ジャーナリストのエレナ・マクマホンは、中米ニカラグアで親米反政府民兵、通称"コントラ"の活動の取材をしていた。
しかし、政府からの圧力がかかり、エレナはコントラの取材からはずされる。
そんな時に、エレナの父親が急病で入院したと連絡が入る。
父リチャードは、エレナに、大金が約束されている取り引きの話をし、自分の代わりに行って欲しいと頼んできた。
父から詳細を聞き、その取引が中米での武器取引がらみの可能性があると知ったエレナは、父の代わりに指示通りに荷物と共に輸送機に乗り込むが…。
以下ネタバレあり
原作は、ジョーン・ディディオンの同名小説。
76年の映画「スター誕生」の脚本家としても有名。
舞台は、1981年12月。
エル・モソテ虐殺の取材をしていたエレナ・マクマホンは、相棒のアルマと共に、命からがらエルサルバドルから脱出する。
数年後、ワシントンDCで国務長官に、中米での活動に関してしつこく追及した結果、政府から新聞社に圧力がかかり、中米担当からはずされ、選挙取材の仕事を押し付けられる。
同じころ、久々に父親から連絡が入り、バーで再会する。
父リチャードは、怪しげな金儲けに夢中になっている様子。
選挙取材中に、国務長官の妻に接近し、レーガン陣営のパーティーに潜入。
改めて、国務長官を追求するが、ノーコメントとかわされてしまう。
その後、彼女が宿泊したホテルの部屋に、怪しい封筒が置かれていた。
中身は、数枚の写真と、首を突っ込むなという脅迫文。
以前、協力してもらった軍関係者に、その写真を確認してもらうと、アメリカの軍の余剰武器が、南米に運ばれているという話を聞かされる。
そんな時、父リチャードが倒れたと連絡が入る。
病室で父は、大金が保証されている儲け仕事を、自分の代わりにやってほしいとエレナに頼み込む。
父から話を聞き、その怪しげな仕事が余剰武器売買に関わっているのでは?と考えたエレナは、ジャーナリスト魂からか、父の仕事を引き継ぎ、イチかバチかで、言われるがままに輸送機に乗り込んでしまう…。
ジャーナリスト魂で、より危険な道を選び、突き進んでしまうエレナ。
言われるまま、直接輸送機に乗り込み、着いた先でも、積極的に危ない橋をわたり続けてしまう。
最後の最後では、彼女を助ける人物が現れ、ギリギリのところで国外脱出し、アメリカに帰れるのだろうと思っていたのだが、ラストはそんな甘くはなかった。
また、映画の最後に回収がされ、エレナとともに“そういうことか…”と驚かされたまま、エンドロールに。
残念なのは、母娘の関係。
エレナ自身も親と疎遠だったようだが、ジャーナリストとして飛び回りエレナもまた、自分の娘を寄宿学校へ入れている。
映画のところどころで公衆電話で話す母娘のシーンが入るが、最後までエレナは自分と娘の関係について考えるシーンが無かった気がした。
また、怪しげな仕事を押し付けた父も、いつの間にか亡くなってしまう。
それは、純粋な病死なのか、病死に見せかけた他殺なのかは、わからないまま。
個人的には、いきなりのラブシーンに戸惑う。
しかも、エレナの片胸に手術跡があることに関して、何も話に出ていなかった。
何となく、ムダなトップレスシーンに思えてしまった。
映画冒頭から、主人公エレナが問う、“誰が、命より金を選んだ?”の答え、そして、原題の直訳“彼が望まないこと”という意味。
レーガン政権、ということになるのでしょうか。
最後に、相棒であるアルマが、エレナの名前で記事を書いているのだが、その記事が出た後の、世間の反応等が少しわかったら良かったとも思う。
敏腕ジャーナリストとはいえ、政府関係者に計画的に陥れられたら、ペンは剣より強しには、どうしたってなれない。
ネットでは、アメリカでも日本でも酷評されているよう。
10点満点中2~3点のようだが、そこまで悪いとは思えない。
個人的には6点ぐらい。