結婚して40年になる専業主婦ブリット=マリーは、出張の多く仕事が忙しい夫の
ため、主婦業に専念し、家を磨き、美味しい料理を作り続けていた。
ある日、偶然に夫の不倫を知った彼女は、へそくりを持って家を出て行くが
63歳という年齢と、仕事の経験が無いために、まともな仕事は見つからなかった。
唯一紹介されたのは、田舎町でのユースセンターの管理人+サッカーチームの
コーチ、という仕事だった。
以下ネタバレあり
原作は、フレドリック・バックマンの小説「ブリット=マリーはここにいた」。
撮影は、スエーデンのLödöseという小さな街で。
掃除も整理整頓も完璧、専業主婦の鏡のような主婦ブリット=マリー。
サッカーの試合に夢中になっている夫を横目に
『人生で何かを蹴りたいと思ったことがない』とつぶやき、
重曹を使って掃除をしながら、重曹のほうがサッカーより世界で起こる問題を
解決してくれると信じていた。
夫の突然の入院で、偶然に夫の愛人と鉢合わせをしたブリット=マリーは
今までの自分の人生は何だったのか?とショックを受け
へそくりを握りしめ、スーツケース1つで家を飛び出してしまう。
60代の彼女は、職業紹介所へ行っても、紹介出来る仕事はないときっぱりと
言われてしまうが、小さな街にあるレクリエーションセンターの管理人
兼、小学生のサッカーチームのコーチの職を何とか得ることが出来た。
サッカーの経験など無さそうな60歳を超えた新人コーチのブリット=マリーを
見て、街の人々は呆然としながらも、出来ることからコツコツと続けていく
彼女を温かく見守っていく。
保安官とのほのかな恋、ブリット=マリーと復縁を願う夫との会話、
サッカーチームの少女に語る少女時代の思い出等、
笑顔無く黙々と家事をこなしていた彼女の内面が次第にわかっていき
彼女の表情も変化していく。
私も、ブリット=マリーのように、“私はここにいた”と誰かに伝えたくて
ブログを続けているのかもしれない。