映画とドラマとロケ地

映画や海外ドラマの撮影地の紹介+レビュー

ラン・ラビット・ラン RUN RABBIT RUN (2023)

産婦人科医のサラの幼い娘ミアは、ある日、一度も会ったことが無いサラの母ジョーンが恋しいと言い出す。施設にいる母ジョーンのもとへ連れて行くと、ミアは自分がアリスだと言いだし、祖母のそばにいたいと騒ぎだす。

以下ネタバレ注意

 

エリザベス・モス

監督のダイナ・リードは、ドラマ「ハンドメイズ・テイル」の“Holly”というエピソードで、エミー賞にノミネートされている。エリザベス・モスが、当初この映画に出演予定だったが、スケジュールの都合で断念している。
主人公を演じたサラ・スヌーク、エリザベス・モスに少し似ていませんか?

 

キャメロン・マコーリー君

この作品の脚本家Hannah Kentが、生まれ変わりについて興味を持ったのは、グラスゴーの少年キャメロン・マコーリー君のドキュメンタリーを観たことがきっかけだという。
少年は、自分の家がアウターヘブリディーズ諸島にあるバラ島にあると言い、穴に落ちてグラスゴーにたどり着いたと説明していた。少年が言う通りの家が、実際にバラ島にあったことが判明し、輪廻転生だと話題になった。
その後、前世を語る子供たちの調査を始め、Carver FilmsのプロデューサーのAnna McLeishとSarah Shawから脚本のアイデアを求められた際に、提案したという。

 

ネタバレあらすじ

ミアの誕生日
サラの娘ミアの誕生日。サラは恐ろしい夢から目覚めた。
夜には、離婚した夫とその妻もお祝いに来る予定だ。
サラは、最近父親を亡くしたばかりで、ミアは祖父に会えないことをがっかりしていた。

ウサギ
ミアを学校に迎えに行き、帰宅すると自宅のガレージが何故か開いていた。
玄関にウサギがいて、ミアはウサギに大喜び。サラは反対するが、ミアはウサギを家の中へ連れていってしまう。
サラは、ミアに内緒でウサギを逃がそうとするが、手を噛まれてしまう。一部始終をミアは見ていた。

ウサギのお面
翌朝から、ミアは母親と距離を置くようになり、ピンクのウサギのお面をつけるようになる。
帰宅途中の車内で、ミアは会ったことが無い祖母ジョーンが恋しいと言い出す。
家に帰った後、宿題のためにジョーンの写真が欲しいと言い、サラは父親の遺品の中から写真を探すことに。サラと妹のアリスの写真を見ていると、ミアが突然現れ、この写真を探していたと言い、自分の写真だと騒ぎだす。

祖母の施設へ
ミアが、ジョーンに会いたいと言い続けるため、ミアを連れジョーンのいる施設へ訪問する。
認知症を患っているジョーンは、ミアをアリスと呼び、抱きしめる。
ミアも自分をアリスだと言い出し、サラはミアをジョーンから無理やり引きはがし連れ帰る。

ウサギの絵
サラはその後、ミアが描いたウサギと人間の暗い絵を発見し、ミアが病気なのではないかと心配しはじめる。サラの元夫ピートは、ミアの望み通りジョーンに会わせるべきだとアドバイスする。
サラは、娘とのコミュニケーションを取るために、幼い頃住んでいた家にミアを連れて行き、アリスが7歳の頃に行方不明になったことを告げる。

アリスとの思い出
サラは、アリスとよくケンカしていた。
アリスは動物が大好きで、父親がウサギ狩りをすること、そしてサラが狩りの手伝いをすることを嫌っていたと話す。
ミアは、アリスの話に過剰に反応し、アリスであるかのように振舞いだす。
困ったミアは、古い写真を処分し、納屋に隠しておく。

アリス
ミアが眠った後、納屋から音が聞こえてきた。
サラが納屋のキャビネットを開けると、アリスが現れ、サラに閉じ込められたと怒り出す。サラは、納屋にあったウサギの罠でアリスを襲うが、ミアがその様子を目撃し、部屋に閉じこもってしまう。

真実
アリスを納屋のキャビネットに閉じ込めたことも、ウサギの罠で殴ったことも、実際にサラがしたことだった。
アリスは行方不明になったのではなく、サラがアリスを崖まで追いかけ、突き飛ばしていた。

ミアが行方不明に
元ピートが家に駆け付け、ドアをノックし、その音でサラは我に返る。
ミアがいないことに気づいた2人は、崖の周囲でミアを探し始める。
サラは、自分がミアを崖から突き飛ばしたのかもしれないと慌てだす。
水の中に人影が見えたサラは、すぐに飛び込み、水中でアリスを見つけるが、ピートがすぐにサラを助けに来る。
その後、2人は、草むらに隠れていたミアを発見する。

ラスト
サラは母の施設へ行き、アリスは死んだと告げる。
帰宅したサラは、眠っているミア(アリス)に、自分がアリスを崖から突き落とし、母にはアリスが家出したと嘘をついたと告白し、謝罪する。
ミアから「あなたは怪物ね」と言われ、サラは「私は怪物」と答える。
翌朝、サラが目を覚ますと、窓の外にミアとアリスの姿が。アリスとミアは、崖に向かって歩いていた。サラは家から叫び続けるが、2人はそのまま歩き続ける。
~おわり~

 

ひとこと

もやっとするラストだった。
あれは、サラの悪夢なのか?
それとも実際に起こっていることなのか?

ミアは、アリスの生まれ変わりなのだろうか?
ウサギが、アリスの生まれ変わりではと思いながら見ていた。
7歳で亡くなったアリスが、7歳の誕生日を迎えるミアのもとにウサギの姿で現れ、徐々にミアに乗り移っていったということかと考えた。
ウサギを抱き可愛がるミア⇒ウサギのお面をつけ⇒アリスと名乗るようになる。
ウサギ狩りをしていた父が亡くなったというタイミングもあるのかもしれない。

怖さが足らないという人も多いかもしれないが、怖がりな私には良い塩梅のホラーでした。