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パーフェクト・ノーマル・ファミリー En helt almindelig familie (2020)

映画チラシ『パーフェクト・ノーマル・ファミリー』+おまけ最新映画チラシ1枚 

エマは、デンマークの郊外に住むサッカー好きの11歳の少女。両親と3歳年上の姉カロリーネとの4人家族。ある日突然、両親から離婚すると聞かされ、さらに父から女性として生きていきたいとカミングアウトされてしまう。姉は冷静に受け入れていくが、エマは納得いかないまま、苛立ちが募っていく。

以下ネタバレ注意

 

監督の半自伝的作品

マルー・ライマン監督は、映画と同じように11歳の頃、父親が女性になったという。
実体験を基に作られた作品で、主人公エマの心の動きが丁寧に描かれた作品。

 

映画「MISS OSAKA/ミス・オオサカ」

トランスジェンダーの父親を演じたミケル・ボー・フォルスゴーは、デンマークノルウェー・日本合作の映画「ミス・オオサカ」にも出演している。
(主人公のデンマーク人女性のイネスの恋人ルーカス役。)

 

ロケ地 マヨルカ島

スペイン・マヨルカ島
女性になった父“アウネーテ”と姉とバカンスにいった島。
実際に、マヨルカ島で撮影されている。

 

感想

情報無しに、まだ観ていない映画として、WOWOWで録画し鑑賞した。
素敵なファミリーに何が起こるのか?と思いながら観ていると、父親のいきなりのカミングアウトに主人公のエマとともに驚いてしまった。

姉のカロリーネは、何となく察知をしていたのか、もしくは以前から聞かされていたのか、すんなり状況を受け入れており、エマの動揺だけが際立ってみえていたが、普通はもっと大騒ぎになる気がする。エマは姉に憧れているようで、その姉に注意され、納得できないままもしぶしぶ受け入れていた。

父親だったアウネーテは、堂々と周囲にもカミングアウトしていくが、エマの友達は、陰で“気持ち悪い”と口にし、それを聞いたエマがお酒をがぶ飲み!急性アルコール中毒で倒れ、心配する父親に「パパなんか死んじゃえ」と言ってしまう。

LGBT先進国である北欧(デンマーク)であれば就職口はありそうだが、娘の苦しみを目の当たりにしたのが理由なのか、アウネーテはロンドンに引っ越すことを決める。
姉のアウネーテは、捨てられたと言ってショックで見送りに来なかったが、エマは出発の日、アウネーテに行かないでと訴える。

だが、ラストでアウネーテと子供たちのロンドンでの楽しそうな様子が映し出される。
普通の家族、普通の幸せとは?と考えさせられる作品。
父親が女性になったとしても、親子の愛も絆も変わらない。