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アウトフィット The Outfit (2022)

OUTFIT (2022) (BLU-RAY/DIGITAL)

Netflixより抜粋
1950年代のシカゴ。仕立店を拠点にマフィア組織内の争いが展開。店主のイギリス人裁断師は、はからずとも危険な状況に巻き込まれていく。

以下ネタバレ注意

 

Huntsmanでの訓練

主人公の裁断師レオナルド・バーリングを演じたマーク・ライアンスは、映画「キングスマン」で有名なハンツマンで、紳士服の仕立ての技術を訓練したと言われている。

 

 

先にひとこと

前情報無くNetflixで視聴。シチュエーション・スリラーで、主演はMark Rylance。
ラストはきっと…と予想は出来るが、とても楽しめた。
予想はしつつ、シーン毎のドキドキハラハラを楽しんでください。

 

 

ネタバレあらすじ

英国人の裁断師
1956年のシカゴ。
レオナルド・バーリングは英国人の裁断師で、アイルランド系マフィアのボス、ロイ・ボイルが支配する地域で仕立て屋を経営していた。
ロイの息子のリッチーとフランシスは、レオナルドの店を資金洗浄のために利用していた。レオナルドは、ボイル・ファミリーのメンバーがお得意様であるため黙認。
レオナルドは、店の受付係のマーブルがリッチーと付き合っていることを心配している様子。

リッチーが撃たれる
ある夜、敵対するラ・フォンティーヌ(ファミリー)との抗争中、フランシスが腹部を撃たれたリッチーを連れ、レオナルドの店に現れる。
レオナルドは、フランシスに銃を突き付けられ、リッチーの腹部を縫わされる。
さらに、アル・カポネが設立した全米のシンジケート「アウトフィット」に関する情報が録音されているテープが入ったブリーフケースを隠すよう命じられる。
フランシスは、ボスのロイと連絡を取り、リッチーを店に残し、外出。
リッチーは、自分の組織にネズミ(裏切り者)がいると信じ、録音されたテープにその証拠があると信じていた。レオナルドは、リッチーにフランシスがネズミではないかと話す。

リッチー殺害
フランシスが店に戻ると、フランシスを疑いだしたリッチーは、彼と言い争いになり、フランシスがリッチーを殺害。レオナルドに死体を隠す手伝いをさせる。
すぐにロイが部下と共に店に現れるが、フランシスは「リッチーは、1人で店を出た。」と嘘をつき、レオナルドも口裏を合わせる。フランシスは、1人でリッチーを探すと店を出る。

マーブルが捕まる
ロイは、店の中でリッチーのコートを見つけ、レオナルドが嘘をついていると詰め寄る。しかし、フランシスがマーブル連れて現れ、リッチーの血痕がマーブルのアパートにあったと嘘をつき、彼女がネズミでは?と訴える。
ロイは、マーブルを拷問するよう命じるが、レオナルドは彼女を救うため、自分の過去について嘘をついていたと、ロイに語りだす。
イギリスにあった彼の店が家事になり、2階にいた妻と娘を家事で失ったことを話す。
そして、店の電話が鳴り、レオナルドはリッチーからの電話だとロイに嘘をつく。
フランシスは店に残り、ロイは部下と2人でロイに会うため店を出る。

フランシスを説得
レオナルドは、店に残ったフランシスに「ボスであるロイを裏切れば、君が新たなマフィアのボスになれる。」と説得しはじめる。
そして、マーブルがラフォンテーヌとFBIに情報を流していたネズミだと説明し、ロイをラフォンテーヌに殺させるために、電話をかけさせてほしいと訴える。さらに証拠のテープは自分が保管していたと、仕立てたスーツの中から取り出す。
マーブルは、ボスのヴァイオレット・ラフォンテーヌに電話をし、ロイの居場所を伝え、テープを売ると話す。

フランシス殺害
マーブルの電話を受け、ヴァイオレット・ラフォンテーヌが部下を2人連れて店に現れる。ラフォンテーヌは、ロイを殺害したと話す。
フランシスは、ラフォンテーヌを殺害しようと店の奥に隠れていたが、レオナルドがジェスチャーで敵がいると警告し、フランシスは彼女の部下2人に撃たれ、倒れる。
ヴァイオレットはテープを受け取り、大金が入ったスーツケースを置いて立ち去る。

レオナルドの計画
全てはレオナルドの計画だったと判明する。
レオナルドは、ザ・アウトフィットからの偽メッセージを仕込み、ボイル・ファミリーを騙し、FBIの録音機をマーブルが店に設置したことを黙認していた。
さらに、ヴァイオレット・ラフォンテーヌに渡したテープは、偽テープだと説明。
実際の録音機はまだ店にあり、今までの会話を全て録音していた。
マーブルにテープを渡し、FBIにテープを渡したあとは、ラフォンテーヌから受け取ったお金で夢を叶えて欲しいと話す。

ラスト(ネタバレ
レオナルドは、ガソリンのような液体を店内に流し、店に火をつける。
しかし、射殺されたはずのフランシスが息を吹き返し、レオナルドにナイフを向け、殺そうとしてきた。
レオナルドは袖をまくり、両腕にあるタトゥを見せながら真実を語りだす。
レオナルドは、元々ギャングの殺し屋だったが、納得いかない殺人を命じられ、身を隠し、裁断師としての人生をやり直していた。妻と出会い娘も生まれるが、ギャングに見つかり、店を焼かれ、妻と娘が殺されてしまう。暴力から逃れるためにシカゴに来たが、最初の客がシカゴ・マフィアだった。
フランシスはナイフで襲おうとするが、レオナルドは布ばさみでフランシスの首を刺す。
レオナルドは、コートを羽織り、燃えさかる店をあとにする。
~おわり~

 

 

ねたばれ感想

彼の正体が判明してから、冒頭から何となく観てきたことが全て腑に落ちていく。
彼が何故、マフィアに協力することになったのか。
何故、マフィアらの前でも落ち着いていられたのか。
それは、英国紳士だからでも年の功でもなく、才能ある殺し屋という過去から。
いざとなれば、簡単に殺すことが出来るという余裕なのだろう。
裁断師は、綿密に計画をたて、相討ちさせるよう仕向けていく。

彼が上品にスーツを着こなしているのは、裁断師という仕事柄もあるが、自分の過去を消すためでもあった。野蛮な人間ではないと。

前半はハラハラしながらも語りが多く、テンポがゆったりめでもやっとするが、後半はラストに向かって畳みかける展開になっていき、目が離せなくなる。
Sir Mark Rylanceの名演技をご堪能下さい。