウド Shadow in the Cloud (2022)

シャドウ・イン・クラウド(字幕版)

第二次世界大戦中の1943年8月、婦人補助空軍士官モード・ギャレットは、オークランドからサモアへ向かう大型戦略爆撃機B-17”フールズ・エランド号”に極秘任務のため、急遽乗り込むことに。女性ということだけで見下された態度を取られ、ボールターレット(球形状の経緯台式架台式銃塔)に押し込められてしまう。

以下ネタバレ注意

 

Private Snafu

冒頭のアニメは、第二次世界大戦中にアメリ陸軍省により製作された兵士向けの教育用アニメーション「プライベート・スナフ」を模したもの。
SNAFU=Situation normal: all fucked up.の略語。
第二次世界大戦中に海兵隊から生まれた軍事略語(俗語)で、「全てめちゃくちゃだが、いつも通りです。」というような意味。平常運転、といったところか。

 

WASP

映画でギャレッドが話していたように、当時女性空パイロットは、航空機をテストや、航空機の輸送、他のパイロットの訓練等行っていたが、あくまで公務員であり、軍事的地位は無かったという。1977年にようやく退役軍人資格が与えられた。
上記Wikipediaにも書かれているが、当時も映画同様、あからさまな差別を受けていた。

 

グレムリン

グレムリンというと映画「グレムリン」を思い出す人が多いと思うが、元々はイギリスの妖精の名前だった。
上記Wikipediaによると、”元々高い山の頂に暮らしていたグレムリンが、人類が高空飛行をするようになり、その飛行機械に興味を持ち、乗り移ったとされる。”と書かれている。
飛行機の原因不明の不具合や、飛行機の墜落事故などを、グレムリンの仕業と言っていたようだ。

ネタバレあらすじ

極秘任務
1943年8月、英国空軍士官のモード・ギャレットは、極秘任務のため、ニュージーランドオークランドからサモアまでの飛行任務を与えられた。
空軍基地に到着したギャレットは、アメリカのB-17爆撃機「フールズ・エランド」に乗り込む。しかし、クルーたちは女性であるギャレットを見下し、彼女の席は無いとボールターレットに押し込む。大切なカバンは、唯一彼女に友好的に接してくれたDorsal gunnerのウォルター・クエイド軍曹に託す。

グレムリン
離陸中、ギャレットは雲の中に敵機を発見し、フィンチも確認したが、パイロット達はギャレットを信用していなかった。
さらに、ギャレットは翼の下に生き物らしき何かがへばりついているのを確認するが、報告をしても、クルーたちからバカにされるだけだった。

日本軍
ギャレットは、ボールターレットから機内に戻ることを許可されるが、ハッチが故障し、ギャレットは内部に閉じ込められてしまう。
彼女は、グレムリンに攻撃され、撃退しようとし手に怪我をしてしまう。
さらに、通信使から「モード・ギャレットという人物は存在しない。」という報告を受け、立場が危うくなるが、突如現れた日本軍の軍機を撃墜したことで、クルー達から信頼を得ることになる。

告白
ギャレットは、自分がWASPで働いていた既婚女性で、書類に書かれていた名前は旧姓だと説明する。クルーらが彼女が持ってきたカバンの中身を確認すると、カバンの中に赤ちゃんが隠されていたことが判明する。
それは、彼女とクエイド軍曹の子供だった。
暴力夫から逃げるためにWASPに入ったギャレットは、クエイドと出会い、妊娠したが、彼には知らせず、密かに出産する。さらに、不倫の事実を知り、激怒した夫から逃げるために、偽装書類を作成し、B-17に乗り込んだと告白した。

日本軍+グレムリン
リーヴス大尉が、空軍基地に引き返そうとしたその時に、日本軍のゼロ戦が3機現れる。さらにグレムリンがB-17機内に乗り込み、クエイドを攻撃し、赤ちゃんを誘拐してしまう。
赤ちゃんの入ったカバンを持って機外に現れたグレムリンを見たギャレットは、グレムリンを追い払うため発砲。エンジンナセルにぶら下がっているカバンの中にいる赤ちゃんを救うために、危険を冒して機外を移動する。

着陸
カバンと共に機内に戻ったギャレットだが、日本軍とグレムリンの攻撃を受け、クルーたちは次々倒れていく。
グレムリンを追い払ったギャレットは、倒れた機長に代わり、B-17を操縦し、不時着に成功する。

ラスト
生き残ったクルー達とともに、機外に脱出したギャレットだったが、グレムリンが再び現れ、カバンを奪おうとするが、ギャレットはグレムリンの息の根を止め、赤ちゃんを取り戻す。
~おわり~

 

 

ひとこと

この映画を観て、女性空パイロットのことを知ることが出来て、勉強になった。ストーリーも面白く、ラストも気分爽快で観終えた。
同じ女性として、子供を守るために必死に戦う主人公のことを、全面的に応援していた。また、荒くれもの風だった男性クルー達が次々倒れていく中、戦い抜き、飛行機も不時着させ、最終的にグレムリンを倒す姿にアッパレ!
クロエ・グレース・モレッツにぴったりの役柄だった。
こんなに強いなら、暴力夫も倒せるのでは?

 

※ポストクレジット(音量に気を付けて)