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はちどり 벌새 House of Hummingbird (2018)

はちどり [Blu-ray]

WOWOW公式サイトよりあらすじ抜粋

1994年、ソウルの集合団地で家族とともに暮らす、14歳の少女ウニ。両親は小さな店を切り盛りするのに精一杯で、子どもたちのことに構う心の余裕がなく、兄は親たちの目を盗んでウニに時々暴力をふるい、姉は恋人と遊びほうける毎日。一方、ウニは学校にもなじめず、孤独を募らせていた。そんなある日、ウニの通う塾に新しい女性教師ヨンジがやって来る。自分の話に耳を傾けてくれる彼女に、ウニは次第に心開くようになり…。

 

※以下 ネタバレ注意

 

 

 

【映画ロケーション】

 

ウニの住んでいる団地:은마아파트(銀馬アパート ソウル江南区大峙洞

 

聖水大橋崩落事故

1994年10月21日 橋の中央部分(50m)が、突然崩壊。

通行中の乗用車やバスが巻き込まれ、死者32名重軽傷者17名の大事故に。

施工段階での手抜き工事が原因で、橋完成からわずか15年後の事故だった。

この事故が原因で、漢江の全ての橋が緊急点検されたという。

 

 

(ネタバレあらすじ)

 

舞 台:1994年 ソウル・大名洞

主人公:ウニ 中学2年生 14歳

    学校に馴染めず、唯一の友達は別の学校に。ジワンというBFがいる。

  父:餅屋の店主 浮気ぐせあり 長男をソウル大に入学させるのが夢

  母:夫と店を切り盛り 夫の浮気に悩む 子供に寄り添う余裕が無い

  兄:デフン 高校生

    親の期待がプレシャー 妹ウニへの暴力で憂さ晴らし

  姉:スヒ 問題児 BFと現実逃避するように遊びほうける。

 

孤独の日々

ウニは、学校で友人はおらず、放課後にBFのジワンと会ったり、別の学校へ通う

友人ジスクと会ってはいるが、ウニの孤独に気づく人はいない。

帰宅しても、仕事で忙しい両親は、子供の気持ちに寄り添う余裕はなく、

父の浮気が原因で、両親の仲は悪い。

ウニの兄は、受験のプレッシャーでウニに暴力をふるい、姉は家にいることを避け

るようにBFと遊びまくっていた。家の中でも、ウニを気遣う者は誰もいない。

 

新しい塾の教師

ウニが友人ジスクと通う漢文塾に新しい女性教師がやってきた。

タバコを吸い大学を休学中という教師のヨンジは、柔らかい雰囲気の大人の女性で

ウニの言葉に唯一、耳を傾けてくれる人物だった。

 

万引き

ウニは、ジスクとともに文具店で万引きをするが、店主に捕まってしまう。

店主から警察に連絡をすると言われ、ジスクはウニの両親の店の連絡先を伝え

てしまう。ジスクに裏切られたウニはショックを受け、絶交状態に。

ウニは1人で塾へ行き、教師のヨンジに万引きの話を聞いてもらう。

その後、ジスクと遊ばなくなったウニは、好意を寄せてくれる後輩と遊ぶように。

 

耳のしこり

ウニは、耳の裏に出来たしこりが気になり、母親に相談する。

母の兄が通っていた病院へ行くが、大きな病院でのしこり除去手術をすることに

なる。医師から手術の後遺症を聞いたウニの父は、突然泣き出してしまう。

 

兄からの暴力

漢文塾の教師ヨンジに、兄からの暴力について告白する。

兄に殴られることを両親へ伝えても、喧嘩はするなと話を終わらせられてしまう。

ヨンジは、ウニに殴られて黙っていてはいけないと、兄の暴力に立ち向かうよう

励ましてくれる。

 

しこり摘出手術

ウニは、入院前にジスクと会い、彼女から謝罪を受け、2人は和解する。

BFのジワンとは別れることに。

塾のヨンジには、本を貸すウニ。

入院中、後輩がおみまいに来てくれ、ウニを好きだと告白。

ウニは彼女にキスをする。(TVで金日成の死亡のニュース。=1994年7月8日)

 

退院後

漢文塾へ行き、ヨンジに会いに行くが、突然辞めたと言われ動揺する。

ヨンジのことを悪く言われ、塾の教師に言い返し、立ち去るウニ。

帰宅後、両親から塾を辞めたことを怒られ、そんな性格だから兄に殴られると

言われ、叫び出すウニ。

止めに入った兄は、父親の目の前でウニを殴り、父から怒られ、手術したばかりの

ウニの耳に痛みが走る。

病院で医師から、鼓膜が破れた原因について聞かれるが、黙ってしまうウニ。

ウニの様子から察した医師は、診断書が必要には言いなさいとウニへ伝える。

 

二学期

学校へ戻ると、後輩は急にウニを避けるようになっていた。

理由を聞くと、ウニを好きだったのは1学期のことだ、と言い、既にウニに

興味が無くなっていた。

ジスクにその話をするが、両親の離婚で悩むジスクは、後輩の話はしないでと

言い、「ウニは時々自分勝手」と言う。(でも、すぐに仲良く話し始める。)

 

聖水大橋崩落事故

1994年10月21日、登校したウニは、学校のテレビで聖水大橋崩落事故の

ニュースを見る。姉スヒが利用するバスが事故に巻き込まれたことを心配した

ウニは、学校の公衆電話から父に電話をし、すぐに姉に連絡してほしいと訴える。

 

食卓で

その晩の食卓、家族全員が席についていた。

スヒは、運良くバスに乗り遅れ、事故に巻き込まれずにすんでいた。

静かに食事をはじめるが、兄デフンが、スヒが無事だったことにホッとしたのか

突然泣き始める。

家族全員から心配され、兄が涙する姿を見たスヒは、何かを感じた表情になり

翌朝は、ウニが起きる前に登校していく。

 

教師ヨンジからの贈り物

学校帰り、元カレから声をかけられるが、きっぱりと決別するウニ。

帰宅後、ウニ宛てにヨンジからの荷物が届く。

ヨンジに貸していた本と一緒に、マンガ用のスケッチブックが同封されていた。

翌日、お礼を兼ねて、住所を頼りにヨンジに会いにいくことに。

ヨンジの母から、彼女が橋の事故に巻き込まれ亡くなったことを知らされる。

 

聖水大橋へ

兄の運転で、兄姉とウニの3人で早朝に聖水大橋を観に行く。

その後、ヨンジからの手紙を読んだウニ。

“世界は不思議で美しい”というヨンジの言葉をかみしめながら、

ウニは、修学旅行(キョンジュ行き)の出発前、クラスメイトらの楽し気な姿を

不思議そうに、でも少し楽し気に眺めていた。

~おわり~

 

 

 

キム・ボラ監督が、実体験を基に脚本を書き始めた作品。

1994年を描くため、ウニの住む団地のインテリア等、私物を運び入れ

こだわって作られているという。

 

 

撮影に使われた은마아파트(銀馬アパート)を、私は“団地”と表現したが

実際は、教育熱心な地域にある高級アパートだという。

姉のスヒが、わざわざ遠い学校を選んだと親が文句を言うシーンがあるが、

教育熱心な親は、あのアパートがある江南区の高校へ入れたいと思って

引っ越ししてくることもあるようだ。(学区制とのこと)

あの両親も一応は教育熱心な親で、子供に興味がないわけではなかったようだが

韓国での“長男”は、日本以上に特別なもので、完全に扱いが違っていた。

 

 

釜山国際映画祭を皮切りに、世界各国の映画祭で上映され、50を超える

映画賞を授賞した名作。

大人にも同じ年代の少女にも観てもらいたい作品。