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マジック・ロード 空飛ぶ仔馬と天空の花嫁 Конёк-Горбунок (2021)

マジック・ロード 空飛ぶ仔馬と天空の花嫁(字幕版)

WOWOWよりあらすじ抜粋

お人好しの青年イワンは、沼で溺れそうになっていた光る馬を見つけ、馬が畑を荒らしていたにもかかわらず助けてやる。翌朝、彼が目覚めると、言葉をしゃべるポニーがいた。昨夜の光る馬がイワンのために遣わせたのだ。ポニーは見た目こそさえないが、一瞬にして千里を駆ける駿馬だった。そんなある日、ポニーとともに城下町へやって来たイワンはうっかり王様に恥をかかせてしまい、無理難題を命じられることになってしまう。

以下に続く

 

原作「せむしの仔馬」

イワンとふしぎなこうま (岩波少年文庫)

ロシアの詩人、ピョートル・エルショーフが書いた童話が原作。
ロシアの昔話である「金色の馬」「火の鳥」「イワンの馬鹿」などが盛り込まれた作品で、作者がサンクトペテルブルク大学在学中に書いた作品だという。
ロシアでは、100回以上再販され、露チュメニ州の文化遺産になっている。

 

バレエ化やアニメ化も

ロシアでは、何度もバレエ化、アニメ化されている有名な作品。
映画化も1941年の作品に続き、この作品は3作目になる。


チュメニ州イシムでのプレミア

原作者のピョートル・エルショーフの生誕地である露チュメニ州イシムでは、プレミア上映会が開催されたという。

 

大規模なセットでの撮影

この映画は、サンクトペテルブルクにある7,000 m² 超の大規模なセットで撮影され、サッカー場サイズの 3 つのセットで構成されていたという。上記動画では、撮影の裏側が見られて面白かった。

参考記事:撮影風景の画像なども紹介されています。(ロシア語)

 

仔馬(ポニー)役

仔馬の声は、俳優Pavel Derevyankoが担当。モーションキャプチャーでも演じている。
確かによく似ている。

 

感想

昔から有名なロシア童話で、子供のころ本で読んだ記憶がある。
imdbでのレビュー評価や日本の映画関連サイトを見たが、5~6/10程度の平均的な評価が多かった。個人的には「シュレック」のロバを思い出しつつ、意外と楽しめる作品で、もっと高い評価でも良いのでは?と感じた。

映画の制作秘話が紹介されたサイトを読み、衣装や小物にこだわって作られたと書かれており、一度見終わった後、改めて衣装(刺繍)や王冠など細かいところも楽しんで見直してみた。

ウクライナ情勢が毎日ニュースになる今、ロシアが舞台の映画として社会風刺に感じられるようなシーンもいくつかあった。
王様がイワンに「火の鳥を捕まえてこい」という無謀な命令をしたことを知った仔馬(ポニー)の一言。

「いいか、“王様の任務”は、“バカの使い”だ。」
「多くの戦士が、火の鳥を捕まえようとして全員命を落とした。」
今のロシアの王様のようなあの人が、国民に“バカの使い”をさせているようにしか見えない。
次の新しいロシアの大統領には、ぜひイワンのような人物を。