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グッドモーニング, ベトナム Good Morning, Vietnam (1987)

グッドモーニング、ベトナム (字幕版)

Wikipediaより

1965年、アメリカは「反共の南ベトナムへの支援」を名目にベトナムに兵を送り込み続け、戦況は拡大の一途を辿り、サイゴン市内でもベトコンによるテロが頻発するようになっていた。その様な状況下で、軍サイゴン放送局の局長テイラー少将は、兵の士気高揚のため、クレタ島から一人の人気DJを呼び寄せる。空軍のエイドリアン・クロンナウアロビン・ウィリアムス)である。ユナイテッド航空のダグラスDC-8で到着したクロンナウアは、陽気なガーリック(フォレスト・ウィテカー)に迎えられタンソンニャット基地から局へと向かうが、さっそく現地のアオザイの女性に目を奪われる。

以下ネタバレあり

Spoilers!


Billy Crystal's Tribute to Robin Williams (2014 Emmy Awards)

 

ロビン・ウィリアムスの大ファンだったので、自殺のニュースを知った時は、とてもショックを受けた。
この映画を久々に見て、途中から涙が止まらなくなってしまった。

ロビン・ウィリアムスを紹介する記事で書いたが、哀しみをおさえながら笑うという演技がとても上手い俳優で、その表情を観るたびに、ファンとしてつい涙が出てきてしまう。

 

 

この映画の有名な、トラックに乗る大勢の兵隊を見送る場面でも、そんなロビン・ウィリアムズの演技を見ることが出来る。
可笑しなことを言いながら、笑顔で手を振っているが、目だけ泣いている。
このシーンを見るだけでも、この映画を観る価値はあると思う。

ちなみに彼らは、第1歩兵師団(1st Infantry Division)の兵士という設定。
師団の肩章である”The Big Red One”が映っている。

 


 

ロビン・ウィリアムスが演じる主人公クロンナウアは、アオザイ姿のベトナムの美少女に一目惚れ。
何とか美少女(トリン)に近づこうと、彼女が通う英語教室の教師になることに。
ところが、彼女の兄ツアンに邪魔され、なかなか近づくことは出来ないが、ツアンと親しくなっていく。

ツアンをGIが集まるバーに連れて行った時に、ツアンに絡み、侮辱するGIに喧嘩をふっかけ、放送局の仲間も加勢し大乱闘に!
クロンナウアは、その後、爆破テロやベトコンのテリトリーに入り込んだ時に、ツアンに命を救われることになる。

 


 

この映画の見どころは、大きくわけると2つ。
ベトナム人との交流(美少女トリン、兄ツアン、英語教室の生徒たち)と彼が勤務するサイゴン放送局でのDJのお仕事。

ロビン・ウィリアムスの真骨頂!
DJシーンは、今見ても、何度見ても笑ってしまう。

James Brown / I feel good が流れる中、ブース内でノリノリのクロンナウア。
彼のラジオを楽しそうに聴く兵士たち。
ベトナムの農家を空爆していくヘリコプター。

アメリカ軍が圧倒的な兵力で、ベトナムをねじ伏せようとしていた様子が映る。
しかし、ベトナム戦争がどんなものだったか知る私達は、I feel good が流れる中、複雑な思いで映画を見ていくことになる。

 

クロンナウアの番組を楽しそうに聞く兵士たち。
同僚が彼のDJに盛り上がる様子が映るが、俳優らが素で笑っているように見える瞬間がある。
そして、止まらないロビン・ウィリアムス
DJのシーンは、全部アドリブだという。

 


Louis Armstrong - What A Wonderful World (Good Morning Vietnam Soundtrack)

 

上記で紹介したが、兵士がたくさん乗ったトラックに遭遇したクロンナウア。
ベトナムでの状況が悪化していくなか、アメリカから続々と送り込まれてくる若き兵士たち。
まだ、あどけなささえ残る若い兵士が、遠い異国で過酷な戦場へ送られていく。
そんな彼らにおくったこの歌。 
Louis Armstrong の What a Wonderful World 。

この世界はなんて素晴らしいのだろう…とサッチモが歌う中、ベトナム戦争が描かれていく。美しい歌詞とはほど遠い…。

 

映画のモデルとなったエイドリアン・クロナウアー(Adrian Cronauer)氏。
2018年7月にお亡くなりになられている。(享年78)
映画で、彼以外のラジオ局の職員は、全て架空の人物として描かれている。