映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

Fair Play フェアプレー (2023)

Netflixより抜粋
恋人同士で婚約したばかりのエミリーとルーク。競争の過酷なヘッジファンドで働く二人のもとに昇進の話が持ち上がり、それまでの2人の関係に不穏な空気が漂い始める。

以下ネタバレ注意

 

ロケ地

セルビアベオグラード
NYの設定だが、撮影はベオグラードで。(上記、インタビュー記事より。)

リリー!

この映画で個人的に一番盛り上がったのが、主人公エミリーの母親役が、ハリーポッターシリーズでハリーの母リリーを演じたジェラルディン・ソマーヴィルだったこと。
「あ、リリー!」⇒ 今でもリリーを? ⇒ Always ⇒ 涙… という脳内変換。
スタジオツアーまた行かねばとさえ頭をよぎっていました。

 

器の小さい男

この映画の感想はこの一言に尽きる。
※以下ネタバレ注意
一番の味方であるはずの婚約者の男性が、恋人の昇進を心の底では喜べず、また自分の能力の無さも受け入れられず、もがいたのちに足を引っ張るというお話
主人公のエミリーは、ルークが社内で評価されていないことを知りながらも、彼を支えていこうとするが、病んでいく彼を止めることが出来ずにいた。自分だけ昇進したことを申し訳なく思う気持ちもあり、止められなかったのだろう。
会社のトップは(嫌な奴だが)2人の能力の差を最初から見抜いており、熱意を伝えようと必死なルークを一刀両断する。
観ている側としては当初ルークに同情するが、ラストで彼の器の小ささを再確認させられ呆れることになる。彼は家族に、エミリーと一緒にPMに昇進したと嘘をついていた。会社で逆上しクビになった状況で、まだ見栄を張っていた。さらに、彼女の頭を押さえつけてレイプをし、翌日は何事もなかったようにエミリーの前に別れを告げに現れる。まさに「てめえ、どの面下げてここに来た!?」という状況。
そこで、あのラストになる。もっと、ぼこぼこにしたって良かったぐらいだ。

 

ねたばれあらすじ

秘密の関係
彼女:エミリー・マイヤーズ (アナリスト)
彼氏:ルーク・エドマンズ (アナリスト)
職場:マンハッタンにあるヘッジファンド(ワン・クレスト・キャピタル)
2人は社内恋愛しているが、会社では秘密にしている。
ルークは、兄の結婚式でエミリーにプロポーズする。

エミリーの昇進
PM(ポートフォリオ・マネージャー)の1人が解雇され、エミリーはルークが後任だという噂を聞きつけ、2人でお祝いをする。
しかし、エミリーはCEOのキャンベルから深夜に呼び出され、昇進を告げられる。
エミリーがルークに伝えると、ルークは彼女の昇進を喜び、受け入れてくれた。

ルークのあがき
PMとしての仕事に慣れてきたエミリーと反対に、ルークは自分が昇進できなかったことを受け入れられず、自己啓発に夢中になっていく。
エミリーは、上級幹部のポールから、CEOのキャンベルはルークを無能と考え、会社から追い出そうとしていることを聞かされる。また、彼がコネ入社だったことも判明。
エミリーは、何とかルークを擁護しようとするが、ルークの取引で2500万ドルの損失が出たことを逆に責められる。

エミリーの成功
ルークは、自分の失敗を帳消しにしようと、倒産の噂がある会社の内部情報をエミリーに伝えるが、違法の可能性があると懸念したエミリーは、CEOのキャンベルに別の会社の空売りを勧め、大成功を収める。
高額な報酬を得たエミリーは、ルークとお祝いしようと考えるが、ルークはエミリーの成功を受け入れられず、エミリーは同僚男性らとストリップクラブへ行く。
帰宅後、ルークはエミリーを責め、喧嘩になる。

新たなPMの椅子
翌日、また1人PMが解雇され、ルークは昇進のチャンスを狙い、エミリーにCEOに自分を推薦して欲しいと訴えるが、エミリーはルークの昇進は無いとほのめかす。
ルークは、独断でCEOの部屋へ行き、ひざまずいて忠誠を誓うが、既にCEOが新しいPMを採用していたことを知らされる。
その夜、ルークは自分が昇進出来ないことをエミリーが原因だと責める、さらにエミリーからCEOがルークの解雇を考えていると知らされ激怒する。

ルークのご乱心
翌日、会議室でエミリーは、CEOのキャンベルと上級幹部のポールと共に海外の投資家に売り込みをしていた。
そこに酔っぱらったルークが乱入、キャンベルを非難し、昇進したエミリーと肉体関係があったと暴露し、会社をクビになる。

婚約パーティー
ルークと連絡が取れないまま、エミリーは母親が開いた婚約パーティーの会場へ向かう。そこには、何事もなかったようなルークの姿が。
さらに、ルークは家族に自分もエミリーと一緒にPMに昇進したと嘘をついていることが判明。さらに、エミリーが昇進のために性的関係を持ったと言い出す。
激怒したエミリーは、ルークに瓶を叩きつけ、トイレにかけこむ。
ルークは、嫌がるエミリーを抑え込んでレイプをし、エミリーの顔を洗面台に打ち付けた。

ラスト(ネタバレ)
エミリーは自分を守るため、CEOにルークは自分のストーカーで、付き合っていないと説明する。
エミリーが帰宅すると、部屋にルークがおり、荷物をまとめ兄と一緒に住むと言い、新たな仕事に関しても淡々と語り始める。
エミリーは、そんなルークの態度に激高し、体中の痣を見せレイプへの謝罪を要求。包丁でルークを切りつけると、ルークは泣きながらエミリーに許しを請い、自分の非をようやく認める。
エミリーの手から包丁が落ち、エミリーはルークを見下ろし、笑う。
~おわり~

 

ひとこと

エミリーがナイフを手に持った一番の理由は、新しい仕事の話を自慢げにしてきたことだろう。
「サンフランシスコでテオ(兄)の上司に会うんだ。企業資金を出してくれるかも。起業できるなら下積みなんて意味無い。彼のパートナーも出資してくれるかも。」
最後の最後までマウントを取ろうとする小物である。
自分の無能さを認めず、彼女へ謝罪する気持ちもない。
エミリーに切りつけられ、ようやく自分のしでかしたことを認め、謝罪する。

スパッと暗転して終わるところが面白かった。