映画とドラマとロケ地

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オマージュ 오마주 Hommage (2021)

オマージュ

WOWOWより抜粋

ヒット作に恵まれず、新作を撮るめどが立たない状態にある女性映画監督のジワンに、1960年代に活動した韓国の女性監督ホン・ジェウォンの映画「女判事」の欠落した音声を再生する仕事が舞い込む。ジワンは作業を進めるうち、フィルムの一部が失われていることに気付き、真相を探るべくホン監督の家族や関係者を訪ねる。そこで彼女は、女性が映画業界で活動することが今よりずっと困難だった時代について知っていくことになる。

以下、感想など

 

ロケ地

ホン・ジェウォン監督行きつけの喫茶店

브람스(ブラームス
映画「女判事」の監督、ホン・ジェウォンさんが行きつけだった喫茶店
三羽ガラスと呼ばれた仕事仲間とのたまり場だった。
上記Youtube動画は映画とは関係ないものですが、室内の雰囲気がよくわかります。

 

映画館

안녕아카데미(アカデミー劇場)
映画「女判事」のフィルムを求め訪れた古い映画館。

 

シン・スウォン監督

1967年生まれのシン・スウォン監督は、ソウル大学でドイツ語教育を学び、卒業後はソウルで中学校教師として10年間勤務する。(この期間に2冊の本を執筆。)
2010年に小説家になるため、韓国芸術総合大学に入学するが、映画制作に夢中になり、専攻を脚本家に変更し、映画監督を目指したという異色の経歴。
シン・スウォン監督が、韓国映画界第一世代である韓国初の女性監督のパク・ナムオクや 2番目の女性監督ホン・ウンウォン、また当時の映画界で活躍していた女性たちへの尊敬の念を込めて作りあげたことが観ている側からも感じられる。
女性に響く設定やセリフが多々あり、個人的に癒し作品だった。

 

ホン・ウンウォン監督

映画の中で主人公のジワンは、1960年代に活動した韓国の女性監督ホン・ジェウォンの「女判事」という作品上映のために奔走する。
この女性監督にはモデルがおり、韓国で二番目の女性映画監督ホン・ウンウォン(1922~1999)だ。実際に「女判事」という映画を作っている。
上記関連記事は、Wikipediaよりも詳細に監督に関する情報が書かれており、画像も多く、興味がある方にお勧めしたい。
上記記事によると、「女判事」と言う作品は、妻の社会的地位に対する夫の劣等感、義母と義姉からの圧力、法曹人の責任感を守るためのエリート女性の葛藤が描かれているという。

 

感想

主人公は、ヒット作に恵まれず、新作を撮るめどが立たない状態の女性映画監督のジワン。バイト感覚で受けた古い映画の音声復元の仕事で、韓国で二番目の女性監督だったホン・ジェウォンの足跡をたどっていく。
時折映し出される帽子をかぶった女性の影(ホン・ジェウォン監督)と共に、ジワンはホン・ジェウォン監督が活躍していた時代を旅し、ジワン自身も癒されていく。

オマージュ:敬意・尊敬(フランス語)
男社会の中で苦労しながら映画を作り上げていたホン・ジェウォン監督に敬意をこめ、ジワンは「女判事」を復元する。
どこか自信なさげだったジワンだったが、ラストでは映画界で生きていこうという表情に変わったように見える。

それにしても主人公を演じたイ・ジョンウンさん、どれだけ仕事をしているのだろうか?主役級も脇役も、映画もドラマでも、あらゆる作品に登場し、観ている側を安心させてくれる名女優。韓国映画界テレビ界で無くてはならないイ・ジョンウンさんが演じているということにも意味がある作品。
映画好きな妙齢の女性におすすめします。