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映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

ブルージェイ Blue Jay (2016)

Blue Jay [DVD] [Import]

Netflixより抜粋
高校の時付き合っていた2人が、地元の町で思いがけず再会する。今や大人として別の人生を歩むが、お互いに他の人にない相性の良さと、心残りを感じ始める。

以下ネタバレ注意

 

ロケ地

再会したスーパーマーケット

Goodwin & Sons Market
ジムとアマンダが再会したスーパーマーケット。

 

町を歩くシーン

カリフォルニア・クレストライン近辺
スーパーで再会した2人が、カフェでお茶をした後、馴染みの酒店でビールを買い、道を歩くシーン。

 

ほぼ即興

PASTE Magazine
Making Blue Jay: A Conversation with Mark Duplass and Alex Lehmann

映画の脚本の代わりに10ページほどのアウトラインが書かれたものが用意され、大部分が即興での演技だったという。
久々に再会した2人が、探り合うように会話をするシーンが、少しぎくしゃくしているのは即興だったからかもしれない。しかし、とてもリアリティがあるようにも感じられた。

 

ネタバレあらすじ

再会
母親を亡くしたジム・ヘンダーソンは、実家の改築・売却のため、故郷のカリフォルニアへ戻っていた。スーパーで買い物中、高校時代の恋人アマンダに再会する。
アマンダは、妊娠した妹のために、久々に地元に戻っており、妹に頼まれて買い物に来ていた。軽く挨拶した後、別れるが、駐車場で再会し、コーヒーを飲みに行くことに。

カフェ
ジムとアマンダは、それぞれの近況を語っていく。アマンダは、連れ子がいる男性と結婚し、2人の男の子の継母になっていた。ジムは、叔父に誘われるまま、建築関係の会社で働いていた。
カフェを出た後、二人でよく行った酒屋に入り、店主が2人を覚えているかどうか賭けをする。


2人を覚えていた酒屋の店主から奢ってもらったビールとジェリービーンズを持ち、湖畔で語り合う。ジムは、実は叔父と揉めて会社を辞め、今は無職だと打ち明ける。アマンダの人生と比べ、自分の人生を悔やみ涙する。

ジムの実家
ジムの実家に行った2人は、懐かしい思い出の品を見つけてノスタルジックに。
ジムの部屋には、当時来ていた服がそのままかけられていた。
アマンダは、自分宛ての封されたままの手紙を見つけ、ポケットに隠してしまう。
当時録音した、中年夫婦になった時の生活を想像しながら会話したテープを聴いた後、
結婚20周年を祝う夫婦という設定で2人は遊び始める。

過去の中絶
その夜、アマンダはジムに秘密を打ち明ける。抗うつ薬を服用しており、もう何年も泣いたことが無いと告白する。
その後、2人は寝室でキスをし、愛し合おうとするが、アマンダは我に返り、突然立ち上がる。自分が既婚者であること、そして、自分たちが別れた原因が高校時代の中絶だったことを再確認する。
アマンダが、ジャケットを着ようと掴んだ瞬間に、ポケットから手紙が落ち、勝手に自分の手紙を持ち出そうとしたことにジムが激怒する。


ラスト
ジムは、アマンダが黙って中絶したことがとてもショックだったと訴える。アマンダは、悩みに悩んで中絶を選んだと話す。妊娠したアマンダにジムがしたことは、“早く良くなれ”と書かれた風船と皮肉交じりの手紙のみ。アマンダは、ジムはまだ子供なのだと実感し、中絶を決断していた。
ジムは、アマンダが持ち帰ろうとした手紙を読んで欲しいと渡し、”2人ならきっと乗り越えられる。一生愛している。”と書かれた手紙が、本当は妊娠が判明した後、最初に書いた手紙だと話す。
アマンダは、「何故渡してくれなかったの?」と泣き始め、自分が久々に涙を流していることに気づき、笑顔になる。
2人は、お互いため息をつき、幕が下りる。
~おわり~

ひとこと

Netflixのおすすめ作品に表示され、鑑賞。
白黒映画で、登場人物はほぼ2人。かつての恋人同士が再会し、良い雰囲気になるが、お互い何かを抱えている様子。

ジムが未婚なのも、アマンダが連れ子がいる男性と結婚したことも、高校時代の出来事が影響しているのだろうか。

女性なので、ジムが「怖かった」を理由に泣き崩れるシーンは、正直「言い訳にはなっていない」とムッとしていた。何を悲劇の人のようにとイラっとも。

しかし、インディーズ映画として、素晴らしい作品だと思う。


あの時もし、ジムが最初の手紙を渡していたら。
もし、アマンダが中絶をせずに、出産していたら。
テープに録音されていたような、理想の中年夫婦になっていた?
人生の選択を間違えたのかもしれないが、やり直しはきかない。
だが、お互いの気持ちがわかったことで、自分が選んだ今の人生を生きていけるような気がする。
ひといきついたら、気持ち切り替えて。